すべてのおすすめ
モラタスという新しい気分を
いつも気ままで 曖昧ですっとんきょうな午後で
感じている いや とにかく新しい気分なので
分からないけれどそんな気がしている
「ここの赤をもうすこしモラタスにし ....
そのバンドの名前は「全米各地で」といって
下北だか高円寺だかの汚いライブハウスで
お騒がせだ
ボヘミアンだとか
アシッドテストだとか
ケルーアックだとかギンズバーグだとか
単語をつぎは ....
ちをおさえないと
むねからこぼれる
あかい実はざくろ
いやちがうのだよ
ほんもののちだわ
にくきゅうの手で
おさえても毛には
べたりとあふれる
このこのちりゅう
どうかとまります
....
とうさん
せんせいのおはなしには
ぼくらでてこなかったね
ぼくやまねこさんのように
どんぐりのさいばんしたかったな
くらむぼんみたいな友達ほし ....
郵便ポストの口の滴り
水性の宛先
にじむ歌の
音色は
配達夫のかばんの底
にじむ歌の
雫 いつしか
アスファルトのくぼみの
くぼみのなかにも
ちいさな土地と
ちいさ ....
海があんまり静かで
手を突っ込んでみても濡れない
顔を突っ込んでみても息苦しくない
ということはどうやら夢をみているらしいから
潮の匂いすらしない潮風に吹かれて
飛んでみようとおもう
....
其れを届けたと 言うけれど
私には貰った覚えがちっともないし
納戸まで探してみたが痕もない 夕べ
熟すほどに{ルビ酸=す}い 果実は密かに割れる
慕うばかりに{ルビ過=あや ....
「現実から乖離していく」と、あなたは言いますが
それは現実なのですか?
それはあなたが狂い始めた、ということですか?
狂ったあなたは狂気を自覚できるのですか?
それとも外界の一切のほうが非 ....
僕は壁を見ていた
見ていたのは漆喰のくすんだ壁で、成層圏まで達するにはもう少し
何も、落書きがあったわけじゃない
ただ壁のひび割れをなぞっていた
一度だけで ....
彼が台所で欲情した
ごめん
もう
私は誰ともできないの
だって子供ができるんだよ
できたらいなくなるんだよ
彼は
左手でポケットのコンドームを揉みしだき
右 ....
色は午後から塗りましょうと告げられ
私は途方に暮れてしまった
先生、
この鉛筆でなぞるべきものなど何処にも見あたりません
という小声の訴えは
38分の1の軽さでもって
上着のポケットに ....
{引用=詩集『カエルトコ』より: 4}
●昨日
昨日
魔法の絨毯が とうとう
飛ばなくなった
だから 夢を語るまえに
真実を伝えなければいけない
●四月になれば、彼女 ....
●なかまはずれはだれ? --ベタ編--
「はい、今度のは少し難しいかな。
次の生き物のうち、仲間はずれはどれですか。
あ.クジラ い.イルカ う.カモノハシ え.オットセイ お.ペンギ ....
つららが融け垂れ
するする 降りてくる
屋根に生えた 羅列が
ほろほろ ほころんで
あぁ くっついてしまう
日向土に 落ちては
沁みる 旋律
クロサイが 泣いて
....
ボクは「詩」を書いているつもりでした。
伝えたい想いに囚われていて、好きなときにふっと書きました。
臆病な自分や、家族のこと。
好きなあの子への気持ち、世界に対する怒り。
思い浮かばない ....
僕の獏
{引用=よく覚えちゃいないんだけどさ
ちっちゃい頃に獏を飼ってたんだよ
お姉ちゃんがアスピリンに過剰反応しちゃって
県立病院に入院してから
お姉ちゃんの見舞いに行 ....
●魔酔い
♪ド・ミ・ソ・シ〜
メジャー・セブンでお伝えします
迷子サマのお知らせです
パタゴニアから、と頑なに言い張る
さらに、どう見ても30代後半なのに
29歳という微妙なト ....
●風穴のデジャヴ
ジャガ芋の皮を剥いていると
剥いてやっているくせにデコボコなので
俺の虫の居所が悪くなってきた
つけ上がるなよイモのくせして
お前に進化する気持ちがある ....
{引用=詩集『カエルトコ』より; 3}
●ブラザー・サン シスター・ムーン
赤詰草 白詰草
僕が考えると ワラジ虫がくねる
アカツメクサ シロツメクサ
君が朧なら 露が踝を濡らす
....
象と遊び回る君を見ていた
い魔法の絨毯で世界一周を
する君のことをも ....
美沙子、なんだか思い出しちゃったんだよ
俺もまた性懲りもなく別の娘とつき合ってるんだけど
君より13センチも背が低くて、俺のコートの中に入っちゃうんだよ
小さいけど美人、なのかな、よく喋るよ ....
ねえ私はお箸うまく持つこと出来ないんだけど
それでいつもスプーンでたべてんだけどさ
昨日、あんた唇がふれたら黙った だまった なんでだ
びみょうになるな
微妙になるなよな
ただ私にお箸を ....
長い針がてっぺんで止まって
からくり人形が踊りだすように
季節は正時を知らせないので
私には夏と秋の境目が分からない
午後いつものように並木道を通ると
すっかり中年になった白樺の深緑
....
並木道に
誰かの日傘が忘れられているのを見つけ
持ち主の名前がなかったので
失敬することにした
けれど自転車のかごに引っ掛けて
ペダルをこぎだしたそばから
日傘は陽を浴びて匂いたち
....
そこに入るべくして、入ったかの如く
キチリと仕舞われていた
トランクの中身。
交互に並べられた歯ブラシ、206本。
一本一本、薄い渋紙で丁寧に包んで、
その、・・・。
歯ブラシは何故か、白 ....
さよならで固まる
夜が明ける 人が行く
陽が差す 酸性雨に降りしきられる
あの小さな子がこんなに大きくなる
区画整理が始まる
建て替え決議がなされる
....
{引用=詩集『カエルトコ』より; 2}
●Junk
風が辿り着く
ジャンクの帆布のはためきに
子供は寝言を呟く
●Soldiers' Home
むせ返るジャン ....
うらやましいお方
金曜の夜は
「あと2日も一緒だ」と
「幸せだなあ」と
そのお方と一緒に眠られます
土曜日は
しじゅうお布団でごろごろ
あなたは昔わたくしに「ころころしたい」
とお ....
お元気そうでなによりでございます
半年ぶりのごあいさつにまいりました ....
今日ハナミズキの花が見えたよ
もはやぼくの内側に ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12