楽しげに話す君の唇に

僕の人差し指を

押し当てる

唇は何度も重ねたけれど

指でのキスは初めてだった


柔らかくて

弾力のある

君の唇が

僕の人差し指に ....
大潮の日に
満月に向かって
車を走らせ
家路を急いでいると
どこからか
海の匂いがして
どこからか
いるかの笑い声が聞こえ
ぼくはなんだか
きみといるときみたいに
あたたかく
お ....
            きょうのひがおわる
            おんなじように あなたのひもおわる


            きょうもいきてるよ
            だって ....
要るもの、
要らないもの、
要るもの、
要らないもの、

ねぇ
そこの、おにいさん

要らないものを別の誰かが
要るもの、
要らないもの、
要るもの、
要らないもの、

ね ....
階段をあがると 私の部屋

でも 時々は 

いつもと違う階段が現れて

わからない部屋に 入れないだろうか

むかし飼っていた猫たちが

ぞろぞろ迎えてくれる

そんな部屋に ....
わたしがいたら
あなたは
うれしいのかな

よくわからない

わたしはあなたがいると
さみしいの
ほら
きょうは もう
ひ がおちる ね


と いいながら
遊歩道ぞいの木々は
うでいっぱいの
はっぱ を
するするとみまわし
だれが いちばん
きいろいか
えらぶのに
いそ ....
無数ともいえる
ボタン

ひとつずつ、かける
かけ終えたそのとき
もっと別の
なにか
きらりと光るような、に
心をうばわれて
せっかくかけ終えたそれ

一気にはずす
そんな ....
毎日、目覚めの悪い朝と
目覚めの良い朝が交互にやって来る
なのに私はいつも
何も知らなかったかのように
それを迎え

目覚めの悪い朝
関節の痛む朝
カーディガンの袖口から手は無い
昨 ....
あなたの手のひれが
わたしの頬にふれる、

見ているだけでは
かからなかった暗示は  せつな
私を滑らせる

あなたの指紋は渦となり
巻かれた貝奥の私を
するりと抜きおと ....
うしろからかぶさるあなたの髪

舐めて
ぼくは
海の中のくらげになった
すこし しおからい
涙のおみずの流れるままに
くらげのぼくは
たくさんの人を噛み
きずつけ
そして ....
うす暗闇のなか

香の灰を浴びて

ベッドにて眠っていた猛獣が

女という感覚を微かに取り戻した

夢現の。







現実の壁、落ちた灰

灯ゆらめき、

 ....
はっきりと見えない
セロハンのような
それ 一枚が
へだてている
ような
わたしたちは
角度によって
ときどき 見える
それ のせいで
近づけずにいた

沈黙に見とれてしまいそう ....
泣いているこどもは
湯気が立っていて
かわいい匂いがする

抱き締めて
頭に鼻をくっつけて
くんくん嗅ぐよ

産まれたてのときは
わたしの内臓の匂いがした

今も少し
する
 ....
立ち並ぶビル群の幽霊
ビル風が吹き抜けると
敷かれゆく風の線路の上
滑らかに空中列車は行き交う

乗客は皆視線を落とし
日常に見つからぬ出口を
携帯電話の画面に封じ込める

 「 ....
優しさとか嫉妬とかモラルとか、

そういうの、なんか全ぶどうでも善くなって

ただただあたしを、あたしの瞳を唄を、

まっすぐに見て欲しいと思う。





だれもかれも。
 ....
ゆうぐれが
ひとつずつ死んでいく

さよなら、それでも
また明日
会えるといい。

なんども手をふる
彼は
東ばかりを見る



橙の
奥 ふかく
つめたく 
や ....
どうすればいいか
と思ったとき
できることは
考えることではなく
ぎゅっと抱きしめること
だけが
何かを救うから

あなたを胸に抱いてぎゅっと

あなたが苦しがるまで
振り向くと沖に知らない人ばかりになってこわい

貝の表面についてる回虫みたいな模様がこわい

高波が何でも持っていこうとするからこわい

クラゲが知らないうちに沢山わいてこわい

あが ....
からだが どうん、まばたきしたときの
あのせかいが まっぷたつ から、ゆうぐれて
頭から 地球の中心に ぐん、と押されると
わたし、いつも きまって あやまってしまう
ごめんなさい、ごめんなさ ....
もうすぐ私はこの声を失うでしょう
うな垂れた君がそう云った

