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打ち捨てられた傘が
雨上がりに閃き

嘘になった舗道は
まだ濡れている

それらに
名前をつけないでくれ
寂しい名を



束ねてからげた未来は
生木で火も点かず

 ....
 ふたば

冬の午後
水に挿した豆苗を見ていた
光を食べたその植物は
飛べない二枚の羽を
明日へ広げる


 さよなら

星はどこへ還るのだろう
色あせていく夜空
朝の襲来
 ....
殻を食べた


葵の茎
たおって

ヨーロッパまで
旅する

先生の
鉛筆

去年の手帳に
素敵なものを閉じこんだんだ

六角形が
はじまり

先生

先生の ....
そう
あの子のなきがらに
付箋が張ってあった

「解釈してみて」

わかるようでわからない
心を追いかけ
血潮のなかで溺れている
皆を
ちょうど首のところで止めたんだね


 ....
おり紙を折った
なにを折ってもうまくは行かず
折り目と皺は増えるばかり
可燃ごみへ向かう手前
あと 一度だけ
翼はあっても翔べない鶴か
スーッと墜ちる飛行機か

色褪せて邑になった濃紺 ....
私は、書かない。一文字たりとも書かない。何があろうとも、絶対に、絶対に書かない。

あの春の出会いについて書かない。
あの夏の思い出について書かない。
あの秋の大喧嘩について書かない。
あの ....
太陽の繭玉を紡ぐ朝

 風景も 音楽も
 ひとつ心に溶けて
 対流する
 かたちのないものたちは
 かたちのなかでふるえ
 ただ惹かれていた
 扉の向こう
 音と意の翅を得ることに
 ....
いのちは
こころのかたすみで
ふるえながら狂っている
枯れた木が
記憶だけで
まだ水を吸い上げようと
こころみているように


まともなあんたは
ひびわれた ....
鉛を擦った袖が
すっと高い
青空にひらめいて

手を振りかえすと
穂波へ消えていった
あなたを
好いていたんです


あなたの骨の中には
あの青い光が詰まっていて
きらきら き ....
真綿で頚を
絞められるほど
清しいことはない
出会った時の君のようです
SNSで掛けた言葉に
驚きもせず飛びつく君に
小田急線が音をたてて
過ぎて行きました

恐れを知らない子供のよ ....
自分が虫になったと知った時
グレゴール・ザムザは紛れもなく人だった
グレゴールの家族が彼を虫として認めた時
それは毒虫以外のなにものでもなかったが

作者は残酷な創造者であり
読者はこころ ....
蒲公英の繊毛には色がある
白色は視覚化されるが
赤、青、紫、橙は花の妖精しか見ることができない
その色によって着地点は既に決められている

人間の心も同様である
人間の妖精は太古に滅んだ
 ....
水面から突き出し露わにされた
見えざる岩の 固く 鋭い突端
流れを切り裂いて
空間を満たしとどまることのない
               行進を
                ただ白く  ....
山間の、とある峠の一角に巨大な岩が奉られている
近くに湧き水が流れ、森の陰影のくぼみにそっと佇んでいる
神が宿るといわれてきた、大岩
峠道を歴史の人々が歩き、腰を下ろした
見つめた大岩に合掌し ....
台風のあと散らずにいた
白い小菊の花びらの中に座り
濡れた髪など乾かしながら
やっとひとごこちつく
清涼な香りに
生き返るここちする

草むらで横たわった猫は
生き返らなかった
その ....
刀の{ルビ柄=つか}になりたかった
      かつて

 いまは
極小ビキニでありたい

真面目な話です
    詩についての




      《ちょっとだけ:2017年 ....
早朝の駐車場
誰かが捨てたごみ袋を丁寧に
カラスが広げている
コンビニ弁当の容器や紙クズを
ひび割れたコンクリートの上
器用に嘴を使って


秋晴れの清々しい空の下
目ぼしいものはな ....
原爆は持たないし
原発はゼロにする
軍隊反対、戦争反対だけれど
北朝鮮には文句ひとつ言わない

テレビを点けると
そんな奴等が至るところに出てくるが
実際、俺の生活圏では見たことがない
 ....
{引用=ひび割れ}
雨音は止んだが
雨はいつまでも
乾くことのない冷たい頬
満ちることも乾くこともなく
ひび割れている
  悲しみの器



