一滴の水は川となり海へと続く
きみへの想いを流し
その名を呟やいた

きみは白く乾いた路を選ぶと言う
その純潔が硝子のように突き刺さり
片翼を失った鳥のように飛べなかった

埋火に火照 ....
   「何回だって言うよ、世界は美しいよ」
             (羊文学「光るとき」)

九月、未明の町は
ひんやりとして
青いベールに覆われている

ずっと乗っていなかった
自 ....
土砂降りの雨がおまえを濡らし、
からだが小刻みに震えているのを見た
星の巡りじゃなく、俺はここにいる
華奢でしなやかな声をキスで塞いだ

信じられるのは、息と瞬きだ
うなじや首筋 ....
根なし草だった私が、
根を張ったのは
夫でした

夫に寄生して
ほとんど養分をもらうばかりでしたが
ほんの時たま
養分を還流できたと思っています

例えば、バーバーのアダージ ....
縞猫は廊下に飛び出していく

子猫の頃から

老猫になっても

飛び出していく

「ダメだよ お部屋戻るよ」

飼い主はいつも抱っこして部屋に戻す

昔よりすぐ捕まって

 ....
風邪をひいたっぽい
口が病院の消毒のような匂いする
なんか明るい朝だないつもより
この光はぼくかな

でもぼくじゃないにしても

何者かのような明るさに
ぼくの心はしばらく明るかった
 ....
  (俳句八句)


風鈴もカタカタと鳴る風強し


ひとり寝の布団の朝に泣くな蝉


初盆の生々しさにわが身抱く


スイレンの花に牡蠣殻落とす罪


夕涼みし ....
とても土のにおいがする花壇で
先生は苦しそうな顔できれいごとを並べていた
お母さんは泣いてた
僕はまだ小学生で
マリーゴールドを眺めながら
図鑑で見た
花の構造を思い出していた
茎、がく ....
神社にいる猫
神様の飼い猫
手の匂い嗅がせたら
背中を撫でさせてくれた

もふもふ
もふもふ

祈りより
心無い肘鉄喰らわされた時の怒り
湧き立つ感情の置き場所を
この毛並みに沿 ....
午前4時の空

オリオンが昴を追いかけ

中天に昇った

やがて来る

冬の星座は変わらない
一食あたりワンコイン
千五百円の食糧で
寝食除いて十五時間
生きてくためには一時間
百円だけで十分だ

しかもまったく食材の
クオリティにはこだわらない
ハイオクタンなお肉でも
レギ ....
結局半分のぼくが囁いたように睡魔に負けた
これから朝までが長い
さてと、シュウマイでも食べようか…
ウイスキーの水割りを飲んで
朝まで起きていよう
昼に遠方から人が訪ねてくるので
あまり深 ....
いみなんてずっと前からのこってない「かくこと」だけがここにあるだけ

転がって火のつく指に背に頬になんどもつめたい口づけをする

七七の拍子で揺れる夢だから 五七五はきみにあげるね

 ....
ポエムちゃん、サヨナラ
汗ばんだからだでふたり抱きあった
昨日までの嘘は水に流して
今夜からは本は読まないで眠る

潔く、完璧な AI に譲ろう
思えば、想いはすべて映像だった
ことばは ....
世界を悲劇がおおうとき
人々にできるのは
母の胎内にかえることだけ
しかし、われらには
かえるべき胎内はない
なぜなら、
母親とわれらは
まったくの他人なのだから
遠ざかる星々に追いつこうとして
ポケットの中の薄い板が
震えてうめく

きらめくきつね雨のまひる
広場を歩けば
宝石がふってくる

こどもたちは争って宝石を拾い
笑いさざめきながらそ ....
ネオンの滲む街角で
ウオッカを飲み干し
潰れた夜

ぼくは路上の水溜まりで朝を迎えた

ネットの噂では
きみはいまでもピアノを弾いているらしい

解ろうとして解らなかったあの日
手 ....
キライな歌と顔触れで始まった
とはいえ、パーティーは壊したくない
素顔を知らない女たちが夜を飾る
紫煙に包まれた部屋が踊り、
沢山のシャンパングラスを揺らした

