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愛は真っすぐ丘を登って行った
蹄の跡を頂に置き去りにして
光は渦巻いている
春の風がむき出しの土を{ルビ弄=まさぐ}っている

あの日太陽を塗りつぶしたのは誰だったか
わたしの心臓を突き刺 ....
毛羽立つ絵筆の雑木林を越えて
厚い雲が寄せて来る
足元に暗い犬を従えて
息のしかたを忘れた大気
鳥たちは問う
振り返り母の顔を仰ぐ幼子のように

時の切れ端に速写した
景色に映り込む影 ....
あそこで泣いているのはちいさな風の音
あそこで笑っているのもちいさな風の音
草の根分けて風の根わけてくる 風の音

風の子らが草の根わけていく
茂みや屋根を踏み鳴らしていく

坊やの手に ....
あなたは声を雲にあげ、多くの水にあなたをおおわせることができるか。
――ヨブ記38章34節

【2019年12月】

2019年12月8日 - 中国の湖北省武漢市の保健機関により原因不明の肺 ....
北の地を放浪しても
得るものは老いた馬の
澄んだ瞳だけだった

若駒とともに嘶いたが
そのように走れなかった

鞄をひらきぶち撒けて
夢も希望も熱狂も棄て
敗残兵なりに鞄は軽く

 ....
ねこのお腹は温かい、ね
アスファルトに倒れて
春を殴った肩よりも

ねこのお腹も温かいね
初めて内臓に触れた朝の陽に
射られ冬を齧った犬歯より

切り裂かれていく弧をえがいて
腹でも ....
かれはすごい 
てんかんの発作で
鼻の骨が見えそうな傷を負っても 
支援学校の上級生に引っかかれ
ほおに血を流しても

夜、パパが家に帰り 
ドアを開くやいなや
百万ボルトにまさるほほ ....
《なんてこたあ ないんだよ》

翼をたたんだカラスがうそぶく

電柱の上に ぽつつりとまつて
さうやつて 世の中をみおろしてさ

ほら ちよいと
武蔵の絵みたいな
構図ぢやな ....
風が強いから洗濯物を追いかけて
綿毛が背中を撫でていく、さよなら
踏みぬいてしまいそうな青い草地を
蛙が春へと飛んでしまったから

ひとりきりで立ってます

スイカズラの甘い蜜を分けあっ ....
ひとりぼっち、の人は
ひとりぼっちの景色を

知っていて

遠くを静かにみつめている
たまに夜半の丘に立っては
叫んだり泣いたりしている

眠れば星雲の渦にまかれて
わからない ば ....
{引用=(*昨年書いて現フォに投稿せず忘れていたもの。アーカイブ目的で投稿。石村)




しつこい梅雨が明け
夏がはじまつた
はず であるのだが
ひさびさに傘を持たずに
散歩なん ....
どういふことだ
まだ
ひとのかたちをして
星の上にゐる

急がなくてはいけない

廃村のはずれの小さな草むらに
菜の花が咲きはじめてゐる
……風にゆれてゐる
やさしいやうな ....
{引用=
どうすればいいのか
わからない

貝の中で
泣いていた


それから

いちど海がかれて
空がおちて
ながくもないとしつきを
二億年と少しへだてて
 ....
目の前の
馬鈴薯と玉葱の炒めものは
たった一枚の皿であれ
時と所により
どれほどの幸いを、もたらすだろう
さだめなき世に
年古りて
なにひとつ
新しくもない
年がまたくる

