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箱入り娘に関する一連の推論は、世界という
もうひと回り大きな箱に対する裏切りのひと
つであり、それを論じる者たちは、それを奪
おうとする者たちと同じく、等しく同じ罰を
受けなければならない。箱 ....
あなたと
彼との
星の質量が違うから
その差に寂しくなるとしても
ここから見れば
満点の星たち
キラキラ同じ
暗闇の道しるべ
それでもあなたの道を行け
信じるという引力が
互いの距 ....
付き合って一周年だからケーキを焼くとキミが張り切ったとき、
嫌な予感はしたものの、僕は何も言えなかったんだ。

おいしそうな香りがしてるでしょう?と、キミが家に僕を招いてくれたとき、
明らかに ....
ザラメ ザラメ
その名を呼べば    
甘い夜風が
    
         う
        ょ
      び
     
と吹く

夜のお祭り
始まって
裸電球

 ....
海は
暮れながら
静かに凪いで

潮風は
夕日を寝かしつけて

あんず色に染まった薄い雲は
迷子の子猫の形に似ていた

風に流されて
おかあさんを探していた

みい
みい
 ....
幼い頃知っていた
時間を巻き戻す
不思議な眠り

思い出せないままの
まっ赤な空がいつまでも続く
{ルビ夕餉=ゆうげ}の前の過ごし方

秒針も知らず
時計も持たず
生きていけた
 ....
欲しかった物がひとつ

縁日で買ったラムネ瓶の中で
からから回るビー玉
何度も取り出そうとしたけれど
出来る筈もなく
ただ瓶を透かし見ては
溜め息一つ

割ってしまえば手に入るのに
 ....
誰から声をかけられるでもなく 
彼は{ルビ日陰=ひかげ}を静かに歩む 
足元に人知れずなびく草の囁きを聞きながら 

上というわけでも 
下というわけでもなく 
{ルビ只=ただ} 彼は彼と ....
私は足場の固まった
真新しいベランダに立っている 

腐りかけた古い木の板を{ルビ軋=きし}ませて立っていた時 
私は世界の姿をありのままに{ルビ見渡=みわた}すことができなかった 

今 ....
あのレストランの前を通り過ぎるといつも 
寂しげな人影が窓の向こうに立っている

何年も前、飲み会を終えた夜 
あなたはいつまでも電車を降りず 
家路に着こうとしていた私は仕方なく 

 ....
名残雪が、責めるように頬を撫でる日に。


母が倒れたとき。
自分の愚かさを知り、奇麗事の容易さを悟った
この唇の内側から溢れるのは
偽善者の小さな自尊心、その欠片ばかりで。
吐き気がす ....
「わたしたちのからだ ここに入るのね

その言葉は 墓前に供えた白い花より麗しく
遠くに 在るもの いつか 訪れる
その日を見据えては 永久 に さすらい


「わたしたちの心 あの雲に ....
春だから って
がんばらなくても
いいんだよ

桜のつぼみが
あちこちで
ちっちゃな
熱気球みたいに
今にも舞い上がりそうでも

はりあうように
がんばらなくても
いいんだよ
 ....
化石になるときに
石と入れ替わってしまった
私の部分
を、さがしているのです

外側の触れている世界から
入れ替わっていくから
私の肌
は、こんなにカサカサとはがれ落ちて

化 ....
今ぼくの猫が

顔を洗っています

今日は雨が降るのでしょうか?

ぼくの飼っている猫の名前は

虎吉となにかありがちな名前でした

でも凄く可愛いです

人間から見れば

 ....
はしっこの村にはな
働きもんのじさまと
ばさまが住んでいた

お日さまよりも早起きで
毎日、一汁一菜の粗食
いろり端にはやかんが
チンチンと湯気を上げ
窓辺には四季折々の彩 ....
五つの星は夜生まれた
けれどその話はまた今度

