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少なくともわたしはいま
まだ幾らかの怒りを残す
悲しみに悶えた心は
まだ幾らかは立ち直らない
思いながら風の行方を知る
窓の外はそれは青空
一つきりになった夢の標
絶望が訪れもしたけ ....
人は生きているうちにいったいどれほどのことが出来るのだろう
この星にはたくさんの人がいる
人によって生きられる時間は短い
短かったり 長かったり
この限られた時間の中 ....
酒の自動販売機の前で
近所のおじさんは
ワンカップのボタンを押す
がたたん
おじさんは
しゃがみこむ
しばらくして
立ち上がったおじさんの手にあるのは
完全に飲み干され
....
三年後にはいくつになる?
五年後は?
答えはわかっているけれど
どんな自分でいるのかわからない
昨日と今日
おなじわたしにみえる
中身は同じじゃない?
大木の前できいてみる
....
叫び声に満ちた夜だ
すべての距離が叫んでいる
だがこの叫びは全て
私自身の黙された叫びだった
闇がつぶれている
渦を巻いている
夜の風景ばかりが
激しく身をよじるが
私はも ....
いじけていてもしょうがないから
しゃんと背を伸ばして立っていよう
この青い青い空の下
大きな大きな樹のように
この時代に生まれた
幸福と不幸を見つめて
大きな大きな根を張ろう
やがて ....
血は血となり
肉は肉となり
骨は骨となる
魂は心を試す
魂は心に眠る
魂よ
心となれ
ベイビースター
ひとり部屋にうずくまって 灯りという灯りをすべて消すと
明るい世界に すっかり目が慣れていたせいで
その刹那 僕は自分の手のひらの位置すらすぐに見失った
僕はここに居ながら ....
わたしの居場所ってどこにあるんだろう。
そんなとこ、あるのかな。
会社にはないし、住んでる街にも、自分の部屋にさえないように思う。
電車に揺られていると考えちゃうんだ ....
雨なら外を見たくない
優しい人なら会いたくない
時に多すぎる感情を
いい香りの紅茶で飲み干して
心の中に吹く風は
ふうっと長い息にして吐く
なんでもない
なんでもないよ
....
お前はいいヤツだ
そう言おうとすると
熱いものが
こみあげてきて
とうとう
言葉には ならなかった
世界中に
大声で叫びたいのに
その言葉は
深く胸に還り
暖か ....
あなたがぼくを愛してくれるので
ぼくはここに生きていられる
そしてまた同時に
いつ死んでも構わないと思えるのだ
心の底から
愛は蒼穹の奥に実り
愛は深海の闇に茂る
愛は春先の風に ....
強烈な台風で
日本列島がもっと太平洋よりに動いて
面倒くさいアジアから抜け出せたら良いなあ
とか思っちゃうんだけれども
かといって
カリフォルニアのちょっと横ぐらいまで
行っちゃったら
....
Ⅰ<夏も終わりの>
夏も終わりの
夕ぐれの海辺にいって
大きな貝殻を 見つけましたか
まるでひとつの 終止符のように
眠っている 白い巻貝
貝の耳に あなたのここ ....
真実というの、
多面体について推測することを
誰かを信じたり信じない
曖昧さを拭い去って
女の果実は甘く
夜を抱けば朝が焦がれる
水槽で泳ぐ
海を知らない魚にとっての、
す ....
二十代後半、夏の三千メートルの岩陵から墜ちた時のこと−
次から次に
岩にぶつかりながら
肉体の感覚は麻痺していく一方、
意識はより鮮明となっていく
宙を舞い墜ちながら次第、
次はあ ....
臨死の翳を
微かに 背負いながら
徒労の日々と 無意味の夜毎を送り 迎え
スプリングベッドに
猫背を沈めて
天井のモザイクを
眺める ....
【あの手 この手】
あれは
てあて だったのだろうか
その手に触れた途端
理由の わからない涙が あふれた
どのような ゆえんで
私がその場に 辿りついたのかは おもい ....
私が私にできることは、
私が私を私からぬきとること。
肉をぬきとって血を降らせて、
骨をぬきとって風を吹かせて、 ....
どうして どうしても
美しいだけが
とりえなら
海とか空とかそういうのに溶けなかったんだろう
こんなにあふれても
溶けなかったんだろう
答えみたいな問いのなかで
眠ることにする
....
まとわりつく夏の汗
行水で流せば
あとはキンキンに冷やした至福の一杯
いくつもの川が
ひとつの海にそそぐ
ぼくたちは
いくつもの川のようなものだ
ひとつの海にそそぐのだ
そこは罪
そこは花
罪はつぐなわれる
花はかれてしま ....
わたしにおまえを見るのはやめてくれ
制服のシャツに
くだけた調子の喋り方に
やさしくなるのは嘘でしかないね
知らないよ
おまえはわたしを知らないよ
道をたずねて2分だし
SNSと ....
そんなに遠くを
探すまでもなくて
最初にわかることだから
これは天空を見つめるばかりの
きっと自分のかたちをした
青空の欠片みたいだろう
何かを好きになると云うことは
朝早くおはよう ....
地球温暖化は
九十年代で終わったのです
対策が打たれて
温暖化は停止したのです
それでも地球がおかしいのは
地球が人間を見放して
冷淡化しているからです
のばした爪に 皮をゆだねても
みかんは 指を求めていないのです
力ですか 許しですか
欲しいものを求めていますか
甘い実にも捨てる場所がある
どうしても受け入れられない
どこか ままな ....
わたしたちが集めていたのは
瓶ビールのふただった
父の晩酌のたびにそれは
どちらかの手に入る
栓抜きでこじ開けられた痕は
同じ方向にひしゃげて
それは何かを証明するように
ひとつ ....
夜は爆ぜ
すぐにまた現われ
朝へ朝へあとずさる
雨に
種を蒔きながら
触れれば空に到く
咲かないものの履歴
指は水を編む
夜を高くする
何処にも行けな ....
不幸自慢の座頭蜘蛛
緑の文字にうろついている
燃やしても燃やしても
早朝を喰みにやってくる
久々にいい酒くらって
現代詩フォーラムというサイトへ
投稿していたときのことを
話してしまったらしく
「おじいちゃんらしいとこもあったけど、
なんだか新鮮だったよ」
なんて
感想 ....
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