海の記憶
星の記憶
ネットワーク
の記憶
高度に情報処理された電子
大気と排気と
死者はどこにいった
風がうたっている
もう頑張る必要ないよ
今日から私達要らない子
テスト ....
二〇二二年十一月一日 「夢」
お金を盗まれる夢を見た。
二〇二二年十一月二日 「夢」
また盗まれる夢を見た。こんどは靴だ。修学旅行先でだ。ぼくは高校生だった。
....
あなたは いなかった
夕ぐれに いなかった
いつもの 待ち合わせの
影は幻を ゆっくりと曳き
わたしは 影と影をくまなく探した
あなたは いなかった
人ごみに いなかった
わたしは ....
味覚、湧き溢れる土星に
熱、滾り流れ
原初の宇宙を思考し遡る、
己、病に相貌窶れながら
未知の音色 無限に広がる、
静かさ夜底に
日々営み努め待つ、貴女の示唆
....
倦怠感に抗いながら、洗いものをして、ご飯を炊く
今朝は、炊き立てのご飯と、明太子と
辛子をたっぷり入れて、よく練った納豆にしよう
部屋は相変わらずうすら寒く、何となく切ないので
セラミックヒー ....
母が亡くなってから4ヶ月
病気が分かってからの8ヶ月は母の死の不安と
重たい影のさす実家帰りと
フォロワーを減らさないためのSNSとの両立
昔叔父が急逝したときに
夫を亡くした叔母が
....
ゆきが おちてくる
海がひろく
不思議な 音をたてていた
灰いろの山と 横たわると
風にも 鳥にも 色いろあると分かる
やさしくしたい けれど
今のぼくには できない
ゆ ....
雪崩れ落ちる未知、
揺れ動く音像、
誰も知らない
誰か知らないか?
野性の風が吹き荒れ
夜闇が濃密に深まり
離れた梢は既に裸木、
舞い上がる葉っぱ
宙空に、ひたすら
宙空 ....
雪が溶けて春が来る頃に浮かぶ
口を噤んだ無垢の棘を重ねた
片羽を雑草で包んで置いた
サイレンをレコーダーに繋いで
逆巻きで転がせたらいい
たわいないみちの片隅で声を落とした
何事もなく ....
輝く白雲の峰、
光の横溢
青い青い天空、
石の苦痛
はらはら降る
じんじん滲む
病んだ肉体から、
解き放たれる心
どこまでもどこまでも
青い青い広がりに
脈打つ心臓 ....
壊れた室外機に腰を掛けて
春が来るのを待ってる
いくつも季節は過ぎていくのに
春だけがまだな気がする
私は雲ではないけれど
春が来たら食べたいものを思い浮かべ
その食べ物に
う ....
1.義眼
夜明けは午前7:00をまわり
すでに傷を負ったひかりの窓辺で
いつまでも腐らない
義母のはやとうり
2.かいふく
腹のなかで
白湯がわいている
はちみ ....
祖母の家はルピナスだった
そして今
母の庭にはハナニラが咲き誇っている
手応えのない薄い葉を握りしめ
外来の雑草の顔立ちの良さに
草刈りの手を ふ ....
たそがれの空にひときわ明るく
かがやく星を子どもたちは指さして
あれは ウルトラの星
後ろすがたが
まるで祈りを献げるかのよう
ちがうよ。あ ....
ジャミラの故郷は地球
のフランスはパリから汽車で三時間
五十歳にして
日々の生活に老け込んでしまった母と
婚礼を間近にひかえた ひとりきりの妹
湖 ....
子供の見る世界は
活発な栗鼠のように目まぐるしくて
全てが産まれたての星星のように瑞瑞しい
けれど
その月日の流れる公転の速度は
その身体のなかにある地軸の回転は
じつは樹木の成長のように ....
ずんずんずん、
歪む脳髄かかえ
夜が更けゆく
横たわる、
私は巨大な恒星を視る
光の鼓動、
闇の胎動、
悪は善と成り
善は悪と成る
光と闇、善と悪
ひとつの均衡 安らぎ ....
ベランダに椅子を出して
登録を削除する わたしは
暗闇に見つめられて
もう何年も目にしなかったような
みじかい 朝で
あなたの頬の中
時々 何かがつぶれる音を立てた
そんな時も人 ....
ゆれる 梢があって
旋回する 翼があって
時に 空を見ていると
無性に 突き立てたくなる
動けるものを
動けなくするため
叫びたくなる 裂けるほど
ちぎられた 雲があって
焦が ....
聞こえなくても 揺れは
しずかに からだを
くすぐる
鈴の数だけ 徳をつみ
旅してきた といううわさ
お前 りりん
音に連れられ
クロスワードで
世界を助け
ファッションシ ....
小さな啄木鳥が
枝のむこうに
隠れて鳴いている
霜に白く
苔に覆われた墓石の上に
戯れる小栗鼠
韜晦する記憶のメレンゲ
青い雫
仄かに紅く冷たく
かじかんだ耳たぶに
触る
....
次々と
完膚無きまで
叩き潰し
肉の断片まで踏み潰し
俺を裏切った人間ども、
無へと掻き消す
夢見した、血塗れ
悪夢、一晩延々
充満する憎悪と憤怒
右の拳だけで
殴り続け
両 ....
死なないでと言われた命
ここにある。
死なないでと言ってくれた
あなたの気持ちは
天より高い
{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
低い天井に音楽が響く
裸の天使の鳥籠のよう
ひりひり見開く傷口
冷凍肉のかたまりに
ガラス金属プラスチック
カラフルな鋲をボウルいっぱい
焦点を拒む視線
ただ瞳の中にゆれる灯が
焦 ....
冬の月
凍った音色で泣くくせに
地上に夢を降りそそぐ
その小道には
深夜から
降りはじめていた粉雪が
うっすらうっすら残ってる
いまは止み
みあげた夜空に浮かぶ月
キラキラ ....
○「僕は生きてきました」
僕は生きてきました
昭和平成令和と古希まで生きてきました
笑ったり泣いたりしながら
真面目に生きてきました
特に賞もなく罰もなく生きてきました
これからも普通 ....
ときどき
胸がつまるような感覚に襲われ
苦心して 小さい毛玉を吐くのです
それから少し楽になって
ソファの 昨日と同じ場所に
まるくなります
窓の外が
この頃妙に明るいと思ったら ....
ピーナッツ食い散らし
焼酎ちびちび飲んでたら
いつのまにか
肉体の熱、戻り
でも何かが変、
脳髄痺れたまま
意識、鮮明に
向かいの家の橙の灯り、点り
今夜、音楽に浸らず
自ら ....
川辺にて
女達の洗濯する
波紋が広がり
空の青に
染まる、
輪っか輪っか
ただ楽しげに眺めている、
神様が いる。
肉体の
ドクドク脈打つ
鼓動に冷え切り
迎える、
この夕べ
意識、鮮明
世界はこの白い小部屋
だけ
誰かチャイム鳴らす
チャイム鳴り続ける
なんだろう
私のなかで
何か ....
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