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白木蓮の花が
まだ冷たい空に向かって
ふくらんで

忘れていたつもりの
いくつものことが
いくつもの夢が
何人ものひとたちが
咲いてきそうで
立ち止まっている

こころがにじん ....
午前十時 駅の南口
キャリーバッグに詰め込んだ春の始まりの空気
わたしを見つけたあのこが笑って手を振った
作り上げた必然のようなただの偶然

滑り台のある公園の桜が三割ほど芽吹いて
その下 ....
こみ上げる想いに潤むひとみのように
雪はこらえにこらえて雪のまま
朝いっぱいに流れ着いた三月のある日


外に置かれた灰皿の傍 四人の男が並び
みな壁を背にして煙草を吸っている
見知らぬ ....
落ちた

りんごを拾うように

貝殻を拾うように

首を少しかしげてから

すくめるように

泣きながら寝るように

紅いほっぺたのように



文学なんてなかったころ ....
世の中の気に入ったものすべてを集めることはできないが
ときおり巡り合う素敵な情景や言葉を僕の何処かにスケッチしておこう

ときにはロボットが生産ラインで溶接した鉄板でできたちいさな車で風 ....
よるになると
ぴい、と音が鳴る
この部屋のどこからか
耳を澄ませる
出どころを
さがしあてようと
眼をつむり
耳だけになってみる
飼ったはずはない
けれどそれは
とりのこえに似てい ....
――ミルカ ヌカルミ

そんな回文が虻のように掠めた時
女のなにくわぬ横顔は真新しい日記帳で 
天道虫だけが慌てて這いまわっていた
とても大切なものを落としてしまい
それがなにかも思い出せ ....
歌う汽笛は下手くそだった
生命波打つ、きみどり色の絨毯の上を航海する船
柔らかな日差しが撫でるように氷を溶かすから、行き先はどこまでも広がる
細かく枝分かれした新芽、太く根を張って、遠くを見通す ....
その場しのぎでかけたほうきのあとが
際だたせているホコリの存在

誰もいない教室で
立ち尽くしているあの子が
完璧な掃除をめざすことは
もうない

ちょうどいい汚れを残した部屋で
綺 ....
氷の針が心臓に突き刺さって苦しいと思うとき 海から全ての海水が巻き上げられてぼくの口へ吸入器のように入れられるとき きっときみはひとつの歌を口ずさむ ひとつの祈りを口ずさむ、ひとつの海の駅名を口ずさむ .... 父の背中
53年の背中
もう隙間がないくらい

父の背中
背番号53の背中
数字がぎっしり埋まっている

その背中を擦ると
数字がぎしぎし唸り出す

私が石鹸で流せる ....
{引用=
朝がほどけると、水面に横たわり あなたは
かつて長く伸ばしていた
灰色の髪の、その先端から 
魚を、逃がす 
皮膚は、透きとおって ただ
受容する 水の、なまぬるい温度だけを
 ....
黄金の虫が
炎に包まれ
檻の中から
飛び立った
見学していた
子供達の間から
歓声が上がった

黄金の虫は
ドーム状の
天井近くまで
舞い上がり
ふらふら堪え揺れ
すっと力尽 ....
あの陽だまりに置き忘れられた深い裂け目
おれの胃袋はもう紫色の朝へ停泊していた
窓から女が見えた裸のまま
微笑んでいた カメラの前みたいに
ブラインドが降りるまでの一瞬だった
おれはその一瞬 ....
呼ばれ
現われ
戻れなくなったものたちが
一心不乱に花を愛でている


なびくはずのないものがなびき
冬はひとたび その身を隠す
鏡のなかを
動くきざはし


 ....
野良猫に話しかける人を
路地裏の防犯カメラが覗いている
春の陽気はくすぐったいから、似合わない

見下ろせば宴、地獄の淵はビルの屋上にある
天国の近くは高い金網が必要

恋はいつまでも恋 ....
こどもたちは みな せなかをまるめて
せなかをまるめていないのは みみずのこどもくらいです
どのこも せなかをまるめて 卵やおなかの中で すごします
拡張現実を手に入れた にんげんのこどもも
 ....
睡眠ぐ城に通って
かれこれ数十年になろうとしているが
欲望の肥満体質はいっこうに変わらないようだ
むしゃ修行も必要とやってはみるが
腹の虫はなかなか剣に収まらず
相手に具の音も出ない ....
コンビニエンスストアの前で
すれちがうひとがいる
ひとはすれちがいながら
目くばせする