十二月
三十一日
午後十一時
五十九分
五十と
五秒

冬の雨が
雪にかはり

廃屋の時計が ....
  旅


こころは
しらないうちに
旅に出る

笛のねに さそわれて
むかし 人びとがすんでゐた
海辺の村で
潮風にふかれてゐる

いつになつたら
かへつてくる ....
光に照らされ 透けて見える川底
流線型の魚影が うつくしい
フォーメーション

薄雲が川に陰りを与えると
失われた魚の影
代わりに現れたのは 鱗の煌めく魚たち

わたしは、だれとも 会 ....
ゆっくりと歩く蝸牛
それで
どんどんと黄昏の国が過ぎて
宵闇せまる暮らしの中で

わたしも
立ち止まったままの
蝸牛

さまよえる
迷子

冷たい風が
「シッ!」
っと ....
ため息をして気づいたの

もうこんな季節

お話をしながら散歩

もうしてないもの

目の前のただの水蒸気

気づかないほどに白く染まるのはいつ?
年の瀬も終わりがちかづくと考えてしまう

ことしは雪が降りつもるのだろうか、と
~重い冬用タイヤが心配になるのだ

交換すればお金はいくらかかるのだろう 
古着から薄着を折りたたんで収 ....
雨が好きと君は言う
晴れは音がしないからつまらない

狼が好きと君は言う
木は喋らないからつまらない

ならば、ならばなぜ
君はそんなに鼻をすすっている
君はそんなに傷ついている

 ....
 *

終りのないものの終わりを決める
生きることは括り閉じることの繰り返し

言葉に置き換えられた
かたちのないものが夜うっすらと発光する
夏の夢の欠片が螢なら

抗うことを止めた ....
本名も知らない男に胸を揉まれてる間
スタバの新作フラペチーノのことを考えていた

チョコレート味の氷に
粉々のクッキーがまぶしてあって
ホイップクリームがたっぷり絞ってある
とても美味しそ ....
歩こう

歩こう

止まることなど私は知らぬ

歩こう

歩こう

止まれば私は形を失うだろう

歩かねばならぬ

歩かねば

どうすれば私は休める

歩きたくない ....
ビルの狭間に空遠く
月は薄く雲にて翳り

色付き映える木の葉の末は
キャンバスを染めることなく
道の染みへと成れ果てる

香り薄く
色薄く
四季薄く

寒いなぁ
幽霊の見える日、洗面所の鏡を万遍無く塗り潰して、どこからか忍び込んだ鼠が食い破った洗顔フォームのチューブをごみ箱に投げ込んだ、太陽が顔を見せる時間があまりなかった日、深く息を吸い込んだら黴の臭いを .... いつもあなたは一人ですね

どうして一人なの?

それでいいです

私は一人です

ありがとうございます

毎日幸せです
ある男は
大きな島の森の中で
明日を見据える
アマガエルを見つけた

ある男は
夜の無人のバッティングセンターで
白球を捉える
金属バットの音を響かせた

ある男は
絶望的な雨ふ ....
もうすぐ生えてくるよ。いまにみてろ。
0+1+0=もうすぐだよ。
ふたつあるお釜が重なって大きな鍋になる。
なるわけないじゃない
ひとつとひとつのお鍋が重なって大きな釜になる。
どんだけ ....
私のメールボックスに詩編をくださった方がいらっしゃいます。今年は災害の多い年でしたが、いつも通っておられる教会も被害をうけておしまいになった方から、一遍の詩が私のメールボックスにとどきました。

 ....
田中修子さんの自由詩おすすめリスト(868)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
術もなく- ただのみ ...自由詩10*20-5-3
痺れながら- ただのみ ...自由詩4*20-4-25
眼を閉じてきけ- 帆場蔵人自由詩420-4-24
クラウド_①- atsuchan69自由詩3*20-4-23
海への帰路- 帆場蔵人自由詩6*20-4-21
冬の虹はありますか?- 帆場蔵人自由詩320-4-19
電球のひと_――ダウン症児の息子に――- 服部 剛自由詩1120-4-8
春風に吹かれてる- 石村自由詩11*20-4-1
春景に立ち- 帆場蔵人自由詩7*20-3-28
ひとりきり- 帆場蔵人自由詩17*20-3-7
レモンサワー- 石村自由詩16*20-3-3
初春- 石村自由詩14+20-2-12
てのひら- 羽衣なつ ...自由詩720-2-7
昭和二十年、或る夏の夕餉- 服部 剛自由詩1020-1-28
行く年くる年- 石村自由詩11+*20-1-1
旅・遺作- 石村自由詩19+*19-12-30
だから会いたくない- るるりら自由詩9*19-12-22
くらやみ蝸牛- 立見春香自由詩1319-12-18
- 霧の小灯自由詩219-12-17
もてあます雪- アラガイ ...自由詩8+*19-12-13
木陰の下- 霧の小灯自由詩119-12-12
201912第一週詩編- ただのみ ...自由詩11*19-12-8
スタバの新作フラペチーノ- 印あかり自由詩8*19-12-8
さんぽ- 霧の小灯自由詩119-12-7
絵の具- 霧の小灯自由詩119-12-6
幽霊の見える日、洗面所の鏡を万遍無く塗り潰して。- ホロウ・ ...自由詩3*19-12-5
一人- moote自由詩419-12-5
即興詩2「ポエトリー四銃士」- 服部 剛自由詩119-12-4
地上最強の人類- アラガイ ...自由詩8*19-12-4
たいふう- るるりら自由詩7*19-11-30

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