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目の前のものが見えなくなって
アリジゴクの誘惑に身を委ね
家電量販店ではカードが飛び交う
もう何もいらないよ
暗闇の中に階段が見えるよ
ふと、いらなくなって
降りてゆけばいい
バ ....
付け足されてゆくことがあって
それはとても
喜ばしい
差し引かれてしまうことがあって
それはとても
痛ましい
あなたの暮らしは
わたしの暮らしでもあり
わたしの途は ....
夕暮れのバス停で
バスを何本も見送りながら
いつまでも尽きない話をしていた
木枯らしに吹かれて
君が吐き出す白い息が
ダイヤモンドダストに見えた
教室も ....
小さな傘に
入りきらなかった
ふたりの肩に
あきらめかけたような
雨が降るのです
雨が降るのです
思い出なんて
気まぐれなもの
一枚の写真さえ
ふたりの目には
違って映る
違 ....
部屋に突然インドがやって来て
勝手にインダス川を氾濫させるものだから
部屋は水浸しになるし
大切にとって置いたものも
すべて流されてしまった
これは何の冗談だ、と
食って掛かっては ....
水は途絶えを忘れる薬
波を待ち望む青年や
イルカを愛する少女の瞳
波うち際に揺れる小舟や
小高く揺れる果樹の枝
彼ら
彼女らの
その目の海は
わたしには見えない
....
最近
携帯電話の寿命って
1、2年じゃないのかなあって
それはちょうど
春に種をまき
冬には枯れていく
一年草みたいだねって
私の本棚に
枯れてしまった携帯が
行儀よく並ん ....
あやつられる
わたしの背中に糸が生えている
よく見ると
足からも
腕からも
糸が生えていて
どうにかすると口がパクパクする
声だけが違う場所にあって
伝えることができない
こ ....
「なんでぼくはいきているんだろう・・・?」
十代の頃から十年以上問い続けてきたが
宙に浮かんだ透明な「答」を今もなお{ルビ掴=つか}みあぐね
差し伸ばした腕の先に手を開けば
只 僕というち ....
君と
ばいばいって
約束もなしに
手を振るとき
誰かが
波打ち際で砂を踏むのです
僕の胸の奥の
小さな
渚で
濁った色の疲れたスーツで
駅からの決まった道を帰る
立ち食いうどんの黒い汁に
コロッケをひとつ浸すのも
いつもお決まり
しまったシャッターを背中に
いろんな若者が自由な服をきて
楽し ....
待たなくても夜はきてしまうから
朝はどうしょうもなく待ち遠しい
眠れない
そんなことはもう
考えなくなりました
「アシタカ」というのは亀の名前なんですが
てっきりオ ....
最近寝ても夢が見れなくなった
夢テレビが壊れて何も映さないらしい
町に買出しに出かけた
毎晩毎晩使うのだから
やっぱり今の時代夢はカラーだと思ったり
....
{引用=〜スヌーピーの漫画に出てくる、黒髪の少女に〜 }
ルーシィ
わたしいま
あなたについて考えている
ルーシィ
わがままで
高慢ちきで
知ったかぶりで騒々しくて
野球だ ....
目醒めたのはたぶん
明けがた
蒼暗い部屋でぼんやりと
遠くに音色を聴いていた
やがて明らかになる
意識の中で
ああ、雨が
雨が歌っているのだと
....
夜の星の下で
俺とおまえとこうして立ちながら
静かに汚れてゆく
川を見つめている
昨日から明日へ移動するためには
おまえの脳髄に流れるこの川を
わたらねばならぬ
でなければ俺たちは
い ....
突き抜ける衝動 響く鼓動 貫き
戦地を逃れた銃弾 透明な空へ
管理された思考 解放
もう耐えることを忘れていた
保護を断って
どこか どこかへ
自由という
不幸を背 ....
哀しみも
さみしさも
なにもないよ
空は
まっすぐに
晴れたよ
私は
まっすぐに
生きるよ
もう
未来しかないんだから
私は
からっぽなんだから
....
今夜の仮装は何が良いかな
あなたは狼男で、わたしはバンパイア
君は朗らかな笑顔で
オレンジ色のほくほくを
ていねいに掻き出しているね
ふたつの三角から掻き出したら
お次は大きな四角から ....
一枚の葉も無い
一本の細い木のように
突っ張った体がベッドの上に横たわる
焦点の合わない瞳
微かに呼吸する半開きの口
折れ曲がり固まった枝の腕
真っ直ぐに交差した両足
手首に刺した点 ....
どうしても
言えない言葉が
心の中で腐って
酒にような
詩になるよ
どうしても
言えない言葉が ....
君の身体にあいた小さな穴を
塞ぐこともできないような僕です
風が冷たくなってきました
風邪などひきませんように
そんなセリフは
可愛くもないけれど
せめて吹き抜けないように
....
(足音が空に響く)
木枯しの吹く 門の影にひとり
傘を片手に
かんざしをなおし空をぼうっと見つめる
黒髪がしん
と光る寒さに
空はなにもいわず
そのままの形で をんなは立ち
「あ」
....
あなたのうみにとびこんで
あたしをひろいにきたの
これはぶかぶか
あれはきつきつ
それはこそばゆい
どれならぴったりくるのやら
やわらかい ....
僕が住んでいるのは風の街
東からも西からも 北からも南からも
風が吹いて人は舞う
街路樹も風に舞って踊ってる
風の街では
どこかで捨てられた言葉も飛んでくる
寂しい ....
砂丘に行けば
明日があるかも知れないと
とぼとぼと足跡を残します、そして
砂を数えたのです
波を数えたのです
灯台の明滅を
数えたのです
星を教えてください
色 ....
誰かわたしを飼ってください
朝 かろうじて
そう わたしの耳がささやいたとき
ひとが姿を現しはじめた
かつて わたしがどんぞこで
まだ 形をとりもどしていない頃だった
....
田舎から出てきたばかりで
胸膨らます新入生
4月からどこに住むのかな
不動産屋は待ってます
みんなが喜ぶ学生さん
重要事項説明書
ひらひらさせて待ってます
これでもわりと良心的なほうよ
....
ある日見た空に
飛行機雲が白くひかれていて
それが矢印のように思えました
きっとそんなところにもきっかけはあって
感じたままを力の向きに
見上げるその
角度にも
だから
....
洗面台の鏡を傾けたら
小さい流木がころげおちた
どうやら 渦巻くのは小さい海
どこか角度の違う世界へと
つながっているらしい
悟ってはいけないよ、と
こころの母の声がして
そっと指を ....
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