路地裏と街
ひだかたけし

柔らかな猫の温もりが
ぽっかり浮かんだ白雲に溶け

それは蒼い痛みを知った人、
路地裏を徘徊し
暴力と破壊の痕跡を辿る

揺れる無数の猫じゃらしは色褪せ
銀の光彩躍る外界、

舞い飛ぶ天空のトンビの孤高
今日も冬に澄む蒼穹が広がる

懐かしい誰かがふと脇に寄り添い、

路地裏を徘徊する人、陽光の街に出る



自由詩 路地裏と街 Copyright ひだかたけし 2022-12-25 17:10:23
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