すべてのおすすめ
久しぶりに三人で手を繋ぐ
いつもより寒い冬
汗をかいた小さな掌は
どことなく妻に似ていた

歳を聞けば指で
三本や五本を出していたのに
今では両手の指すべてを使わなければならない ....
冷たい北風に煽られ
凍える霙に打たれても
白樫の木は黙して耐え抜く


容赦ない吹雪の最中
総てを失う事の恐ろしさに
怯えてはならない
大地深く張り巡らした根の先より
明日への滋養を ....
おまえがほんとうのことを口走る度に
鳥の翼から羽毛がぬけ落ちる
世界はやせ細り 目に見えるものすべてが
絵に描かれたものとして溶けてゆく
たとえば可哀相な妹が
人に知られぬ速度で後退する時
 ....
遠くにいる人を想っている

列車は夜の手のひらをすべるように過ぎてゆく
舞い落ちる雪はその速度に蹴散らされて
散らされた後たいへん静かになり
静かに舞い落ちて
舞い落ちて
落ちて
落ち ....
満水の夜に
感覚をとぎすませながら
無数の魚が泳いでいる
距離と、位置と、
上昇する体温と、
そういうものを
止めてしまわないように


蛇口に口をつけて
あふれ出すカルキを吸うと ....
 ララパイ。揺れる小船。
 あら、引き波が随分強いのね。
 これで、アメリカに行ける?


 スモーキン・ミズ。
 ここは湖ですよ。
 そんなに遠くへは行けません。


  ....
呼ぶ声は誰のために
呼ぶ声は誰のために
遠くから来た人は家を建てた
終(ついえ)の住み処に
なるとは知らずに


往く人は誰のために
往く人は誰のために
墓碑に添えられたコップ
 ....
青のお墓で悲しむことはありません

白の立ち姿を遠目で映します

赤のお空で産声は響きます

黒の後ろ姿を光で焼きつけてください


あなたのいた砂の層が
うららかに音を奏でて
 ....
柿の実色に日は暮れて
通学路に残ったチョークの○も滲む頃
街中の電線にたわむ百舌たちは
嬉々 嬉々と啼いて安堵する

それを羨む秋の傍らで
きみに書きあぐねている手紙は
お決まりの挨 ....
まずはこちらのショーケースをご覧ください。

数多くの思想が並んでいます。

お好きなものをお買い上げください。

お一人様2点まででお願いします。


そしてこちらの棚をご覧くださ ....
淋しさの屋上に幽かな
夕焼けが照らし続ける赤い星

病んでしまった日記帳や
駅前の木々までも染め抜く
きぼうをすてたら
おわりがこない
かなしみもこない
いきだけのこるから
いきをする
だいちにくちづける
でんぱのてがみをまつ
まちつづける
こない

きぼうをすてたらいけない
せ ....
#41

 吐瀉物は
 パッ
 と散って
 花が咲くみたいに
 路上に開いた
 
 深夜
 2時40分



#42

 (大阪弁のイントネーションで)
 ワタシの主食 ....
ずつうやくを飲んだ
はんぶんだけ
やさしさでないほうを


恋は終わったのではなく
けっきょく始まらなかった
もう春だった


つながれたこいぬが
ねむたそうにあくびしてる
み ....
浪速の三輪かつらぎ号
{ルビ囂々 ....
靴紐がほどけて
その存在を見せ付けてくる

埋められるための空白は
ただ待つことしか出来ないのに


生きることを言葉で表現できたなら
どんなに幸せだろう
もしそれが可能なら
生き ....
みたすものではなく
うめるもので
うめつくされた
まいにちは

うめるものを すてて
みたすものを
そそがないと
もとには もどらない

わかっては いる

それでも
みたす ....
そうなんですか
わかりました

ドアがしまる やさしい 風
眼が覚める 眠れない

もう どこまでいったかな
いまからでも 間に合うのかな

もし 君にあったら
なにを ....
草をはむ靴音を
幾度となく確かめて
渇いた枯れ葉の上に
柔らかい音をたてた

それ一枚ずつに
言葉があるかのようで
カサコソと囁いては
木漏れ日に揺れ
風に流されもする



 ....
小春日の
短い夕まずめの頃
風を追いかけて橋を渡っていくと
軒下に
うり小僧
てへっ と笑ってはにかむあいつ
ずんぐりでっかい目玉を
ぎょろぎょろさせて
うりのような顔つき

