がらんどうになった部屋の中で
やめたはずのタバコ吸いながら
思い出せない
思い出を
思い出しながら
なんとなく泣いてみる
からっぽになった部屋は
ただただ広くて
僕の4年間は
な ....
あなたの隣にいると
体中の
毛穴が開くのを感じるの
ぶわあっと
体中から
何かが噴出して
息が出来ないくらい
それがなんなのか
わからないまま
いつもキスしてる
闇黒こそは好ましい色だ
そこに何があるかわかりはしないから
闇黒ある限り
人は何かを想像し続ける
などという警句もどきを
てのひらで丸めてみる
睦月
この部屋は明るい
パソコンの画 ....
明け方なのに
わざわざ窓に背を向けて
本を読み続けているのは
なぜかしら
答えてくれなくても
それでも
私はかまわない
愛についてならきっと
あなたでなく
その本でなく
朝 ....
天井に頭がつきそうなあなたと
どてっ腹に穴のあいた私は
どこか浮かれた心地で手を繋ぎます
やがて日暮れて
子どもたちはそれぞれのミノに潜りはじめる
私たちも
アンゴラのマフラーを身につけま ....
ねこーとよぶと
ごはんをたべます
さかなはいつまでも
すっぱいまんまです
よぶたんびにちいさくなるので
ちゃんと、おぼえておこうと
なきます
ちんまりしたしっぽが
はたはたとして
....
人生の縮図を一枚の写真に托そうと
カメラを持ち出した午後
通い慣れた公園の道を黙々と歩いてゆく
木陰をなぞるようにしながら
景色に目を奪われることもなく
いつしか長い上り坂の入 ....
目を閉じてもひらいても
夜に重なり現われる
光りかがやく胸のかたち
蒼のなかのからくりたち
高らかな鉛の奥から指さし
水面の緑と並んで馳せる
星と同じ色の曇
星と同じ ....
あおいだ ゆびさきから
つむぎだされる よるの とばり
その やみのなかで てらしつづける
ゆらめき つづける
ふかしぎな かたち
さまざまな ゆくえ
ねがわくば わたしの あとは
....
私の父はある日
「お前の頭は大丈夫か?」と言いました。
私は
「別に普通だよ」と返しました。
詩に埋もれて生きている私を、父は心配してくれているのです。
私だってたまに自分がキチガイ ....
過ぎ去るものがあって、僕は奏でられているものを聞いている
耳から耳、手から手
それから
夕立に降られそうになって、傘を買った
小さく折りたたまれた傘で、雨が降らなかったので広がることはなか ....
凍えるわたしのか らだには 血が通ってる とがる まがる 川べりに出る前に 無限のでこぼこ ぢめんがあるの せめてものおおいなる恩寵 セーターの匂いは まぎれもないわたし だ が ....
あなたの降る
ひとひらから重ねて
いちにちが実をつける
まっすぐな廊下から壁の掲示物から突き当たりの部屋から放さないでと思うここのこころから
ゆれている
ゆらゆらと
のばしている色 ....
サンタクロースのお話は好きだ。
それは、聖夜の前日に素敵なプレゼントを配るから好きなのではなく、
サンタクロースが赤と白の服を着た、おひげの立派なおじいさんだから好き。
(煙突から落ちるから好き ....
一昨日夢で死んだ
高い高い崖から落ちてしまって
刹那
目が覚め
正気に戻った
夢で死んだけど
手も足も顔もある
傷一つ無い
当り前か…
可笑しな話だけど
夢で死んだって
....
堅い 青い海の上に君は立つ
黒い 傘なんて持ちながら
雪が
自由にしてくれると言うの
で歩き出すと
なみだが
サクサク落ち
みみやはながぼとぼと落ち
ゆびなどもぽろぽろぽろぽろ落ちて
振り返ると
うでもあしも全部
....
静かな夜。まだ眠くはないが、電灯のスイッチを切る。大気が重みを増し、数百メートル離れた隣家から冷蔵庫の低いうなりが伝わってくる。窓ガラスに埃の粒が当たる音がする。ひとつ、ふたつ。そして、目がだんだん ....
痛みが残したものに
少しずつ慣れて
平気と笑って
隠す胸の傷
指先でたどる
消せない色々
転がりながら
散り散りになる絆
行き場所を求め
彷徨い続ける僕ら
雑踏にまぎれて
ビ ....
わたしはさみしい
みんないなくなってしまうから
わたしが抱きしめると
みんな凍りついてしまう
わたしが好きになればなるほど
わたしは嫌われる
わたしは寒い冷たい場所に
あなたを閉じ込めよ ....
空から
ぽろぽろ
ぽろぽろ
きっと神さまが
天国で
消しゴムかけてるんだ
絵を描くのが好きな姉でした
葱の絵を描いていました
うずくまる猫のように
ときどき鰹節も描きました
弟と仲が良くて
いろいろな物を交換していました
いろいろな物の中には
巷にある ....
あなたが後ろを向くと
私の胸から
レモンスカッシュが吹き出した
瞬く間に水の幕をつくり
私の前を一面覆う
そっと指で触れてみる
波紋は広がる
ほんの少し振り返った
あなたの ....
ガラス玉の中で夜が
凍ったみたいに動かない
だからここには何も来ない
昼も夕方も往ってしまって
世界がポツリと佇んでいる
私は夜を握ったまんま
電車に乗ってひとり
闊歩している
こ ....
夕焼けの空を
黄金色の飛行機雲が
針となってのびてゆくその先に
たくさんの人々の虹がたしかに架かって
そのたもとを掘る人もたくさんいるけれど
それはそれでいいけれど
それらの虹を針は突 ....
からみあう唇の
なじるように
押し込めてしまいたい、それ
ぼくの歩いてきた日々のワガママのクルミ
こんなことを続けて
気持ちいい
後には
何も進まない
つながりを確かに
したい
....
あなたのために
あなたは夜から朝へ
書いては
ちょいと死んでみる
あーやりなおしたい
朝火
自己中心してくとね
あなたが
きっとはっきりする
ぼくを忘れていって
温 ....
ゆらんとした
わたしのおなかのなかで
じゅうぶんな呼吸をし
みちみちて
のんだり 跳ねたり 食べたり
していた
もう うまくは
おもいだせない
ゆうべ
かっこうわるい
シャツの柄
....
君くれし 指にココアの あたたかさ
夜中にふと
トイレに行きたくなる
でも起きられない
ほんとはまだわたしは眠ってる
暗闇のなか
いろんなことを思い出す
並列した思い出たち
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かな ....
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