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何時も山裾を眺める君のこと
忘れるはずもない
約束だけが残っている
いつかまた逢おう
人として生まれ輪廻は続く
約束だよ
ラフロイグを呑みながら一緒に語ろう
些細な日々のことでもいい ....
本棚には
山にのぼるまえの登山家と
ネクタイをしめるまえの政治家
それからドラック中毒の神父さまと
やわらかい夢が眠っている
もうすこしわたしは
旅をしなければならない
鍵をかけ ....
山にキノコ採りに
出掛けたジジイが
3年経っても帰ってこない
「誰か捜しに行けよ!」
と誰も言い出さなかったので
そのままになっていた
みんながジジイのことを
完全に忘れていた頃
....
いいことがしたい
あなたが喜ぶような
なのにわからない
なにをすればいいの
いいことがしたい
ほめられるような
なのにわからない
なにが正解なのか
ぜんぜんわからないから
な ....
一晩で覚めた酔いは 何も残さず
それなりの仮面を被って 朝の光にびくともせず
生活者としての仕儀で 感謝されてみたり
立派な人間は そもそも詩を作ったりしない
後ろめたさを糊塗する ....
恋をすると
女の子は
女性になる
男の子は?
愛を知ると
男になるの?
それまでは
少年と青年の間で
うろちょろしてる気がする
だからきっと
タイミングがズレるんだね
独房の堀で羽を休めるアゲハ蝶
憐れみの蜜を吐き出す
黒い光沢に光りが反射して
影だけ先に飛んでいく
十七歳の部屋では少女が
明日を憂えていた
それでも敏感に影を捉えて
不意に彼女 ....
マチルダその名に惹かれ
やはらかなドレスはオーガンジー
淡い薄紅のグラデーション
俯きがちな優しい微笑み
丸い瞳は少し淋しげ
見開いたまま
散り落ちる
マチルダ
虫に食われ
....
葉脈一筋一筋の呼吸
陽光照らし
くっきり浮き出す緑に
生動スル循環は止まず
改めて懐かしく
見慣れた細部に
生きる力を貰う
傷みを耐え凝視集中
彷徨う森の静謐な午後
諦めては ....
そんなにだいじなことが
あるだろうか
陽に透けている髪の毛や
ひびくように聞こえてくる帰りみちの子どもたち
なにかの秘密くらいちいさな爪のいちまいずつ
写真集にかぶったほこりのおどるとこ ....
リリー
言いたいことがあった
はずだけど
戸棚にしまった
毒の花
来たかったのは
ここなのだ
どんなに忘れても
赤い夢は
リリー
言いたいことがあった
はずだけど
....
人さし指を立てた
葉っぱが一枚落ちて
世界をスワイプした
時間が背負うことばの数々は膨張し
夕日に反転する夜空に
詩人という雨雲を生んだ
滴が重力に逆らって上昇する
歴史 ....
乗り越えなければならなかった
障壁は崩れ
敵だと思っていた相手の腕に
知らず支えられていた
唾棄すべきと思い続けた
内なる牢獄
私の手足を縛り
思考を閉じ込めた
古い価値
根拠の ....
やがて九月、と声が耳もとをかすめてゆく
窓辺にはレースのカーテンがひるがえり
夏の少年が静かに微笑む
君はどこからか来て何も言わずに去って行った
知らない言葉だけがわたしをさみしくさせ ....
つくづく不平らしく、海に向かって、高慢な舌打して、
「ああ、退屈だ。」
と呟くと、頭上の崖の胴中から、異声を放って、
「親孝行でもしろ――」と喚いた。
(泉鏡花 「草迷宮」)
中学生 ....
変えようぜ
まだまだ遅くはない
変えようぜ
まだまだ腐っちゃいない
考えすぎることなく
迷いすぎることなく
今を この今を
もっとフラットに もっと柔軟に
....
もう僕には届かない空
あの時の空が
16年前の秋の日には
あった
空にまで手が届くほど
僕の青春は高く翔んだ
誰にも負けないぐらい高く
やがて堕ちることも知らずに
悔いはない
....
ハンバーガー屋は減り
コーヒーショップは増えた
2015年9月中旬の街。
空き家は減り
コインパーキングは増えた
2015年9月中旬の街。
牛丼屋は減り ....
冷たい風が吹き荒ぶ
草木が千々に散り乱れ
砂利道が静かに佇む
まるで行く先に助くるものなし
太陽の光遮られ
茶色い枯れ木の重なる下に
そこかしこに闇が佇む
まるで行く先に営むものなし ....
背中が寂しいと言ってたけど
背中には答えない
まっすぐ私を見て
私の目を見てみ
何かわからないことがあるか?
愛なんて問うな
こんなに愛されていて
お金なんて
あるだけあげるよ
って
言ったところで
幾らも持っていない自分に泣ける
何が欲しいんだ母さん
テレビも車もなんでもあるよね?
なんて
わかってるくせに
....
渇いている
ビシビシと割れた皮膚は
一目瞭然
渇いている
少しの言葉で
心が惑わされるほど
渇いている
渇愛を渇望しているから
今息をしていることに
渇き ....
私という息継ぐ存在
他者という息継ぐ存在
ふとした縁で繋がり
連動し始める
この驚きよ
(四日前に
突然の大動脈破裂で死んだあの人は、
俺の身代わり
生きて生 ....
星座にはいれない星
そう、惑星
だからなのか
惑う星たちは
互いに近づき
時には
並んだりもする
だが、別れには惑いがない
月を挟み
それぞれ ....
手のひらをじぶんのほうに向けてばいばいするあの子、ぼくのばいばいの手のひらの向きを子どもの悪戯みたいに真似て、ぼくに手の甲を向けてばいばいするあの子、ぼくとじぶんにばいばいするあの子、ぼくとじぶんにば ....
賑やかな祝祭は
終わり
各人は家路に着いた
人の優しさ
温もりが
泉のようにあふれでて
懐かしい人の
胸を満たし
小さかった人は
見上げるような大人になり
いたわられる人となって
....
そうね
たぶんね
って言えるくらいが
素敵な関係なんだろう
わたしの都合
ぼくの都合
は行ったり来たり
のくり返し
わたしの願望
ぼくの願望
は力関係で一方通行
ただ ....
海が見える新興住宅地
まだ買い手のつかない広い区画には
イタドリ ススキ タンポポ
何処からともなくやってきた
柳や白樺の若木も生え
地面は覆い尽くされることもなく
盛り固められた土が腐 ....
150912
石の上にも三年といわれ
経験を積まないうちは、現状批判的な意見は言わないように謹んできた
このたび労働者派遣法の改定で同一の職場では3年以上 ....
捉えたぞ
アナタの姿を
流れいく雲間に
薄く濃く白く輝く
奔放に微笑み送り続け
爆発して
消尽し
捧げ
妖艶に
円を舞い
捉えたぞ
アナタの姿を
流れいく雲間に
破壊 ....
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