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シャッターを切るよう
指で切り抜く仕草

ゆっくりと人差し指で
黄金比率を探してみる

無数の頂点を結んでいくと
地球の作り方がわかる

とどめられないものだから
測ろうとするけど ....
「 抵抗することに疲れた 」 
そう言い遺してある友は 
自ら世を去った 

思い通りにならない日々の 
不自由な鎖を巻いたまま僕は 
しばらく横になっていた 

ランプの灯りの下 
 ....
下を向いて歩いていたら
五月がおちていた

かたちというほどのかたちもなく
いろというほどのいろもない
けれどなんとなくそれが
五月だということは感じられた

そのままにしておくのもあ ....
独り暮らしの古家から 
週に一度 
玄関から門前に出て 
杖を手にワゴン車を待つ 

「おはようございます」 

ドアが開いて下りてくる 
孫のような青年の
腕につかまりながら
車 ....
わたしの棲む場所を流れる川に
水はない

誰かが
橋の上から捨てた言葉を
灰色のさかながついばんでいる


     *


夏の暑い日、わたしは
忘れてしまいたい過去の過ちと ....
  (カワセミ!カワセミ!)

木々の重なりの一番深く
真っ暗な沢の灌木で小さな光を見つける
ポストの底に忘れ去られた手紙のように
思い出せないのに忘れられない
ちいさな鳥の形を
手 ....
長い間待ち望んでいた瞬間が訪れる
受付の看護士さんに案内され
病院らしい匂いのする待合室の長椅子に
わたしはひとりで腰掛けていた

手術自体はあっと言う間ですから

こころにメスを入れる ....
小指をなくしてしまったのと
あなたは淋しそうに言う

けれどあなたの手には
たしかに五本の指が
すらりとあって

僕からみると
ほかの指より少し短いその指は
いちばん右といちばん ....
るいるいと
つみかさなり
荒涼をうめつくす石
  これは誰かの
  さいぼうであるか
それらの石が記憶の
かけらであるとしたら
この場所に吹く風も
意味を孕むであろうが
ただ過去を予 ....
田舎の駅の階段を 
せーらー服の少女は軽やかに上り 
ひらひたと舞うすかーとのふくらみに 
地上と逆さの重力が働いて 
自ずと顎が上がってく 

まったくいくつになっても 
男って奴ぁい ....
 野菜をたくさん載せて市場へと向かうトラックが横切っていく。水路には水草が揺れている。私は派出所へ向かい、被害届を出すところだ。この国では太陽が物を盗む。私の場合、被害としては最悪のケースで、家が盗ま .... 最近のボクはこんばんわを忘れてしまった

常に出る言葉はおはようございますとおやすみなさいだけだし
愛してる、なんてもう久しく言っていない

昔、杯を交わしたおまえとは何でも話せたような気が ....
あの、ね

  君の語りの中にはいつも海があって
  壊れた砂時計が海岸線を塗りつぶしている
  波はいつの間にか言葉になって
  こだまする、喉の奥

赤いうさぎを抱いた少 ....
病人は目を醒まし
言葉にならない声でさけんでいる
葬儀屋が切り取った脚を
箱に入れて去っていく
皮膚は黒かったが
骨は白いままだろうか
もっと遠い窓の向こうでは
咲いたばかりの花が
離 ....
猛禽がやたら低く飛んでるな

  なのはなにしずかなあめ
  なのはなにしずかなかぜ

桜の花びらに埋もれた
側溝のたんぽぽ

   散って舞う風流よりも
   舞って発つ、汚れても ....
老人ホームで 
19年間すごした
Eさんが天に召された  

すべての管を抜いて 
白いベールを被る
安らかな寝顔の傍らで 
両手を合わせた日 

帰り道に寄ったマクドナルドで 
 ....
「せんせいのては やさしいかたちしてるね」

いきなり言われたので
僕は自分の手をじっと見た
どうみても普通の手だ

「どういうところがやさしいの?」

血管がういて筋張っているし ....
あなたはいま、幸せですか?

君の単純な問いかけに
イエスともノーとも言えなかった僕は
不断桜の幹に身体をあずけ
枝先の小さな葉を気にしていた

こいつも光合成してるんだなあ
陽ざ ....
東口を出た歩道橋に 
一人立つ 
目の見えない 
フルート吹きの奏でる 
あめーじんぐぐれいすの 
音色を前に 

手押し車の老婆は通りすぎ 
土産袋を持ったサラリーマンは通りすぎ 
 ....
春雨の降る午後 
私は一人傘を差し 
無数の蕾が開き始める 
桜並木の道を往く 

三っつ目の信号を曲がり 
学校に沿う坂を下ると 
傘を差す 
君の母が立っており 
喪服の私は頭を ....
井戸水を拾って
足音をしのばせて
どうか誰にも
誰にも気づかれませんように    想いを、想いを、想いを
つるべを握って         しのばせて
雨よ、雨           降るのは花 ....
今年はじめての風邪をひいて
布団の中でまるまっていたいのに
僕は先生なんて呼ばれたりしているので
待っている子供たちのために教室へ行く

ところで
そこの教室の窓はとても大きい
僕が ....
  {引用=わたしはすでに 
わたしそのもの}


自ら望み 
生まれてきたわけでもなく 
自ら選んだ
両親と国と時代でもなく 

窓辺に置かれた鉢の 
枝葉を広げた小木のように  ....
点描を打ちながら
窓に・風
空に・花
見れば・雲
きん・こん・チャイム

音楽室
古いピアノふるえる
新入生たちの指
柔らか過ぎて

美術室
ももいろの花瓶が立ち上がって
春 ....
おもいでの形見
私にとってこれは
変わらないことのひとつ
ここには風は吹いてこないけれど
ほがらかなひだまりがぽうっとしている

いつまでも
微笑する宇宙のふちで。
私の子午線 ....
物語は
いつからはじまったのだろう
あれは遥かふたばの記憶

いろおにの
むらさきが見つからなくて
忍びよる気配に耐え切れず
かさぶたに触れた、指先

―――ふるえていたのだ
―― ....
弧を描く波打ち際で
世界の縫い目をたどる短い旅路
遠ざかる、境界を引き寄せ
空と海を縫う指先が左右に揺れる
「こっちだよ」または「バイバイ」
その境目のメトロノームが
いつかのあなた

 ....
恋人を亡くし 
自らのこころを立て直そうと  
遠い旅先で 
免許取得の合宿に入った君は 
今日初めてのハンドルを握った 

仕事から帰った僕は 
君のブログの日記を読む 

「ギア ....
{引用=からだのすべてを耳にしてしまいたい、いっそ}




糸電話から伝わった振動が、
あのひとの声だったと気づいたときには、もう
音もなく、底はふるえない
わたしを塞いでいく夜にも ....
 雪雲が切れたようだ。陽が射すと季節が春へむかっているのがわかる。公園の駐車場で休憩としよう。座席を後ろに倒して窓をすこし開ける。エンジンを止めてガラス越しの青空をピラーで切り取ると鳥のさえずりが聞こ ....
銀猫さんの自由詩おすすめリスト(2703)
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