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船の重さに泣く海から
浪のかたちの水柱
けもののように吠えのぼる
冷えては骨に染まる鳥
心なき王国をかいま見る
低い月の光にまみれて
甘いにおいを
鏡の道 ....
そんなひまがあったら
窓を開けて月に吠えます
そんなひまがあったら
空をつかみ鳥になります
そんなひまがあったら
雲をちぎり雨を描きます
そ ....
果実のように眠る蛇が
枯れ木の枝に揺れながら
見知らぬ少女に呑まれる夢を見ている
少女は蛇を知っている
眠ったままの蛇の頭を
深く口に含んだとき
無味の毒が舌を ....
水たまりに映るいさかいと雲を
雨がゆっくりとかきまぜる
人は過ぎる
空は過ぎる
水たまりの底のむらさきに
次の空がやってくる
鳴き声のように震える音が
どこから ....
花が居て
狂いたい
と言った
なにもしてやれないので
川にうつる枝のなかに立ち
はらわたの森をひらき
ここにお入り
と 言った
蝶が来て
狂いたい
と言 ....