わたりがにのフィデウアは、僕の恋人
半年に一回くらい、僕と妻は君を食べる
君はいつも白い渚からやって来て
まるごとぶつ切りにされ
黄昏の陽を浴びた二人に食べられる

君を飾る赤と黄のパプリ ....
朝はごはん
でもときどきパンが食べたくなる
フライパンで焼くパン
1枚出来上がり
マーガリンを塗って
アツアツ立ち食い
そうしているうちに
もう1枚出来上がり
アチチとアチチ
フンワ ....
冬の群れが私を襲い
迷い込んだ高熱の森で誰かを叫ぶ
私の足腰の筋肉は溶けて
歩く音は電池の切れかけた時計
そして
この時だけは合法と見なされる白い粉を
何度も体内に注入する
四角い部 ....
いち・に・さん・死
いち・に・さん・死

秒針の先っぽで
生命が削られてゆく

刻々と

ジタバタ焦って
躁なんだ

空は見えます
雲も見えます
でも
波は無い
海が無い ....
紅いベルベットのシュシュがほしいと
彼女は探している
二つ、希望している
左右に分けた長い髪のために
それは紅いリネンのワンピースに合わせるために
この冬わたしクリスマスを知らなかったもの
 ....
糖蜜工場が爆発したことによって
甘い蜜たちが
静かに街を流れ出しました
その粘度たるや
もう人の手にはおえない類のものです
アスファルトの上の蜜はそのまま冷えて固いかさぶたとなり
土の上の ....
      ――その右手の残酷は、あの左手の歓びである。


  ロマンティックな挽き肉



きみは、いま静かに床について居て
もうすぐ死んでしまうのだと、してみよう。でも、悪く思わ ....
昼からわいんを飲み
赤ら顔でぐらすを手に
体を揺らし、厨房へ  

細長い空間の
小窓から
――正午の日は射して

何処からか、聴こえる
白髭のかみさまの
高らかな

笑い声  ....
脂ののった
鮭のハラス、麺と食べると
これが成人病の4冠王には
「嫌がらせか!」
と思わせるほど
美味なのだ

嘘だけど
最近一番のお気に入りは
アスタキサンチンだ

何のことだかは分からない
ただ言葉の響きが好きなのだ

「明日た来さんちん❤」

人気No.1
引っ張りだこの
おねえちゃんに
そん ....
「血がね、赤ではなくて透明だったら
 怖くないのにね
 神様は意地悪」

「まぁ、意地悪じゃないよ
 赤いのは鉄分なんだよ」

「涙もね、透明ではなくて赤くなったら
 とてもひどい事を ....
ひととして生まれて
ほんとうによかった
この
、忌ま忌ましい 傷みは
決して手放さないと決めた
仕事を辞めてから
5才の周ちゃんと過ごす時間が増えた
染色体が一本多いゆえ
絵本を読んでも

 あーうー

歌を歌っても

 あーうー

だが時折、大きな黒目をぴくりとさせて
 ....
わたしたちは 同志じゃなかったか
つやつやとひかる夜空の月をつまんで椀に入れる
愛のような何かを信じて生き続けた
蔓延る雑草のようにありふれて強く
そしてたやすく引き抜かれるものを
 ....
文章の欠片が部屋の隅で笑う
僕の脳内で言葉に白髪が生えてきて
杖のない単語がよく転んで痛がってしまう

今日は元旦
「あ」から始める餅つき
「け」「ま」りで祝う祈願成就と健康第一
「 ....
自分の中に決め台詞があると
生きやすいのではないかと思う

イキオイは
指先にではなく
足先にあった方がいいとも思う

年が明けてすぐのせいか
理由がないと歩けない
糸をつむぐ
それはかつて
繭だったものたち
それを産んだものは蚕という虫
それを育んだものは桑の葉
それを繁らせたものは桑の木

ふるさとを発つ時
小さなかばんに
宮沢賢治の詩集と
 ....
穏やかなお正月
今日は
中学時代からの友人たちが集まって
昔話や世間話に花を咲かせた
酒はなくても話が弾んだ
僕たち男どもも
やっぱりどこかに集まって
茶飲み話が必要なようだ


 ....
元日から仕事をする
少しえらくなったような
いい人になったような気がする

帰り道の
閉店している店をみながら
ふっとほほ笑んでいる

一年中いい人
そんな人は目指さない
だけど
 ....
 もちいくつ?

