すべてのおすすめ
歳の瀬に
固くしこる肩を抱き
小刀をとり
伽羅を聴く
静かな四畳半に
立ち込める静けさは
生まれる前の記憶を呼び覚ます
一年は走馬燈のようだと
誰かが言った
少しだけ眠く ....
物欲の塊は
妻から針金のような注射をされる
少年の頃のように
怖いわけではない
チクリと刺されれば
それで済む
反省の無い猿以下のぼくは
飽くことを知らない
留まるところを知ら ....
忙中閑あり
終末は妻とアイナメを釣りに
銚子へ行こう
ほんとは電車を乗り継いで
銚子電鉄に乗りたいところだが
荷物がかさばるので
車で行くしかない
その昔、
一年間を独りで暮らした ....
世界で何番目かに高いクリスマスツリー
去年は誰と見ていたっけ
君だって誰かと見上げていたんでしょ
さっきエスカレーターで
すれ違ったのは昔愛した人
もうすぐこどもが生まれそうだった
....
それは全て愛だった。
それは全て愛だった。
父が少しずつ貯めた積立金。
何かの足しになるようにと内緒にした
大きな空き瓶いっぱいの小銭。
「銀行に持っていったら、8万円になっていた ....
無常にも燃え上がる炎。
愛する者の身体は
2時間強という短さで骨と言う物体になった。
「形が綺麗に残ったね。」と
一点を見つめる瞳。
「あったかいねえ。」と
声を震わせて歪んだ ....
沸騰する憂鬱を、
跳ね返すことばが、
さかなになって脳裏を横切っていく。
それを掴もうと、
手を握ったり開いたりしてみても、
私は海底に沈む難破船になって
視線を落とす。
*
....
傷ついているひとを見るとつかれる
かわいそうのエネルギーが
ギザギザになってあたしにぶつかってくるから
ちょっとやめてよ
って離れる
誰もが所詮 人間だ
冬の風すらやさしい
夜の庭で ....
あなたの面影は
白い石鹸の匂いと
サイダーの匂いがした
おかあさん
何処に往ったのですか
ぼくはいま
武蔵野の林を歩いています
あなたを探しながら
足跡は何処にもみえな ....
私を抱いて クレチマス
くるくる・くるる 描く唄
鉄塔の下 踊り出す
ひらひら・ひらら 風も揺れ
見上げる度に 笑います
見上げる旅に 出掛けます
*
妖艶な迄に ....
あなたの瞳は
地球ほど小さい
渦巻く星の雲浮かべ
光に濡れる黒い華
――めぐすり ひとしずく
恩恵とは湧き上る涙
乾いた世界に満ちて溢れるもの
柔らかく羽ばたいた
ひとつ ....
失恋ソングを聴いてたときに
あなたを見かけるなんて
最初から そう
どこか寂しそうなところが気になった
その寂しさを分かりたかった
あなたの笑顔は眩しくて
瞳は驚くほど澄ん ....
組み換え可能な人生であることがわかってしまうね
わたしの右の指と交換される指輪
笑いながらつけてくれた
六本目の指
もう 大事にして
傍にいても手を繋いでも
いつもいつでも一緒にいても
幸せな時を共にしても
互いに想う心は同じでも
二つの体一つにはなれない
体だけすれ違う
風が文句を言う。だから僕は頷く。若しくは日常語だけを話し、沈黙を忘れる。太陽は感情を曲げないで一直線に走る。だから僕は座る。若しくは歩みを止めて、目的地を捨てる。雨は時刻を知らせる。一秒毎に100粒の ....
雪が降らない
音符ひとつ落ちてこない天上
澄みすぎて
画面のなかのようなこの街
詩人になるのは
後にしようと決めた
私という女子 の足下は
いつからか三次元だったらしく
きみ ....
落ちては掃く
落ち葉の
落としては掃く
落ち葉の
だれでもない
わたし
日暮れの
空の
落とされては掃く
落ち葉の
だれでもない
わたし
だれかが
どこかで
....
寒く冷たい夜に
悲しくならない人は
どれほど温かい人なのだろう
どんな温かい人がそばにいるんだろう
体いっぱいに
乾いた冷たい風が吹き
涙を拭って
それきり
呼び止められる
....
コレハ自動再生デス脳内で加藤清正の虎狩りについて語り始める貘さんの眼鏡は丸くないからさきほど青い鳥で見た藤田嗣治を並べてまん丸く収めることにするすると伸びたあの猫の腹にはなにが収まっているのだロウカ現 ....
たぶん外国の人が食べにくい物は
いかの塩辛
くさや
納豆
梅干し
生卵
鮒ずし
筋子
まだまだ在るけれど
メジャーでないので
ここでおしまい
ラーメン屋で観察している ....
潮騒の岩鼻に立って
潮の流れを見つめてゆけば
そこにどんな大魚が潜んでいるかは
だいたい察しがつく
今日は石鯛狙いなので
サザエに間借りしたヤドカリを金槌で一撃を加え
遠くの潮目に放り ....
岩山の岩壁の岩棚に
産み落とされたぼくは
産声もあげず
銀の龍に鷲づかみされてしまった
遠い記憶の底
あれから言葉など誰も教えてくれなくて
ぼくは誰とも話などしたことは無い
....
残響、
生まれ絶えることなく
静謐循環回帰スル物質の界
透明な音の響きの渦に呑み込まれ
感情は濾過され
音の響きは音の響きを引き裂き残響
鋼鉄を叩き合い振動増幅し震え震え
宇宙の深淵 ....
赤ちゃんが泣く
その理由はたぶん
単純なものだろう
なのになぜ
怒るのだろう
許さないのだろう
親とよばれるひとは
赤ちゃんからみたら
どうみえているのだろう
少しはなれ ....
151208
竹藪のショートカットを抜けるとそこには
ソフトの親分が子分を従え、何かを探させていた
バグに決まっているだろうとは思ったが
虎の親分に睨まれたら ....
私は会社に絶望していた。私は上司からパワハラを受けて、心に深い傷を負い、一時休職しながらもかろうじて復職した。だが、私に対する周囲の目は冷たかった。私は自らの受けたありのままの被害を幹部に ....
それは突然に来る 音がする
ヒタヒタと迫りくる
晴天が急に曇り、突然降る
人は剥き出しだ 傘もささずに
12月の初めの風 南に向かって
匂う道 曲がる季節
今日の天気 晴れのち ....
平和と愛は無関係なんだってこと
平成時代になってやっと思い知った
人類がわたしです
ヘリコプターの音を聞きながら
食べる 野菜スープのあじと
安定しなさいと言って
聞かせる平らな親の目 ....
ゆれる ゆれる
しずくが ひとつ
ゆれる ゆれた
なみだが ふたつ
葉の上で キラキラ
一滴 ユラユラ
ちょっと 寂しげに
見えた瞳と かくれんぼ
ねぇ だいじ ....
1日の終わり
グラスで氷が回る
なんでもない繰り返し
あなたを考える無意味な繰り返し
眩しくて
おじけづいしまう
その綺麗な瞳が私を映してくれないなら
見えなくなればいい
....
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