ムーニールーがありんこを相手取って
裁判をしているころ
お日様は林檎を
真っ赤に染めて
林檎はムーニールーに食べられるのを待っている

カタツムリが雨の中
小さくくしゃみしたけれど
ム ....
赤らんでゆくトマト、
緑に染まってゆくピーマン。
畑のトマトはトマトくさい、
畑のピーマンはピーマンくさい。
八百屋で買ったピーマンを台所で切る、
ピーマンの匂いがしない。
当たり前かもし ....
春は きえた

ゆうだちの匂いがやわらかなあわになり
すこしずつ

あたしのつまさきと
乾きかけたしゃつに へばりついて


いもうとのうたうはなうた
おとなりからひびく いたりあ ....
あいしてる なんて
恥ずかしいことをつぶやいたのは
目をとじる一秒前

とけこむように夜になれば
のどの奥から舌をつたって
やわらかなわたしが外へ流れる
うごかない小指だけを
体に残し ....
「苦しい」の言葉一つで
泣きそうになるよ。
この手は
いっつも伸びきって
ながれる水もすくえないから

連れていって。
「なんでもないんだから」と言いながら
むずかしい話は、今日はよそ ....
さみしい唇が
のどに鈴を付けて
歩くたび揺れて鳴く

顔迄這い上がる地熱はゆらゆらと
蒸せかえる
濡れたアスファルトの匂い
空は墨青を垂らして


飼育箱の中は授乳室であった

 ....
駅のホームで
迎えを呼ぼうと取り出した
携帯の電池が切れていた

取り残されたように
吐き出されてゆく人の群を眺めながら
一つの世界から切り離されれば言葉も出ない口を
カタカタとモールス ....
{引用=晩夏におとずれた出会いを、わたしはいとおしくてたまらなかった。}


最初のデートでどこへ行ったかも忘れてしまうくらい、あなたのことだけを見ていたので、わたしたちにはアルバムをつくる時間 ....
湿った夜の空気の中を
飛び回る夏の虫が疎ましい
希望も絶望もないのに
月明かりが仄明るくて疎ましい

波音のひとつもない
此所が海辺だったらいいのに
そしたらきっと泣けるのに

ひと ....
疾走感 と 焦燥感 の
折り重なった狭間で、
ドライブ

車の窓から手を出して
うしろへ、うしろへ、
流れてゆく景色を
さわって、あそんだ

ときどき
指のあいだをすりぬけて
流 ....
手をつないで
深いところまで、いってしまった


引いてゆくまにまに
記憶の砂がすれあっては
かすかに音をたてる
ノートブックの波に
毎日つづった、日記
夕立ちをよけて、キスをして、 ....
よく晴れた昼過ぎ
満開の桜の木陰にすいよせられて
黒い幹に{ルビ凭=もた}れ腰を下ろしていた

桜の花々は音もなく風にざわつき
ふと 辺りを見わたすと
桜の{ルビ蕾等=つぼみら} ....
すべてが真っ白な午後の岬よりの 帰路の
海も 空も お日様までも

それは
昇冬のころあいに生まれた
春の おくり
心が暗雲に覆われた時には
「透けた空から見守る誰かのまなざし」に
自らの汚れた卑小な裸の心を
ありのままに投げたしたくなる

そんな時、友の顔を想い浮かべては
いつかの語らいの夜を思い出す ....
かみさま
大人になった僕は
ずいぶんと長いことあなたのことを忘れていたようです。
時に僕はあなたの姿を見たいと
{ルビ只=ただ}、無力な両手を組み合わせては空に向け
一心にお祈りしています。 ....
消えていく記憶の
映像はやがて
色あせた
一枚の写真になって
避けられない風に
彩りをながしてしまうの


くるくると
回る
地球儀の おと


重ねた手のひらの微熱 ....
一日中何をしていても
ずっとあなたの歌声が聞こえてきます

最後の夜
あたたかい腕の中で聞いたせつない曲
あなたが想いをこめて歌ってくれたお別れの曲

自動繰り返しモードで流れてくるから ....
ハジメ
空から
電波

によると
によると
よると
よるとに
よるとにい
よるとにいち
よるとにいちゃ

夜とにいちゃんがたたかって
たたかっているにいちゃん負けながら
負 ....
1.

かみさまは、どこですか。



2.

