もちいくつ?

{ルビ価値可知=カッチカチ}の表面が割れて
どろり中身があふれ盛り上がり膨らんで――

あといくつ餅を食べるのか
あといくつ正月を迎えるのか
一生分の餅をざっと数えて
 ....
金木犀の花を瓶に入れ ホワイトリカーを注ぐ
ひと月ほどして 香りも色も酒に移った頃
金木犀の花を引き上げる

その酒は 甘い香りをたぎらせ 口に含むとふくよかな広がりを持つものの まだ ....
捨てられた猫のために
いったいいくつの嘘が必要だろう
きみが飛んでいくほど風の強い午後

覚えたてのからだに
バターのようにしみた嘘
ひと晩じゅうかけて
愛をはがしていく
 ....
きまぐれに
イチゴだけ摘んで食べてみる

甘酸っぱいいつものイチゴ
美味しいんだけど
なんだか物足りない

こんな日だから

次に
ホイップクリームだけ
指ですくって舐めてみる
 ....
狼と食べたチョコレートは、いやにミルクが多くて甘くて
「お好きですか」とちらりと見やれば、彼の包みはもう空だった

「意外ですね」

「よく言われるよ」

「食べられないかと」

「 ....
この年になって
僕を捨てた女を
思い出すのは
なんともいえないなつかしさがある
なんで僕を捨てたんだろう
うーん、よくわからないが
多分僕のことが
信じられなかったからだろう
反対に
 ....
納豆のカラシ

ぜんぶは入れない

納豆のカラシ

小袋に残る

納豆のカラシ

可燃か 不燃か

納豆のカラシ

とりあえず 可燃へ

納豆のカラシ

今夜もまた ....
しなやかな獣のようだきみは

脂肪のわずかなあたたかなからだ
むしゃむしゃごはんをたべ
わたしをむさぼり
疲れたらひっぱたいても起きずに深くねむり
あしたははたらきにゆくのだろう

眠 ....
きっと 乗り越えられるだろう
ただの答え合わせが そんなに大事な事でも
見逃して あげようよ
ほっといて あげようよ
どうでも良いことじゃないか
僕たちにとって ほんとうに ほんとうに
 ....
ぼくの写真を、少しくらい、欲しがってくれたっていいじゃないか。
真っ二つになったオレンジの断面
おれの心はどうすんのさ
行き場もなく、うろちょろうろちょろ
おれを引っ張らないか!
もうちっと ....
貴方が奏でる言葉はいつも
嘘ばかりが煌びやかに揺らめくので
いつからか私は言葉の端に
緩く小指を絡めては
何処か遠くに行かないで、と願う様になった

矢絣模様に臙脂色
朱色に紛れた杏子色 ....
唐辛子を陽に干している

ワックスかけたてみたいに
艶やかだった彼女らは
日ごとしぼみ
くすんで
ぼやき
手をとりあって
しわしわになる
光の中で
そのしわは
小さな影を織りなし ....
ペリっと剥がして
セロテープ
いつだれが何の目的で
気づかれずにただそこに
一枚佇む
ぺりぺり剥がして
さようなら
思えばそこにあそこにも
よくよく見ればあっちこち
一枚一枚丁寧に
 ....
操り人形のように生きてきて
大人から子供になったような人生で、君を傷付けるなんて思ってもみなかった

姿が見えない
心が見えない

自分の心は丸裸なのに
泣いていることにも気が付かない
 ....
 
                                                                            
大切な人が死んだとき
勿論、ぼくは生 ....
両開きのメニューにすっぽり収まった君の顔

新幹線のプレートを指さして

「これがいい」

って無邪気に笑う君

少年時代は特急から眺める景色みたいに一瞬で過ぎ去るけど

一つ一つ ....
川端康成的なもの

左手の小指薬指の
欠けた少女よ

僕は君に恋をする。

君に微笑むことは出来ても

結ばれない
約束すらできない少女よ

僕は君に恋をする。

そして、 ....
見つめていた風が
 いつのまにか
ぼく の頬に触れた

やがて 
このまま 真っ直ぐ 下にある谷に
ぼく は抱かれるだろう

巨きな魚が蝶を呑むように
 腹の中に
ぼく は消えてい ....
どぅわし、知てますか?

鼻毛を伸ばしたままのブラジルさんが尋ねてきた

どぅわしです

どぅわし?