魚のような足を組みなおして
煙草から灰が落ちても彼女は俯いたままだった

売れないシンガーと売れない詩人な僕らは
その言葉で ....
つぶやきみたいなものです。

○私にとっての詩

私にとって詩は、言葉で表せないものを言葉で表してくれるありがたいもの。

表せないものってなんじゃ・・・小川に素足を浸した時の、「あの感じ ....
白いシーツにくるまって
裸の足を少しのぞかせながら
「帰るところがないのぉ」って
まるでローティーンの家出少女みたいな
口調でさ
そう言ってみな

きみの横に滑りこんだぼくは
不器用に ....
わたしはかつて
とてもあまくて湿った土から生えて
花を咲かせることをゆめみた
猫が足元におしっこして
とてもあたたかくてしあわせだった



ちがう土から生えてそだつわたしたちは
た ....
夕刻
おとこまさりの包丁裁きで
頭を落として
からだを開いた

中骨を
刃先でなぞる
膜を破る
洗い 流す
ぴりぴりとあかい
赤は
どこまでも
泣き止まない


鍋の底で ....
駅前のパチンコ屋は新装開店です CRフィーバー「穂村弘」

慎重に「穂村弘」の臍の穴狙って「弘」をまわしてください

「リーチ!」って「穂村弘」の声がしてまみ群出たらチャンス拡大!

ま ....
 


 いい天気だった。これほど天気がよければ、女の乳首も見えそうだった。見えなかった。おれは駅前のロータリーのベンチで、バスを待っていた。
 隣に座ってる男の乳首は見えてしまった。 ....
かわいそうに

思った

必死になっている
彼を見て

わたしのこと
好きなんだなって

でもわたし
たぶん
それほどじゃない

かわいそうに

でも満足してくれるの ....
頭痛の治し方を模索する
肩甲骨の伸びた少女の
持ち上がった服の曲線が
気になって僕は、640円を財布の中から
錬金することができずに
できる限り救い出そうと試みる
頭が痛い
店 ....
あの日
誰もがわたしに
優しくしてくれた
あたたかい言葉を投げかけてくれた
よかったね、と
言ってくれた
わたしだけはどの人とも
いがみ合わずに
誰にも
嫉妬されずに
いつも、いつ ....
床さんのおすすめリスト(227)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
★116_クチビル- 貴水 水 ...自由詩7*04-12-1
大潮の日に- 草野大悟自由詩2*04-11-29
いきてる- アルビノ自由詩404-11-28
フリーマーケット- 望月 ゆ ...自由詩4*04-11-26
猫の部屋- こむ未詩・独白3*04-11-19
ひとりよりもふたりがいいなんてうそ- チアーヌ自由詩1104-11-18
秋冬- 望月 ゆ ...自由詩8*04-11-9
カーディガン- 望月 ゆ ...自由詩4*04-11-1
目覚めの悪い朝- かのこ自由詩3*04-10-22
うみほおづき- つきのい ...自由詩1704-10-18
海月どりーむ- ぼん自由詩104-10-11
香の灰- かのこ自由詩4*04-10-8
夜の、きりん- 望月 ゆ ...自由詩304-10-7
かわいい匂い- チアーヌ自由詩7304-10-4
空中列車- 服部 剛自由詩25*04-10-3
恋。- かのこ自由詩204-9-21
土の匂いを噛む- 自由詩13*04-9-10
言葉はいらない- チアーヌ自由詩904-9-5
海はこわい- ふるる未詩・独白43*04-8-31
ごらん、ゆうぐれる- みい自由詩68*04-8-16
人魚の詩- りぃ自由詩104-8-13
「詩について思うこと」- ふるる未詩・独白13*04-8-10
今朝早く君は物憂げにぼくのベッドから流離する- 山田せば ...自由詩904-7-26
(とびたつしゅんかんのとりのかたちの)- なを自由詩1704-7-23
あいまいなからだ- 自由詩14*04-7-6
「穂村弘の夜」- 山田せば ...短歌11*04-6-30
ディズニーとマクドナルドと劇団四季に命を狙われる男- カンチェ ...散文(批評 ...7*04-5-27
かわいそうな人- チアーヌ自由詩404-5-18
本屋にて- クローバ ...自由詩3*04-5-17
わたしのやさしいひとたち- うめバア自由詩3*04-5-2

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8