ドーナツ一つあれば
生きていける
午前に半分
午後に半分
真夜中に
真ん中を
あることと
ないことは
何がちがう
考えているうちに
眠ってしまった
名も歳も 無く
鋭く 無垢な筆勢で
通り過ぎる ものみな
書きとめる 少年
姉妹に 恋をした
密かな 罪を燻らせ
拙い 経験を統べ
生き死にに 眼を馳せる
葉と石を 神とし
....
砂嵐
まさかの街に吹き荒れる
そうかこの名を砂漠も嫌うか
マフラーの
手編みにこだわるわけではない
言葉にできれば、それで良いのに
どんぐりも
黄昏の森哀しみも
....
お人柄は良好です
と
評価しています
こたきさんは良い人です
とてもやさしくて
思いやりのある方です
なのでわたしにはもったいないです
わたしはこたきさんが思うような女ではありません ....
知らないよもうあのTシャツ、パジャマだし、忘れていった君が悪いし
母のことを
嫌いだと打ち明けたとき
とてつもなく心が晴れて
そして
私は
その安堵の中で死んだ
言ってはいけない言葉だったのか
わからない
ただ解き放たれた自分が
....
秋のせいなのか・・・
もちろんそうではなく、年のせいで、
抜け毛がすごい。
髪の毛は細くなり、力なく頭の形にペッタリと貼り付くよう
安い美容院で、白髪染めのカラーリングをしている影響も、
....
けだもの
ひとの声がする
空がなく
土もない
紙の色の月がうすく照らす
このわづかな世界に
やさしく
神々しく
いつくしみ深く
ひとの声がする
《祈りなさい ....
残酷に思える詩と、優しさを感じる詩が、僕にはあって、
僕は優しい詩が好きだ。
戦闘機より、パンケーキが出てくる詩を読んで、楽しい気持ちになりたい。
怒りや悲しみを、表現しないと駄目なときがあ ....
初めて
心が死んでしまうと 思った
初めて
ずっと ずっと 泣き続けた
初めて
気が狂ってしまうと 思った
自分から 振りほどいた手は
とてつもなく 痛かった ....
もとは華美だったとわかるうつくしい布切れを纏い、にぶく輝く金の鎖をつけた骸骨が、足を引きずりながら、ま白い日の照りつける、荒涼とした砂漠をよろめき歩いております。
透きとおるような薄青い空に、白 ....
いまおもえば
恋人だったようなひとに
レイプされていて
いたくていたくて
ともだちのなまえをさけんだら
もっと興奮させろと
はたかれるのだった
腕は血まみれになって心臓が痛いのだった ....
ちゃんとせな
目視確認毎日お掃除
豪雨のせいなん?雨こぼす樋(とゆ)
言葉って
だいじなところもあるやんか
豪雨はやめて夕立にしよ?
ゲリラとか
雨に使うなふぜーがねーぜ
三千 ....
国籍は自由に四つまで選べることとなった
生まれにこだわる必要は全くない
例えば一つ目の国籍の母国が戦争を始めたら
すぐにその国籍から抜けてかまわない
もし戦いたければ自由に戦って良い
オ ....
真夜中のスーパーマーケット。どこにも行けないわたしを守る光の零れたシェルター。その隅で半額のお刺身を手に取る。賞味期限の近い3割引の食パン、腐りかけの安いバナナ、廃棄寸前の玉ねぎサラダ。見放されたもの ....
ゆれながら
ふれると
濡れる
てのひらがあついことは
天使みたいに
すばらしい
朝がきて
夜がきて
また朝がきて
夜がきて
鳥がとんでいく
名前をよばれる
ふり ....
君と僕をシャッフルにして
どちらかが先に死ぬということ
永遠に流れ続けられるのは
音楽でしかあり得ない事実
だったら僕たち音楽になって
ビートに乗って泳いでいようよ
命がどこかで骨 ....
きみはなにに殺されたのだろう。
この日付、六月二十六日という日付のほんとうすら私はもう忘れつつある。きみの命日そのものだったのか、それともきみが死んだことを私が知った日だったのか。
おそろ ....
つむじまがりのへそまがり
ろくろっくびのしんせきか
すっぴんびじんはどこにいる
夜盗のはびこるこのまちで
つけまとフェイクでまどわして
やっぱりあなたはいいおんな
ついでといっ ....
ぽたり
心の壁の左下の
しみったれた蛇口は
しまりが悪くて
思い出したように
言葉が滴り落ちる
気紛れに
小さな器で受け止めて
液晶の畑に撒いてみるけれど
発芽するのは
....
俺の無機質を食う
お前の無機質を食う
俺の無機質はスイートで
お前の無機質はデリートだ
俺は気に入らないものには手も付けないが
お前はまずいものでも残せない性分だ
ずっとそうだった ....
貴女は
手の届かない高い処に咲く花だった
わたしは貴女を見上げて
その美しさにため息していた
そしてその先の空を見上げて
雨が降るように祈っていた
貴女が枯れてしま ....
野獣さん、泣かないで。
あたしの、こころは、美味しくなかった?
あれだけ、熱心に、むしゃぶりつき、
ひとかけら残さず食べきってしまい、
終いには、
骨までボリボリ噛み砕いてし ....
手のひらを広げ
あなたの頬を包み込んでみました
こわれそうな
やわらかなぬくもりでした
手のひらを広げ
あなたの肩を抱きよせてみました
流される時の中
いつか
はぐれてしまうのは
....
繰り返す月の宴の新月に
死者に呼ばれる女郎花(おみなえし)咲く
鏡という悲劇をうつす斜めから
なんど斬っても残らない傷
虚ろな眼春の終わりに死ぬ虫が
浮かんで落ちる写真を撮っ ....
あなた、きゅうり好きよね
いつも待ち合わせで
50m先からきゅうり持って
走って来ておまたせーって
目の前でポリシャキーって
かじるよね
それでニコーって笑って
真っ白い出っ歯 ....
通夜のさざなみ
鯛の骨がのどに刺さって
死んでしまうなんてね
或る死の理由が
人の口から口へとささやかれ
悲劇
重力がない世界では
シャボン玉も落ちてはこない
だか ....
ふわふわしている きみ と
ふわふわしていない ぼくが
同じ にんげん であることが
ふとふしぎになるので
ぼくとは異なる きみ という にんげん を
観察してみようとおもう
....
{引用=たくさんの本棚に囲まれた部屋に
一つのテーブルと 一脚の椅子
灰皿には薬の抜け殻と オーダー表
鳴らない黒電話、かける機会のない大型レコード
ここに来る人は饒舌の上にある沈黙を愛した
....
私は罪など犯していない人のような顔して
この先の人生を生きていくために
長い間共犯者だったあなたを捨てた
捨てた後にも
秘密はあり続け
私と貴方はそれを共有しつづける
隠しているのでは ....
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