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鏡に映す)顔が白く仄めく
朝日の刻々と刻む音に
変容する影
どうしてか かなしくなる
私という生きものは、。
例えば(いけないかしら躍るように)、
昨日買った手鏡が、
私を映すという ....
朝だからね
力入らないけど
別れ話したのだ
昨日から
私小説に近い
ほんまに
なのにちがう
本当に色々
話したんだ
すわって
ねて
パン食べて
いってらっし ....
君に何が起こったのか
あれこれ詮索しても
真実は君の心内にあるのだから
僕には到底知り得ない事だし
余計な気遣いはして欲しく無いこと
良く理解しているつもりだよ
だから僕には君の旅 ....
遠くにいる人を想っている
列車は夜の手のひらをすべるように過ぎてゆく
舞い落ちる雪はその速度に蹴散らされて
散らされた後たいへん静かになり
静かに舞い落ちて
舞い落ちて
落ちて
落ち ....
ガラス張りの大学に入り受付をすませると
演劇スタッフの君はにっこりと僕を迎えてくれた
小劇場に入ると
舞台上に寄り添って並ぶ幾本もの木の幹の間で
若い役者達はふざけあい談笑しながら開演の時 ....
ああ忙しや忙しや
三太のオヤジは右往左往
---なにしろ年に一度の出血大サービスだからな
子供ら誰一人漏れのないようにな
平等に配んなくちゃならねぇしな
え?そりゃあカン ....
モノクロに光る海の中で唯一
赤く照る鮟鱇が、舌を出して寝ていた
彼の口にはセピアに褪せた写真が一枚
男と女が、幸せそうに抱き合っている写真
何も言わず ただ、貪ってる
モノクロの ....
あなたはきっと
優しい声と、やわらかな睫毛を
いとしいひとに沿わせながら
年金や家のローンのことを話し
子どもが生まれたら
どのメーカーのビデオカメラを買おうかと
冗談まじりに相談した ....
今の私は 人には言えない事ばかりしている
警察ごととかでなく 自分自身が ぼろぼろだ
何もかもが 嫌になってきている。
生きている意味も 死ぬ意味も 今は同等。
でも 夢は ....
質に入れたはずの女房が
ある日ひょっこり帰ってきた
質流れでもしたのだろうか
おかえりというと
ただいまもいわず
お茶だけ
のひとことで
台所に立ちお湯をわかしはじめる
そのうしろすが ....
目をクリクリさせて
鼻の穴を大きく膨らませて
電信柱の後ろに隠れているおとこのこ
笑いの爆弾を抱え
友達が近づくのを待っている
ワッ
キャ〜
あ、ビックリした。
いやだぁ、けん ....
月の咲く頃、青鷺が溺れた
川辺の彼岸花のように 恋に焦がれた
ひらがなの響きで、わたしを呼ぶ あの人
辛辣な言葉を並べるくせに
どうして時々 柔らかく、呼ぶ の
青い紙で鶴を折って、 ....
‥アスファルトが冷たい
足の裏は今にも凍ってしまいそうで
靴の中で指先を丸まるだけ丸めて
足踏み 右へ 左へ をやめられずに
‥まるでメトロノーム
朝は 朝は 朝は
平等に ....
フラッシュは
たけなかった
君と映った写真
暗く淡く
ああ悲しや
私の心が写真に
見事に
写っていた
映っていた
破いた写真
涙で かすむ
「今だ」
写真を持っ ....
愛する事は容易いけれど
愛される事は難しい
肩触れ合うほど僕が君の傍にいても
うなじの後れ毛に見とれていても
僕の愛に君は気づかない
たとえばそれは硝子越しの口吸い
感じるはずの柔 ....
今日も遠い北のはずれでは
北風がつくられている
私は妹の手をとって歩きながら
「ごらん、あれが北風だよ」と
すり切れそうな雲の端を指さして言う
すると雲は
少しずつ形を変えなが ....
フレーズをいっぱい
書き留めてた日記帳をね
手に持っていたら
私のところへヤギが来て
それうまそうだ
って言ったと思ったら
全部食べられちゃった
悲しくなって
泣いちゃって ....
空の泡沫(うたかた)
流れる彗星
髪は、女の命
午睡の夢の遠い夢
素粒子レベルで透けた吐息
さららと流れる吐息 風に乗せて
鏡にちろりと目をやって
つらりつらりと梳き ....
ここは
いつも広くて
息が白くて
冷えてて
がらんとしていて
音は全て霞んだ帳の向こうから
聞こえて
私は
怒っていたし
恨んでいたし
頑張り過ぎてたし
叫びたかったのに ....
考え直しても
考え直しても
土は崩れ
不意の後悔
ぼくのからだは
安定を失いながら
考えないことにたどりつけないまま
うごめいている
まるで
イルミネイションを顔に受 ....
ふわりと舞う雪が
街の灯りを反射して
今夜は蛍祭りだ
初夏の焦燥をも凍らせて
激しく雷光を放ちながら
吹雪いても、唸っても
季節が渡っていくというのに
冬の丸底フラス ....
君は大丈夫かと聞かれて
頷いたとたんに
胸のどこかがとくんと疼く
いつもそう
小さな嘘をつくたびに
私の中の私はそれを見逃さない
ねぇ ほんとうに独りでも
生きてゆける女 ....
底のない鏡に向かい、
自戒を込めて。
近しい人に、
わかる言葉だけで、
書きはじめると。
あなたは途端に、
「うた」を喪います。
声 ....
るぅ、
りる、
りらぁ。
ふるりらぁ。
小さく、
目を開けて。
鍵盤の上、
踊ってるよ。
こびとさんたち。
....
plain damageをなんて訳そうかと思い悩みながら師走の
群衆のなか歩いていた
とおもっていたとき
からっかぜが吹きすぎたプルトニウムのからっかぜが
あそこから60キロ半径にあるすべ ....
ある冬の日の午後に
人通りの少ない道を選んで
散歩をした
それは確か 手が
かじかむほど寒い日だった
一時間ほど歩いて
そろそろ家に戻ろうとした時
前方にある ....
わたしは蠍
孤独な蠍
心に浮かぶあなたの姿
思い出は心の痛み
耐える事しか
わたしは知らない
わたしは蠍
虚しい蠍
流れる砂はあなたの幻
ひとり見つめて
逢いたさ募る
....
冬の天井が落ちてきて
降り積もった断絶が
錆びたハサミを行使したのです
あなたとわたしの相似形は
いとも簡単に失われるから
失ったとたんに永遠で
何も持たない子 ....
「虫」に「文」と書いて「蚊」
と、言われても
今ひとつ得心のいかないわたしは
たとえば
ぶーん、と飛んでいるから
「蚊」と書くのだろうか?とか
飛んでいる奴をつかまえようとする様が
....
時速80kmの車窓
次から次へと景色は流れる
ホームの階段をひたむきに駆け上がる
パリッ!とスーツの新人サラリーマン
けっつまずき 宙に浮く {ルビ縮=ちぢ}んだ4本の手足
車窓から消え ....
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