{ルビ価値可知=カッチカチ}の表面が割れて
どろり中身があふれ盛り上がり膨らんで――

あといくつ餅を食べるのか
あといくつ正月を迎えるのか
一生分の餅をざっと数えて
 ....
金木犀の花を瓶に入れ ホワイトリカーを注ぐ
ひと月ほどして 香りも色も酒に移った頃
金木犀の花を引き上げる

その酒は 甘い香りをたぎらせ 口に含むとふくよかな広がりを持つものの まだ ....
捨てられた猫のために
いったいいくつの嘘が必要だろう
きみが飛んでいくほど風の強い午後

覚えたてのからだに
バターのようにしみた嘘
ひと晩じゅうかけて
愛をはがしていく
 ....
きまぐれに
イチゴだけ摘んで食べてみる

甘酸っぱいいつものイチゴ
美味しいんだけど
なんだか物足りない

こんな日だから

次に
ホイップクリームだけ
指ですくって舐めてみる
 ....
狼と食べたチョコレートは、いやにミルクが多くて甘くて
「お好きですか」とちらりと見やれば、彼の包みはもう空だった

「意外ですね」

「よく言われるよ」

「食べられないかと」

「 ....
この年になって
僕を捨てた女を
思い出すのは
なんともいえないなつかしさがある
なんで僕を捨てたんだろう
うーん、よくわからないが
多分僕のことが
信じられなかったからだろう
反対に
 ....
納豆のカラシ

ぜんぶは入れない

納豆のカラシ

小袋に残る

納豆のカラシ

可燃か 不燃か

納豆のカラシ

とりあえず 可燃へ

納豆のカラシ

今夜もまた ....
しなやかな獣のようだきみは

脂肪のわずかなあたたかなからだ
むしゃむしゃごはんをたべ
わたしをむさぼり
疲れたらひっぱたいても起きずに深くねむり
あしたははたらきにゆくのだろう

眠 ....
きっと 乗り越えられるだろう
ただの答え合わせが そんなに大事な事でも
見逃して あげようよ
ほっといて あげようよ
どうでも良いことじゃないか
僕たちにとって ほんとうに ほんとうに
 ....
ぼくの写真を、少しくらい、欲しがってくれたっていいじゃないか。
真っ二つになったオレンジの断面
おれの心はどうすんのさ
行き場もなく、うろちょろうろちょろ
おれを引っ張らないか!
もうちっと ....
貴方が奏でる言葉はいつも
嘘ばかりが煌びやかに揺らめくので
いつからか私は言葉の端に
緩く小指を絡めては
何処か遠くに行かないで、と願う様になった

矢絣模様に臙脂色
朱色に紛れた杏子色 ....
46Uさんのおすすめリスト(511)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
わたりがにのフィデウア_★- atsuchan69自由詩5*17-2-11
朝ときどきパン- 灰泥軽茶自由詩717-2-6
風邪- 乱太郎自由詩10*17-2-4
躁なんだ- まいこプ ...自由詩6*17-2-4
冬雀の夢- もっぷ自由詩517-2-2
糖蜜の街- そらの珊 ...自由詩22*17-2-1
《ロマンティックな挽き肉》- ハァモニ ...自由詩3*17-1-27
酒の効用- 服部 剛自由詩217-1-19
ハラスメント- 花形新次自由詩217-1-18
お気に入り- 花形新次自由詩417-1-17
透明な血- イオン自由詩1*17-1-15
- もっぷ自由詩517-1-14
もみじの手- 服部 剛自由詩1017-1-13
汁粉- はるな自由詩617-1-11
あけまして- 乱太郎自由詩10*17-1-5
理由- 朧月自由詩417-1-4
糸をつむぐ女- そらの珊 ...自由詩23*17-1-4
jおしゃべり- ホカチャ ...自由詩2*17-1-4
いい人(期間限定)- 朧月自由詩417-1-3
餅いくつ- ただのみ ...自由詩8*17-1-1
桂花醬- 鵜飼千代 ...自由詩27*16-12-31
どれだけの嘘が必要だろう?- はるな自由詩316-12-28
ケーキは何故ケーキなのか- まいこプ ...自由詩8*16-12-25
The_wolf_gentleman- 豆椿自由詩216-12-22
僕を捨てた女- ホカチャ ...自由詩3*16-12-22
納豆のカラシ- もり自由詩13*16-12-21
獣と鬼火- 田中修子自由詩8*16-12-20
乗り越えられる- はだいろ自由詩216-12-16
裸のオレンジ- 塚本一期自由詩216-12-15
恋慕- 智鶴自由詩616-11-20

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