かみさまは、どこですか。

道すがらたずねると
あっち、と指をさした人がいたので
ひたすら あっち、に向かって歩いた
歩いて歩 ....
少しだけ悲しいお話をしたあとに
あなたは
少しだけきれいになったようでした

まるでいいことばかりじゃない
そんな嘆きを語っていたわけではなくて
これから先のことをからめて
あなたは
 ....
呪文をおしえてください
あのひとまで、とどくような
たとえ とどかなくてもいいとさえ
思えるような
わたしを消してしまえるほどの
それは
風にも似て
耳もとをとおに過ぎてから気づく

 ....
私は委員長だけど
黒い服を着た
嫌われ者
黒い服は目印
でも、空がピンクに見えるわけではないの

ごめんね
もう誰の声も聞こえない
いつも
色んな音がいっぺんに耳の中に突入してくる
 ....
向学心がないのか
全く知ろうともしない人間が多い中で
わたし
幼少期は
図鑑を読み耽っていた

いろんなことを覚えた
この2年でも
いろんな人と出会ったし
いろんなことを学んだ

 ....
さよなら、と言って
去っていったあなた
の写真に
穴あけパンチで
はじっこから
パチン、パチン、と
等間隔で穴をあけていった

もう、その写真は
あなたじゃない
かもしれない、と ....
使いかけの、ビデオテープ
しまっておいた写真
あの夏の昼下がりの、切符

片方だけの、イヤリング
買い置きのシャンプー
どこへでもいけるね、って言いあった
あの日の、
あの日の約束
 ....
君がお風呂で
お湯が水になるまで
待っていたことを僕は気づかなかった

君は泣き
水があふれそうなくらい増えていて
そのうち君は水に溶けて
紛れていったのにも気づかなかった

僕はう ....
あいたいひとが、いる。

それはある種の、あこがれ。
もしかしたら、あえないのかもしれない
けれど、そうであってもかまわない
という思い
けれど、あったら、なにかがきっと変わる
そういう ....
静寂が満ちるのを待つ

あなたは
広げた想像の張力に身をゆだねて
空を映す水面に静かに浮いている

手のひらをつぼみにして
ゆっくりとふくらませるとき
わずかな空間の揺らぎが
水中を ....
私が羊だった頃
彼は羊飼いだった

それはとっくの昔から知っていたことだったので
彼とはいずれ出会う運命だった

彼との出会いは
幼少期
ベロベロと舐め回した乾電池の
不快感を舌先に ....
高校一年生ですが
今年高校生を卒業します
花も証書ももらいませんが
けったいな春です

一つ上の友達に
卒業おめでとうといわれ

けたいな春です
胸はくすぐったくて
中でマラカスの ....
床さんのおすすめリスト(227)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ムーニールー- ふるる自由詩35*05-6-17
畑の匂い- 佐々宝砂自由詩705-6-17
枕もとのうた- はな 未詩・独白10*05-6-5
ゆめのなか- 竹節一二 ...自由詩205-6-4
だらしないかも知れない。- かのこ自由詩505-5-30
ビオトープ- フユキヱ ...自由詩805-5-23
伝えたい言葉を伝えるために- ベンジャ ...自由詩4*05-5-15
清算されてゆくかなしみに- 望月 ゆ ...自由詩11*05-5-7
波音- かのこ自由詩305-5-3
ストライプ・ドライブ- 望月 ゆ ...自由詩12*05-5-2
かなしい、さかな- 望月 ゆ ...自由詩25*05-4-30
桜の蕾を手のひらにのせて- 服部 剛自由詩10*05-4-30
白い午後- ひより未詩・独白5*05-4-29
「約束の日」の彼を胸に- 服部 剛自由詩7*05-4-26
屋根の上に寝転んで_〜かみさまへの手紙〜- 服部 剛自由詩9*05-4-24
白黒のフィラメント- 嶋中すず自由詩4305-4-18
心の旅- フォマル ...未詩・独白9*05-4-15
によると- 石川和広自由詩8*05-4-11
かみさまについての多くを知らない- 望月 ゆ ...自由詩43*05-4-10
少しだけ悲しいお話をしたあとに- ベンジャ ...自由詩31*05-4-3
空と足音のあいだ- 望月 ゆ ...未詩・独白7*05-4-3
だって、心が血でいっぱいだから- 初代ドリ ...自由詩3*05-3-26
貪欲- 自由詩3*05-3-21
水玉記念日- 望月 ゆ ...自由詩4*05-3-20
さがしもの- 望月 ゆ ...自由詩4*05-3-19
過失流失- 自由詩5*05-3-10
あいたい、ひと- 望月 ゆ ...未詩・独白7*05-3-9
睡蓮- ベンジャ ...自由詩3805-3-7
運命- 自由詩4*05-3-7
けったいな、けったいな、- nomi ...自由詩305-3-6

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