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もろみの薫り漂う街に住んだことがあった
二両編成の電車が走る街
午前2時に仕事を終えて
少しアンモニア臭い
チャルメラを食べる儀式が日課だった
あらゆる生物は眠りにつき
ぼくとチャルメ ....
最近 気になる 乙女を見かけた
木に成っている 訳ではないが
白い肌は 美しい
芳しさが 届く程 近寄れなかった日々
棘のような 細かな葉先
切っ先 鋭い 捨て台詞で
笑い飛ば ....
夜が皮を剥いで、
真っ赤な朝を迎えたような傷が、
手のひらに滲んでいる。
あなたは見えないナイフを手に私を傷つけた。
....
消費社会、大量消費社会
消耗、消滅、穀潰し
受け取るだけで
貪るだけで
自分から何もお返ししない
それが嫌で
生産的になりたい、と思った
実際のところは単に
排出
し ....
私のお父さんの仕事は
箱舟を作ることです
むかし、ノアとその家族と
さまざまな動物たちが乗り込んで
洪水から生き延びたという
あの箱舟です
いつ来るとも知れない洪水に備え
お父さんは毎日 ....
突然の驟雨に匂い立つ森が私を呼んでいる。
どうしようもなくお前たちに会いたいがそれが出来ない。
胸苦しさが止まらない。
次に生まれてくるなら私は森になりたい。
何かに生かして ....
あなたには確固とした道があり
立派な道標もある
でもそれはあなたの道標
私のではない
あなたの道標では
私の道は歩けない
どんなにおぼつかない足で
曲がりくねった道を歩いていたとして ....
詩とは日常のなかの
些細な疑問であったり 好奇心である
たとえば植物の種子のように
風にさらわれ二度ともどらないもの
炭酸水のように底のほうから発生して舞いあがり
はじけて霧散してしまう ....
世話好きな暮らしを離れて
夜更かしの日常に
浸りきる
お節介な暮らしを離れて
自堕落な寝床に
根を生やす
まわりの奴等はといえば
どいつもこいつも
似たようなもんで
....
正しくなくていいんだけど
ちょっとそばにきてほしい
優しくなくていいんだけど
背中に手をあててほしい
たぶんそんなことだけど
だれにもあるとおもうんだ
どんな紐も 間違いではないとしても
許されてはいけない夜
打ちつけた卵から雛はかえらない
液晶、あるいはブラウン管
はじめてじゃないってことは
これからもまたってことなのかな?
....
神様は知っていますか?
人間は嘘をつき
何もかも傷つけ
全てを汚し
都合よく裏切り
そして同じ人間を殺めます
人間はそんな生き物なのです
その人間は私です
そんな私がこの世界で
生ま ....
冬の紅い薔薇をみてみたい
いままでの悲哀を忘れるために
仕事の辛さ
部下の辛さを忘れるために
止めどなく時計が秒針を進め
ぼくらはついてゆけない
どうしたら良いのか
蝙蝠に聴 ....
郵便局に勤めたかったのは
食堂の定食が美味しかったから
そして決められてコースを笑顔で走れたから
電報局に勤めたくなかったのは
借金の返済を迫られた親爺に
出刃包丁を突きつけられたか ....
安物のヨードチンキ
木製薬箱から取り出しまして
お立ち会いの表舞台に撒き散らしたら
さあ今宵も開演
埃ひとつない椅子に腰をかけまして
これからお目にかかるは摩訶不思議
センチでレトロな ....
大きな塔があった。
ある男は大きな塔の頂上に登れば何でも見えると思った。
そして、ある朝、その塔に登り始め
一歩、一歩、階段を踏みしめて頂上を目指した。
辛い時もあった。孤独を感じる時もあ ....
少年は挨拶した。
周りにいる人達は彼を無視した。
前回会った時、少年は彼等を無視したから返事が返って来なかった。
正確に言うと、少年が前回挨拶をしなかった理由は、
無視したのではなく、物思いに ....
太った
ぶくぶくと
心はやせていくのにね
151115
ネアンデルタール人の存在感が増したのは
発掘した人骨が他の旧人類とは比較できないほど多く
現生人類とも混血したともしないとも言われる隣人は
70 ....
柔軟剤こっからうち、パジャマ安心だっこ、おかあさん!
おうちかえりたくて、こどもびょういんぬけだしたきみは、からだがよわいから、
夜の海あわだって、手、ひっぱられておぼれてしんじゃって、
砂 ....
大きな月に定規をあてる
誰も来ない
人生は終わる
山の向こうに人がいる きっといる
豚色のピンクの人が
ピンクの人は月に定規をあてたりしない
そんな人の上にも月 ....
塗り絵みたいに
2015.11.12.
街は傘だらけ 僕は傘いらず
この冷たさは雨のせいなのは分かっているけれど
この空しさを濾過してくれるかなと思って
流行は伝染病 僕は独り言 ....
いろいろ泣きたい
いろいろな期待
泣きたいのは期待してるからなんだろうか
期待するから裏切られるのか
それでも期待したいと思う
傷つくのは怖い
期待しなければ
裏切られなければ
....
あなたが水草だった頃
わたしは産まれた
あなたは水草の味がした
ここにつどうすべてのいのちは
いのちをきょうゆうしている
だから
それをざんこくなどとおもわないでおくれ
あなたは ....
42
教室の床には
紙屑がそこら中にちらばっていた
君たち教室の床はな
ゴミ箱じゃないんだぞって
先生の話も聞かないで子どもたちは
紙を切り刻むのに夢中になっている
あちこちから ....
アンドロメダ銀河にサンダル履きで行きたい
東京をサンダル履きで駈けたい
ワッペン 切片 雪片
朝ごはんといえば
アジの開き、納豆に玉子、焼き海苔、葱とワカメの味噌汁がいい
トーストとベーコンエッグとコールスローサラダに珈琲がいい
出汁の効いた立ち食いの天玉蕎麦も捨てがたい ....
鳥になれ
大空を
はばたいて
往く空の果てまで
ぼくは見つめているから
やがて銀の龍になってくれ
君の瞳に映った世界を見せてほしい
いつかきっと
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