わたしたちは

ひとを見て
ひとといい
ひとりとして
ひとりではないのに
ひとりのひと ....
わたしから切り落とされた白い手が
向こうで手をふっていたのです

交差点にはひっきりなしに
びゅんびゅんと雲が行きかうものですから
どうしても渡るきっかけが
一歩を踏み出す勇気が
つかめ ....
空が3つあればね
1つくらい駄目でも構わないけど

音楽室は雨のコーラス
トライアングルを鳴らすと
乳頭があまく痺れた

先生はしょうのうの臭いがした
深くおじぎをするとポケット越しの ....
聡明な目が おきゃんに くすりと笑ってる
黒板の端から端へと 飛び回るプリマドンナ
人差し指のプロジェクタースイッチが効かないときの
パソコンに急ぐ あのお方のご様子は マドンナなの  ....
あなたのせいという
急速な風に吹かれて
青葉がつぎつぎと落ちるように
暦が落ちてゆきました


あなたのせいという
見えない伝書鳩が
ひと息いれる暇もなく
夏の星座の下を行き交いまし ....
大きな箱だった
膝を抱えてすっぽり隠れられるほど
そんな立方体を展開図にして
悲しみの正体や理由
いちいち解説してくれるけど

「まったくなぐさめにならない」 そう言うと

 《なぐさ ....
ゆめの在りようを忙しなく描いては
愛おしく汚れて色付く指指
あたしたちは性懲りもなくなんども見つめあっては
数秒ずつの恋を終える

この世の輪切りを飾って悦に入るなよ
どんな隙間にも羽 ....
最終連は
とうに終わっていても
締められた言葉は
いっこうに完結するようすもなくて
視線は
空を漂う余韻の行き先を
見つめている

その時
一羽の冬燕が目の前を横切るも
地面に落ち ....
あかいスイートピー、ほしくて
泣きわめいてた夜があったの
きっと、特別なスイートピー
私、あの頃の気持ちには戻れない

でも、あかいスイートピーほしかったあのころ、
私の世界には、黄色い太 ....
水になってひそむ
死んだ者たちの{ルビ通=とお}ったこのほそい水系に
官能の色彩はすでにない
光りの粒子のように時は流れ
序章のように生誕の時は流れ
星が囲んだ戦場につめたい炎の舌がみえ ....
おそく
お酒飲んで酔っ払う
乗り、過ごし
ここはどこだ
駅、空っぽ

歩くか

何飲んだっけ
ウォッカを…
ちっちゃいグラスにレモンとお砂糖乗っけて
ていっとあおったな

知 ....
腰が痛くて歩けなくなっても、
恐怖にすくんで脂汗かいても、
手が訳もなく震え続けても、
全てを失い意気阻喪しても、
大丈夫、大丈夫だよ
生き抜く意志さえ失わなければ
全てを学ぶ機会と受け止 ....
田中修子さんの自由詩おすすめリスト(868)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- AB(な ...自由詩4*17-3-28
一巡- 自由詩417-3-26
愛煙家- ただのみ ...自由詩13*17-3-25
落ちたりんごを拾うように- AB(な ...自由詩5*17-3-25
コレクター- 梅昆布茶自由詩1417-3-24
よるのとり- そらの珊 ...自由詩23*17-3-24
淡水系- ただのみ ...自由詩12*17-3-23
春の航海- 青の群れ自由詩617-3-22
そうじの時間- ユッカ自由詩13*17-3-20
塩の柱- 白島真自由詩31*17-3-20
父の背中(挨拶付)- 宣井龍人自由詩9*17-3-19
記憶を、汲む- 望月 ゆ ...自由詩27*17-3-19
黄金の虫- ひだかた ...自由詩1017-3-16
ビショップ- ただのみ ...自由詩15*17-3-15
果てや_彼方- 木立 悟自由詩417-3-15
カラスは何色- 青の群れ自由詩617-3-15
おせなかまるいね- るるりら自由詩10*17-3-14
家老ではありませんが- 乱太郎自由詩9*17-3-12
けもののえりまき- にしなま ...自由詩517-3-12
信号のない交差点- そらの珊 ...自由詩17*17-3-10
18回目の春- 印あかり自由詩21+*17-3-9
青い鳥の飛来- るるりら自由詩13*17-3-4
あなたのせいという- 本田憲嵩自由詩18+*17-3-2
悲しみの展開図- ただのみ ...自由詩18*17-3-1
ゆめゆめ- はるな自由詩817-3-1
最終連から始まる詩片のような残音- 長崎哲也自由詩20*17-2-28
ほしい- 水菜自由詩317-2-28
くにの記憶- 白島真自由詩27*17-2-26
ぱた- ふるる自由詩9*17-2-23
捧げる- ひだかた ...自由詩9*17-2-23

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