大理石の床に、笑い声が零れ ....
体重は五キロ、性別はオス、黒い猫です。
もし見かけたらこちらまで
どうか連絡してください。名前は
「うに」お願いします

雨はふらないよ
うにお願いします
ご飯に困らないよ
うにお願い ....
流線型のトースターから
褐色の食パンが飛び出した
珈琲と目玉焼きとシーザーサラダ、
トーストには人造バターを塗る

今日からはボクも宇宙人
立派な宇宙人として社会に貢献したい
家を出ると ....
昨日までの
不幸なら数えられる

幸せは数字に置き換えられない

明日から先の
幸せは想像でしかない

明日から先の
不幸せなんて
想像したら

自分が可哀想になる

明日 ....
何の行列でしょう
いつからやってるのでしょうか
こんな時間だというのに

ずっと通りの向こうまで
途切れることなく
行列が続いていて

手に手に灯りを下げて
歌を歌ったり
泣いたり ....
踊ってテーマ名乗る。春の名前で鉄道。
おどっててえまなのる はるのなまえでてつどお


捨てられ天使はシンデレラです。
すてられてんしは しんでれらです


水が澄んだら一人きり。扉、 ....
  ガラスの三日月

みせたこともない
真剣なひたむきさで
青みがかった夜空を
みあげている

昔憧れてたあのひとの
泣き顔をみたことがあって
もう僕でよければぎゅって
 ....
ゴルゴダの丘に晒された御子は
悲母の腕に抱かれ
復活などは無いと知りながら
静かに我が子を抱き締め
ピエタは今も紅い涙を流す


         初出 日本WEB詩人会 2024/03 ....
水晶にろ過された水ほど美味いものはない
ある天竺の行者が言った
彼は24日間水だけを飲んでいた

それを知るために20年の歳月を費やした
誰に指図をされた訳じゃない
ただ行者の言ったことを ....
薔薇が咲いた夜は
遥かにむかし

遠くまで
遠くまで

時間はさかのぼる

君は薔薇を咲かせて

僕を昂らせた

永遠に昇る
螺旋階段

薔薇は
螺旋階段の
踊り ....
耳をとざしたほうがいい
ことばを思わないでいいから
目もひらかず
ただ触れていたい
指で肩で舌で

そのからだの奥を覗きこむような
こまかな息づかい
一度は奪われた草木を甦らせ
半透 ....
引っ越してきたばっかりなのに、
ほら、ここは、神さまの家に近いでしょ。
さっき、神さまが訪ねてきたのよ。
終末がどうのこうのって、うるさかったわ。
だから、持ってた布団叩きで、頭を叩いてや ....
はやらないことはやらない琴線の

ことはことばかわからない
じゅげむじゅげむ
なんとかなるさ

にんげんだもの
しらんけど

男雛女雛
ならびて透る緋毛氈
右近左近、たちばなさくら
今 ....
福岡朔さんのおすすめリスト(585)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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デラシネ、或いはパラサイト- レタスの ...自由詩9*24-9-11
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眠り姫の少女- 林 理仁自由詩8*24-9-11
驚いた、アジサイ忌って、ホントにあるんだ- 秋葉竹俳句224-9-10
不登校- 九十九空 ...自由詩1224-9-10
祈りより- 自由詩8*24-9-9
五行歌_星座は巡る- レタス自由詩5*24-9-7
ワンコインガソリン- イオン自由詩4*24-9-7
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Tainai_Kaiki- 瀬戸さん ...自由詩3*24-6-20
ポケットの中の薄い板- 佐々宝砂自由詩724-5-7
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恋の始まり- atsuchan69自由詩9*24-5-5
うにお願いします- 森 真察 ...自由詩824-5-1
スタート- atsuchan69自由詩14*24-4-11
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パレード- ヒロセマ ...自由詩9+*24-4-8
ダンス、春弾んだ(回文)- 水宮うみ自由詩2*24-3-23
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はるびと- soft_machine自由詩11*24-3-9
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