月が ....
なんという事もない 日曜の昼下がり

公園の野原の片隅

ポコーン ポコーンとボールを追う

カシャクシャと落ち葉と戯れる犬

こどもらの華やいだ声

透き通った青海原に
 ....
諦めることを諦めてしまえば
誰でも抜け殻になれる


枝をはなれた枯葉が
落ちる途中で宙返りをする


もしも諦めることを忘れることができたなら
何度でもその身をひるがえしてみせよう ....
話に尾ひれがついて
泳ぎだす速度で
泳ぎだす
身体にあたると少し痛く
自分の血はまだ赤い

眠たい目を擦りながら
恋人のだらしない口元にキスして
唇から溢れたものは
唇に戻る ....
瞼(まぶた)を閉じ
安らぎに抱かれ
ゆっくりと
ゆっくりと
呼吸する

やわらかく息を吐き
おだやかに息を吸う
くりかえし
くりかえし

やわらかく
おだやかに
息を吐き
 ....
しんしん
冷たい 蛍光灯
冷たい 磨り硝子
朝の それらの冷たさの
白い薄荷を
しんしん



ああ 恥ずかしい
氷の前触れの指先はなんだって
まだこんなにも赤い?

 ....
このパンフルートの音色で
君の過去を知る事が出来るとしても
僕は知りたくないし

このパンフルートの音色で
ふたりの未来を覗く事が出来るとしても
僕は覗きたくないよ

昨夜からの冷たい ....
ぼーん ぼーん
内側から鳴り響く
真白いカルシウムの固まり共
ぼーん ぼーん
時を記すのではないのだろうに
余計なものを剥ぎ取った痕
ぼーん ぼーん
そこは特に空っぽだから
音が共鳴し ....
唇の皮を剥く癖が幾つ夜を重ねても直らない

横に居る誰かの顔色を窺って
「飽き飽きしてる」
と言われるのを怖がっている
こちらもそう言ってしまいそうだから
窺っている

ほの白い布団
 ....
白鳥が飛来していた

初雪の予感漂う十月下旬
懐かしい湖面に
白鳥が飛来していた

渡りは
これから本格的になるのだろう
湖面には
ぽつりぽつりと
数えられるほどの小さな群れ
 ....
太陽の溶けた樹液が
母星を 取り込み

枝の上に 果実を成す

宇宙飛行機には 乗れないけど
かじりついたら

行っていない星はない

この実すべてになるために
巡りきた 
宇 ....
しらいし いちみ さんの自由詩おすすめリスト(707)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
初詣- たもつ自由詩5206-1-2
白樫物語- 恋月 ぴ ...自由詩29*05-12-31
世界の別名- 岡部淳太 ...自由詩33*05-12-19
遠くにいる- ふるる自由詩37*05-12-18
夜明けの水位- 望月 ゆ ...自由詩57*05-12-10
あまり- 如仁自由詩305-11-23
Far_song- 大村 浩 ...自由詩11*05-11-18
沙の春(いさごのはる)- こしごえ自由詩12*05-11-11
十一月のブーゲンビリア- 銀猫自由詩13+*05-11-4
アイデンティティーショップ- ブルース ...自由詩805-11-4
秋星のくちづけ- たりぽん ...自由詩805-11-3
まえをむく- 石川和広自由詩6*05-11-3
フラグメンツ_#41〜50- 大覚アキ ...自由詩4*05-11-3
やさしさでないほうを- ZUZU自由詩905-11-3
浪速の三輪車- あおば自由詩5*05-11-3
白い空- 自由詩5*05-11-3
みたすもの- こむ自由詩5*05-11-3
悲劇はあまりにたくさん下ろされた優しい愛です- KE自由詩105-11-2
言の葉- LEO自由詩5*05-11-2
うり小僧_笑う- けんご自由詩505-11-2
*雁渡り*- かおる自由詩5*05-11-2
枝をはなれた枯葉は宙返りをする- ベンジャ ...自由詩6*05-11-2
- たもつ自由詩1405-11-2
海の鼓動- イオ自由詩7*05-11-2
正しい色素- A道化自由詩805-11-2
パンフルートと秋鮭- 恋月 ぴ ...自由詩12*05-11-2
白い音- 唯浮自由詩1+*05-11-2
仕様の無い癖- 錯春自由詩2*05-11-2
白鳥の湖- 千波 一 ...自由詩16*05-11-2
果ての果実- 砂木自由詩10*05-11-2

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