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つつじから蜜を吸いとる口元が こぼれるようにあまく光った
胸もとはこぼれる花弁の花水木 火照る頬には蝶々が咲く
風が光れば花たちは咲き笑い きみが笑えば空が高まる
日ごと濃くなる ....
朝早し冷たい空気通り抜け妻の車は勤務にいそぐ
妻に又何かをせむと心やり描き始めにし昨日の絵
一人いて心に懸る妻のこと共に料理を作る楽しさ
サヨナラをいうタイミング探してる君との距離が微妙にひらく
誕生日来れば必ず電話する元気ない母歳を誤魔化す
空を飛ぶ鳥の背中に乗せられた想いはいつか君を動かす
天ぷらやフライを揚げるあ ....
なごり雪、春を待てずに十八で溶けたあなたのように儚い
{引用=
愛なんてコンビニでも買えるって どれが愛だかわからんのやけど。
さみしくて漂流したくなったさかい、貯金おろしてロフトに行くわ。
星空をさんきゅっぱで買ってきて ....
青い空 桜の花が 舞躍り 君への手紙 引出しの中
靴箱に 生徒は想い 詰め込んで ポストみたいと 靴は笑った
{引用=
*あいうえおにあこがれている
あってみたい。まだ見たことない朝焼けに ぴったりの名前、つけられる人と。
いまだけを生きているから。いまだけを生きていたいと思って ....
{引用=
好きです、と 迷って言ったら「知ってる」と答えるあなたがやっぱり好きです。
おやすみ、と あなたに言われるそれだけで うまく眠れる人になりたい。
傷付けたい。 そん ....
やわらかな光をたばね菜をゆらす瞳に春を住まわせた人
心から信じてもらうということは
愛されているということでした
君のこと信じてるって言ったとき
嘘をついてる気分になった
生きていて大事なところで迷うのは
思い込みと信じる ....
録画せしはぐれ刑事の死を悼む弱気な祖父の齢思はるる
わが孫の結婚式を見て死なむ 酒飲まば出づ祖父の口癖
ねこバスをおりて走れば森の道
裸足でならす五月の姉妹
ねこ紳士希望を連れて空を蹴る
胸に抱くは夢見る少女
もののけが太古に生きる彼の地での
奪う命と生きてく力
迷い込む秘密 ....
掌をふたつ合わせて手に入れた
祈りを今日の命に変えて
子どもみたい そう言おうとした私のことを
子どもみたい と君は言う
都合よくさみしいときに君のこと
思い出すなんて言えやしないよ
手をつなぐ そのことだけが重要で
....
「さようなら。」君の言葉に泣けなくてガラスを磨けば透きとおる月
忘れようと 強く強く思うのに
思い出にさえ 笑われる日々
君がもし 覚えていないと言うのなら
忘れてしまえよ 今日の記念日
大切な あなたの生まれた日でさえも
....
{引用=「同じ日は二度とこないね。」かさねあうくちびるに降る星状六花}
それぞれの皿に苺を盛り分けて
嫁ぎし娘の数も入れおり
盛装の娘の席は遠く しばたたく
目にぼやけゆく宴の席に
夕食の時どき夫は嫁きし娘の
空席言いて酒を呑みほす
月を取れ星 ....
川底の小石流れるさま見えて
美しき水に冬陽集まるる
川底はコンクリートになりゆくか
工事済むあとの水は澄めども
園児等が短冊吊す七夕に
幼き頃の吾娘が重なる
七夕に ....
「北大路 京介くん」と 紹介し
「彼氏じゃないの いいお友達」
梅雨明けに急いで飛び乗る夏行き電車今年は手元に切符が二枚
右ばかり覗いた出店のお目当てはあんず飴食む君の横顔
息はずみ灯台目指して漕ぐペダル二人乗ってる重さが嬉し
幾重に ....
生まれては消えてゆきます片恋は炭酸水の泡の数ほど
もくもくと瞼の裏に夏の雲夕立のあと虹ふたつ
遠雷におびえる硝子風鈴の母を呼んでるかぼそき声
はてしなく走る草原夏の日の思い出は今ポッ ....
山の端に今昇りくる太陽に
向いて鳶は羽ばたきにけり
草あかり部屋の中までたちてくる盛りゆく
飯も腕も染まれり
(嵯峨花の家)
行きあたる程に飛び交ふ黒き蝶
幻想めきし庭に立ちたり
(嵯峨花の家)
....
めまぐるしく排ガスの数字変わるなか
河原町の信号渡る
老い母の如何にと受話器に声を聞く
会いたくなりて声とぎれつつ
赤ちゃんの取り替へ事件見ておりし
背丈伸びし子が眞違を問いぬ
....
呼吸するすべなど誰も教わらない駆け出す夏はどこまでも海
鍵盤を戸惑うような告白が胸をすみかに未来へ渡る
横顔にかける祈りもつかのまに夢から夢へ原理をつなぐ
....
左手のダイヤの裏に隠された本当の意味知らぬ幸せ
寝言では私の名前が出ないよう
呼び名はいつも愛犬『ナナ』で
「ねぇ今日は記念日でしょ」と花束を
....
忘れたいことばかりある昨日今日覚えていたい明日にしたい
愚痴をこぼすことは自分が苦しいと認めることでだからできない
愛してることが必ず“悲”と“喜”とに分かれることも生きてる不思議 ....
鈴の森触れては消える降るうたは触れては消える触れては消える
夜に泣く左目を知る鏡の子まなざし手繰る火の指の先
忌みの日の化粧のように白き喉うねりざわめく小径を照 ....
喜びを悲哀に吸われ
その中で戸惑う心と変わらぬ顔
「おめでとう」
言葉が重くのしかかる
笑顔で返せぬ弱った我が身
無理をして笑顔を浮かべ悔しがる
風呂場で流す涙と疲れ
....
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