{引用=天気雨}
泣きながら微笑むあ ....
母さんがせっかく作ったんだ食べて行け

父のひとことに逆らえず
しぶしぶ食卓についた君は
スープを一口
口に入れると
涙をこぼし
絞り出すような声で
ごめんなさい
と言った

 ....
   Ⅰ

わすれてもらへるなんて
うらやましいことです

たれの目にもふれず
こころのうちに咲き
たれに憶えてもらふこともなく
たれにわすれられることもなく
時のは ....
数をかぞえて川まで来たよ
回転木馬は考える
きみはガリガリ苦しくて
きっと神さま軽蔑だ


かんざし付けた観光ガール
カード片手にガイドする
こちらにござるは金華山
来る日も来る日も ....
{引用=   The Evening Prayer}


だんだんみじかくなる

{ルビ滴=しづく}よりも


もうきこえません


うけとつてく ....
猫がちひさくねてゐる
がらんとしたひる下がり

友だちの本棚に
一冊きり のこされてゐた
うすい詩集をひらく

表紙は白 何もかかれてゐない

一ページ目
「私 ....
海は水平線を
鋭利なナイフのように突きつけてくる
想い出は残照の別称であり
水のように浸る憂愁である

夏が去り
海岸には打ち上げ花火の残骸が
寄せ来る波間に漂っている
{ルビ流離=さ ....
かわいい小鳥が鳴いてゐる

かわいい小鳥が鳴くたびに

肩がずきりといたい


ええ わたしは鳥だつたんですよ


ひとのゐないところでは

いまでもときどき鳴 ....
そらが明るくなって
さみしかった
ことりが羽ばたく音が
しずかにひびいて
まちの
そこここでは
あさが燻る

たべそこねた月が
うすくしろく
ケロイドみたいに
空に
はりついて ....
月までは案外近い
いつか行き来できる日もくるかも、と
あなたはいうけれど
それが明日ではないことくらい
知っている
人は間に合わない時間が在ることを知っていて
間に合う時間だけを生きてゆく ....
猫といつしよにすはつて
落ち葉がものすごいいきおひで
木にもどつていくのをみてゐました

世界がどんどんまき戻されて
文明がはじまるまえの
澄みわたつたあをぞらにもどりまし ....
七色の満月に
よりかかっている

骨になり泳ぐ魚
軽すぎて命が冷たい
星座になりきれなかった
群雄たちの成れの果て

七色の満月に
よりかかっている

眼鏡をはずし
からめるさ ....
田中修子さんの自由詩おすすめリスト(868)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
卒業- ヤスヒロ ...自由詩1018-2-12
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解釈してみて- 印あかり自由詩618-1-29
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書かない。- 水宮うみ自由詩10*17-12-22
溶媒- ただのみ ...自由詩12*17-12-16
あらゆることが語り尽くされたあとに- ホロウ・ ...自由詩15*17-12-1
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なぜか今朝彼のことを- ただのみ ...自由詩4*17-11-11
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流時紋- ただのみ ...自由詩18*17-11-4
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花暮らし- そらの珊 ...自由詩17*17-10-30
ちょっとだけ- ただのみ ...自由詩12*17-10-28
ルールとマナー- ただのみ ...自由詩9*17-10-21
存在しない- 花形新次自由詩217-10-19
秋の雨/感傷として_五編- ただのみ ...自由詩17*17-10-14
ミネストローネの秋- Lucy自由詩17*17-10-13
春のスケツチ三題- 石村自由詩19*17-10-13
きっとカジュアル- 白島真自由詩14*17-10-2
晩祷- 石村自由詩12*17-9-30
- 石村自由詩10*17-9-24
海そして残照- 白島真自由詩16*17-9-19
肩がいたい- 石村自由詩8*17-9-17
しののめスープ- むぎのよ ...自由詩13*17-9-14
秋窓- そらの珊 ...自由詩25*17-9-8
もどつていく- 石村自由詩16*17-9-8
秋の星座- 秋葉竹自由詩3*17-9-5

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