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大人になって
子供の頃遊んだ公園や
学校の通学路を歩いてみると
昔と随分変わったなぁと思う
公園の遊具は無くなり
遊んでいる子供もいない
学校の帰り道によく
駄菓子屋に行き
友達とお菓 ....
たった一言の返答で
見たくなかった物を見た。
「これは、捨てなければならない感情だ。」と言うことを。
選ばれなかった私。
選ばれたあなた。
(何かを吹っ切れた。)と思ったら
....
「離してなるものか。」とは言わないで
父の顔に触れている。
「別れ際に泣くのは、銀幕の中だけだ。」と考えた。
これからは
ケーキを切るときも
饅頭を分けるときも
きっちり測らなくて ....
手を振る父が見えたような
雲ひとつ無い冬の空。
最後の呼吸にも似た突風が
火葬場の玄関を通り抜ける。
(足音だけが響く廊下。)
両腕に抱えた骨壷が
最後に抱き上げた身体よりも重 ....
揺るぎない態度が歩むアスファルトの硬さで
両腕を失ったのは誰か
絶えず歩み続けることで
身体の抱擁を犯されたのは誰か
足跡は連なり
その道は物語を一つ語りだす
独りの表現を誇張し
劇 ....
目が口ほどにモノを言う人たちに囲まれて
君の視線のフィラメントが闇のように漂う
人見知りがひとり 見知らぬ人たちと
待合室でチェスの駒みたいに包囲され
遠くから黙々と頭を打つ冷たい秒針は亡霊だ ....
甘やかな
旋律のピアニストは
何時までも恋という幻想に抱かれていた
その指先の爪は何処までもピンクに輝き
甘い囁きは
彼女を魅了した
そして
彼は応えた
ぼくは孤独を埋めること ....
生まれた哀しみを与えてくれた
おかあさん
ぼくはいずれ死の苦しみを味わなければならない
なぜ、生まれたことを祝うのだろう
生まれたことは死に繋がるのだから
できることなら
意識のな ....
中国から紛れて移入された
希少な巨大魚が江戸川で釣れると読んだのは
遥か昔の中学生のころ
再発した想いが頭をよぎった
体長170㎝
重量50㎏の大魚が東京の街中を泳ぎまわる
ぼくとほぼ ....
粘土で塗り固められた体に
蜜を垂らして
それを貪り食う君が見たい
血塗れ 血眼になって
汚れたって構わなくて
寧ろ血を一滴残らず
飲み干すぐらい
誰かを食べる
君が見たい
....
恋か愛だかわからない
夕映えのグラデーションが静かに消えてゆく
後に残ったのは
鋼色の冷たい空だった
昴が昇り
オリオンがアンドロメダを追いかけて
シリウスは白く笑った
北斗の斧 ....
深い森の中で
寂しいかい?
と聞くと
彼は寂しくないと答え
広い原野にたたずむ彼に
楽しいかい?
と聞くと
彼は震えた声で
孤独だとつぶやく
彼に問いただしても
明るい答え ....
チキンサラダと
チーズトーストをなんとなく
頬張りながら
冷めた珈琲を啜り
永遠に続くフライトを待つ
くたびれたコートに包まれ
鉛色の雲に閉ざされている
ドゴール空港
混沌とし ....
たいせつをさがしている
大袈裟でもなく控えすぎず弾力をもつもの
空は低いが僕の中にそれをおしあげる力があるだろうか
誰も風化しない星々も変化しないのではちょっと困るのだ
粘土のように塑 ....
前に体重がかかっていますね
と 足型調べる靴屋さん
胸は反らせているはずなんだが
と わたし
町中を歩いて
ウインドウに映るわがすがた横目で眺めれば
なんと言うことだ
前屈みでせ ....
ぼくは錬金術師のように
黄金を創ろうと必死になっていた
銅に銀と錫に亜鉛を混ぜて
ローズマリー・パセリ・タイム・セージを加え
そして 少量の胡椒とカルダモン
青い炎で炙れば
黄金色の合 ....
晩秋の黄昏に
チェロの響きが肩に渦巻いて
痩せた胸を抱き包む
明日の朝は
この曲を聴きながら
ベーコンエッグとトーストにイチゴジャム
そして濃いめの珈琲を啜る
そのバロックは
....
久々の早帰りに
電話の向こうで
妻が文句をいう
冷凍庫は貴方が
イッパイにした
妻の激流止まず
僕に記憶はない
何ということだ
酔った勢いから
楽天市場の散歩
記憶に無かった
....
簡単な事だった
決まり事は ある程度あれど
魔術師のように オタマを振れば
フライパンの固さの如く
凝り固まった 君のアタマも 耀くよ
真っ白の塩
これがなくて 困ったんだ ....
ケンケンパ
ケンケンパ
道路にロウ石で丸を描いて
ケンケンパ
ケンケンパ
まるまる転がるよ
ケンケンパ
ケンケンパ
見上げてね
ほっとしてまた下を向き
ケン ....
僕は彼女を名付ける事にした
彼女は僕の天秤が
どちらに傾くのか知らない
僕は彼女の知る真実から
不確定だといって目を背けた
嘘は
特定の誰かを騙す為に
鍵は
....
宇宙にある
一つの場所、一つの時間
流星は覚えている
巨視の瞳孔を開き
微視に解体される運動と感情を
私はあなたの記憶
機能化された一つの個体
朝、目覚め
夜、眠るまで
....
魂の境を越えた交わりだった
わたしたちは一羽の大きな鳥になって
暁に輝く大河の遥か上空を
風を切り 大きく弧を描きながら
深く埋もれたまま錆びて膨れた散弾
思考に敷かれた玩具の電車の閉鎖回路 ....
もう二度と歌は歌わない
そう決めたのは
合唱コンクールの練習の時
隣の子がクスッと笑ったから
以来本当に僕は歌を歌わなかった
音楽の時間は口パクで通したし
歌のテストの日はズル休みをした
....
私は神をみたことがないけど
だれの仕業か
赤く染まってゆく山が
恐ろしくもあり
くる冬の
白さが恋しくもあり
私の中の
赤も白もまたあることを想う
僕、私、俺や自分が世界中に溢れてる
そんなありふれたものじゃないと
私は誰かさんとして
生きてるわけじゃない
名前を知ってる
生まれた時も場所も
そして自分を知ってる
私は私として生きて ....
徹夜明けで深い眠りのはずが
妻の巨大な鼾に起こされた
鬼の居ぬ間の洗濯…
そんな言葉が鼻先をよぎる
買い物ブギなぼくは
一日のうち5%程度はスーパーで過ごしたいのだけれど
鉄拳宰相はそれを ....
“相手とコミュニケーションが取れない
この作戦は決行するしかない
我々には戻る場所が無くなった
補給する術も材料もない
我々は戦うという選択肢を取らなければならなくなった
この暮らしを守るた ....
流れ星を数える夜は
一人寂しく冷たい黒
おやすみのあとの秘め事は
誰にも気付かれない
空の星を金平糖にして
食べていることも
誰も気付かない
約束したのだ
海のクラゲと
星がいな ....
空の色が無くなり
銀盆のような
アルミニウムの月が昇っていた
少し戸惑いながら
東の空を眺めていたら
雲霞のような
鳥の群れが
北の方角を目指している
不思議ではないのだけれど
ぼく ....
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