青い とつぶやくと
その唇の形から魚だった時代のことが思い出される
泡は真珠とまんまるな月との間に生まれた

苦しくなって止めてしまう
 ....
身に覚えのないことで
なぜか{ルビ矛先=ほこさき}はこちらに向いて
誰かの荷物を背負う夜 

自らの影を路面に引きずりながら
へなへなと歩いていると
影に一つの石ころが浮かぶ

理不尽 ....
高原行きの{ルビ汽車=ディーゼル}を待つ間
プラットホームの先っぽで
二人は駅弁を食べるんだ

二段になった折り詰めの
おしゃれな駅弁を
うれしそうに開けるんだ

中央アルプスの山嶺に ....
風車が
巨きな時計のようだ
三つの針を吹雪にまかせて
早回しで、ゆっくりとまわる

うなっているのは
雪を孕んで吹く北風
だろうか
誘導電流を生み出すコイルの声
それとも
ただの  ....
書けなかった詩の断片が
ちぎれた草になって

風に舞っている

いのちは永すぎる未完
死してなお
始まりにさえたどりつけない 未完

私の夜はいつもと同じ旋律を
内側の街路にまきち ....
最近
僕らの会話の間には
「確定申告」という言葉が良く出てくる

娘は
そんな僕らの会話を聞いていて
いきなり

「かくていしんこくってなーに?」
なんて聞いてきた

僕は ....
あなたの姿を まぶたの裏側に
赤い 糸 で繋ぎとめ
下の名前を そっと 呟いてみる


あなたへの 気持ちを 確めたところで


  ぬかるむ春の気配に取り残された針金細工
  忘れ ....
春の陽射しに 
紅い花びらが開いてゆく 
美しさはあまりに{ルビ脆=もろ}く 
我がものとして抱き寄せられずに
私は長い間眺めていた

今まで「手に入れたもの」はあったろうか 
遠い真夏 ....
白について
考える

 白といえば
 我が家の飼い猫
 うどんこ

 呼び名は
 うどんちゃん

にゃー

 彼は
 ある朝
 国道を
 横切ったら
 そのまま
 戻 ....
浜辺に漂いついた瓶のように
ひとり暮らしの郵便受けに
届いた宛名違いの封筒は
丁寧な文字で
差出人の住所

きっと昔、この部屋に住んでいた
誰か宛の誰かの手紙
なにかの縁だろうと
不 ....
君があの子の話をする度に
僕の胸の奥底に一輪
黄色い薔薇が咲く

全て君に
摘み取って欲しいと
思うけれど
云える筈もない
咲き乱れる
薔薇の香りで
噎せ返りそうだ

今宵も
 ....
昨日ひろったきれいな小石

たとえば人は
磨かれる前の宝石の原石のようだということ
未完成なままの美しさを知っているから
そっとしておいてください

そんな 淋しさ



 ....
夜道を散歩しながら
人知れぬ夢を呟くと 
胸に溢れる想いは
目の前の坂道を昇り 
仰いだ頭上には 
只 白い月が
雲間から地上の私を見ていた 

半年前 
オートバイに乗ったお爺さん ....
その夜 女神が降りてきて 
真実を映す鏡だと言うから、覗き込んでギョッとした
 
これは私ではないと訴えたら 女神は笑う 
皮膚が剥がれているのは 
上っツラだけ善く見せようとしていた所 ....
銀猫さんの自由詩おすすめリスト(2703)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
箱入り娘に関する詩的考察- 岡部淳太 ...自由詩6*06-3-21
それでもあなたの道を行け- アマル・ ...自由詩806-3-21
可愛らしい胃薬が僕を手招くから- 時雨自由詩6*06-3-20
ザラメ- ふるる自由詩7*06-3-20
夜の- ふるる自由詩9*06-3-20
冬の終わりの草笛が- たりぽん ...自由詩706-3-19
幼年期の終わり- キリヱ自由詩306-3-18
青年と老婆- 服部 剛自由詩6*06-3-18
桃色の風船- 服部 剛自由詩7*06-3-18
朧な太陽_〜空の色_♯2〜- 服部 剛自由詩8*06-3-18
ラストストロー- 士狼(銀)自由詩8*06-3-18
香春盆夢歌(かわらぼんゆめうた)- 恋月 ぴ ...自由詩16*06-3-18
はるか- まほし自由詩14*06-3-18
バージェス、残されるもの- たりぽん ...自由詩9*06-3-18
猫万歳!猫バカ集合!- こめ自由詩7*06-3-17
*はしっこの村*- かおる自由詩8*06-3-16
星の話その他- ふるる自由詩8*06-3-16
六地蔵- 服部 剛自由詩13*06-3-15
駅・小淵沢- たりぽん ...自由詩7*06-3-15
さよなら、風車をまわすもの- たりぽん ...自由詩11*06-3-15
未完の夜- 岡部淳太 ...自由詩18*06-3-14
確定申告- ベンジャ ...自由詩6*06-3-14
Y曲線- 恋月 ぴ ...自由詩18*06-3-14
夕暮れの並木道- 服部 剛自由詩14*06-3-13
- アザラシ ...自由詩9*06-3-12
あの、手紙は- たりぽん ...自由詩13*06-3-12
黄色い薔薇- キリヱ自由詩10*06-3-11
もしかしたら嘘かもしれない- ベンジャ ...自由詩7*06-3-11
シリウスの光る夜- 服部 剛自由詩11*06-3-11
真実の鏡- 落合朱美自由詩1206-3-10

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