瞬時に日本語検索を脳内で追いかけると前頭葉あたりがホカホカしてきたので
帽子を ....
僕の東側から
今日も君が昇った
コーヒーの香りが
ほんのり温かい

他愛無い話に
マーマレードを塗りつけて
右目は美人のアナウンサー
左目は君の笑顔

ベーコンエッグは
半熟 ....
神さまがいたらいい
いるのかな
いてほしいけど
いてくれるって思わないと
もう無理なところまで来てる
、脅すわけじゃないけど
実はもうすでに
(間違えたやり方だと
心の底のどこかで
 ....
 貴女滑稽で妖しい

 またこんな季節が巡ってきた
 名月を仰ぐ野分の風も乏しく
 焦がれる余裕もなく 
 日常に背中を押され
 されど視覚からのニュースで

 滑稽で妖しい貴 ....

あんまり得意やないんやけど
て とむ がゆうて
しゃあないなぁ
て じむ が
箸をのばしてきよる
なにが 違たんやろ
せやなく
なんで変わらへんのかったんやろ
誰かの思い ....
次郎さんの家は、火の山峠へとつづく
坂道の途中にあって、そのちいさな車
は、登るときも下るときも、まるで不
機嫌な家畜のように、激しく四肢を踏
み鳴らすのだった。
直径八キロ余りの島の真ん中 ....
揺り椅子のうえで目をとじる、彼女
ざわめきを
聴いている



上手く死ねたら切符をかおうか、
ぼくらをつくった神様を
つくった神様にあいにいこうか



揺り椅子ふらりら  ....
リオで改めて思ったけど
やっぱ君が代って良いよな

他の国はどこもかしこも
勇ましいだけの曲調でさ
戦意高揚が目的っぽいじゃんか

それに比べて
君が代は
君主の時代が永遠に続きます ....
一枚の紙に、今から100年分のカレンダーが載っている。

想像できるだろう。

このカレンダーのとある日に、きみは死ぬ。

想像できるだろう。

なにもしなくてもきみは死ぬ。

想 ....
花埋める愛した過去に追悼の土をかける

何時もとは違った日君とサーカスが一緒にやってくるだろう

君はいつもどこからどこまで急がしい奥さんにしたら疲れるだろうか

檸檬は梶井基次郎だがきみ ....
初めて知った
深夜には誰でも
猫の姿に戻るらしいと
どんな旅行者も
どんな政治家も
どんな偽善者も
どんな異教徒も
眠りに落ちれば
本性を現すらしい
しなやかなその背中
つやのある ....
これから、残りの人生の時間が、
どれくらいあるにせよ、
読める本の数や、聴けるレコードの数を、
どう埋めてゆくのか、ということについて、
これから、すこしずつ、すこしずつ、
考えていきた ....
福岡朔さんのおすすめリスト(585)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
餅いくつ- ただのみ ...自由詩8*17-1-1
桂花醬- 鵜飼千代 ...自由詩27*16-12-31
どれだけの嘘が必要だろう?- はるな自由詩316-12-28
ケーキは何故ケーキなのか- まいこプ ...自由詩8*16-12-25
The_wolf_gentleman- 豆椿自由詩216-12-22
僕を捨てた女- zenyama太 ...自由詩3*16-12-22
納豆のカラシ- もり自由詩13*16-12-21
獣と鬼火- 田中修子自由詩8*16-12-20
乗り越えられる- はだいろ自由詩216-12-16
裸のオレンジ- 塚本一期自由詩216-12-15
恋慕- 智鶴自由詩516-11-20
今夜はペペロンチーノ- そらの珊 ...自由詩10*16-11-19
セロテープの跡- 灰泥軽茶自由詩616-11-3
ビール- 不思議な ...自由詩616-10-31
祖母は千歳飴をなめる- 白島真自由詩13*16-10-17
お子様ランチ- 自由詩3*16-10-9
少女ー川端康成的- ……とあ ...自由詩3*16-10-5
_「ミネルヴァとヤヌス」- ハァモニ ...自由詩5*16-10-3
どぅわし- 5or6自由詩6*16-9-24
当り前- nonya自由詩17*16-9-23
ちいさく云うけど- もっぷ自由詩516-9-19
貴女滑稽で妖しい- 朝焼彩茜 ...自由詩8*16-9-16
芋月仲間が秋夜に揺れる音- AB(な ...自由詩6*16-9-14
火の山峠_2016- たま自由詩9*16-9-11
飽食の月- 吐水とり自由詩216-9-9
君が代- 花形新次自由詩116-9-4
100年カレンダー- 吉岡ペペ ...自由詩516-8-27
蔦屋のなかのタリーズにて- 梅昆布茶散文(批評 ...316-8-27
真夜猫- やまうち ...自由詩3*16-8-23
苦しいときほどいい歌に出会う- はだいろ自由詩316-8-21

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