平常心を保つことの難しさを
一番 知っている あなただから
赤いリボンを 一つ あげる
あなたが ときわはぜ 一等賞
時が流れて 風も流れて
太陽の光と 雲が乱れると
同じ 色 ....
白い霧に覆われて色褪せた世界
山と街に被さっている
蝉と暑さと湿度が
どうしようもない倦怠を引き連れる
他にも排気ガスの熱風とか
首の無い鳩の死体とか
濁った川の流れとか
何でも無い ....
伝えんとする意志が世界をきりとるとき
言葉が生まれるのかもしれない
飲みにさそった結婚前のきみに
きちんとこれからのぼくの計画を話そうと
想ったがなにもなかった
あなたの推薦をうけな ....
次へ向かうと決めた
太陽が過ぎ去ると
予定時刻に合わせ
それを追う角度で
君は近づいた
偶然を装って
通り過ぎた雨音は
静かさだけを
置き去りにして
星が滲む銀の夜を ....
泣くほどの事なのでしょう
向かいにたっている鏡に映る
ただ形でしかないものを見る
泣くほどの 事 なのでしょう
つらいからと逃げられない
逃げ切れないと 千切れて行く
いずれ 切れ切れ ....
いい人にみられたいが為に
心ない優しさ見せつけた
そしてたくさんの人から
素晴らしい人だと讃えられた
見た目は綺麗な人
でも心はケロイドさ
ぼくたいふうだよ
みなみのうみでうまれたよ
ぼくたいふうだよ
あるあさそらにうかんだよ
めのまえはあおぞら
うしろはくらくてあれているらしいけど
めのまえはあお ....
杓子定規には行かぬ出来事を吸い込んで
花びらは 大きく開き 空に染まる
微妙な空気感も 四方山話も 飲み込んで
幹は 太く 伸びて行くけれど
もう これ以上は 勘弁して下さいと
....
こんなの詩じゃないと
お叱りを受けそうですが
まあ、いいだろう
と、寛大な心の方はご覧ください
*
小さい頃のわたしは
引っ込み思案で 恥ずかしがり屋
自分から友だちを ....
口がぱっくり開いていては 無様極まりない 故
嫉妬と憧憬を繰り返し腹式呼吸に整えてゆく 否
めない惚れ
火の打ち所のない情熱 つまらぬ炎の揺れ
非が天へ掻き消されて 冷静霊的にのみ或
....
かつての俺の顔を
いくつもいくつも飾る部屋
鳥が歩いていた
その鳥の体は鉄に覆われていて
よく見ると羽は錆びていた
鳥は空を飛びたいけれど
こんな体だから
空を飛んだことがないと言う
ならば一度でいいから羽を広げて
飛んでみるとい ....
くっきりと分かれた空に
あの日の私を垣間見る
別れて しまったか
白と黒は
もう 二度と
交じり合う ことは ないのか
グレーゾーンの狭間で
うふふと笑う若者を
横目で ....
パソコンに向って
キーボードを打っていたら
ブ~~~ン
という音が聴こえてきた
蚊か?
気づいた時にはもう遅い
手と足と三ヶ所 刺された後だった
痒い 痒いと掻きむしりながら
蚊の気配 ....
人間としての純粋さは
美しすぎる少年のように夭折した
私はそれを補うものとして
社会という書物を解読する意欲に満ちて
純粋なサラリーマンになった
だが純粋なサラリーマンはあっけな ....
お気に入りの
Tシャツの上で
猫が寝てる
どいてくれって
言いたいけれど
言えなくなった
ただの居眠りのくせに
そんなに
幸せそうな顔するなよ
君に会えないから会いたい
君にさわれないから会いたい
君の声が聞こえないから会いたい
君の匂いがしないから会いたい
君がいないと切なくて淋しくて
君に会いたいからあぁ痛い
心が
熱帯夜に
惑わされて腐乱した睡眠から
止め処なく垂れ流れるゲルは
黒い卵を内包していた
寝息が言葉に染まって
過去の幻像を描くとき
醗酵したゲルは悪臭を放って
野を枯らし 街 ....
痰に執着が絡んで上手く吐き出せない
過去に想いを馳せて 石橋を叩いて 渡らない
どの様な姿が陽に当たって影は無念だったのか
それとも地平線まで心は太平であったのか
おぼろげな足取 ....
風呂をたてると近所の家族が集まっていた頃のこと
風呂水運びはぼくの仕事だった
三十メートルほど離れた小川から
両手に水の入ったバケツを提げ運ぶ
萎えそうになる気持ちを
腕の力を鍛え野球選手に ....
人は決められた事を
決められた通りに行動する
まるで機械のようだと思った
人と同じ僕もやっぱり機械で
自分らしく生きてきたけど
それは意志ではなくプログラム?
遥か雑踏を離れて
孤では在りえない存在を確認する
収拾のつかない順序をゆっくりと整理する
いきることは水底をしらない漣
序連で奏でられていた通奏低音は
変化しまどろみ羽化すべき朝を
....
若い女子の親友二人組
あなたたちのおしゃべりは誰の毒にも薬にもならず
その笑顔は野の花のように何物とも親しい
時間をせき止めることも空間を汚すこともなく
お互いだけに通じるユーモア ....
物質の贈り物 物に罪はない
が
センスの悪さを隠せない包装の隙間
から
得体の心得ない損得もしない
が
もみあげくらいの重さの不愉快さが耳にかかる
気持ちだ ....
人生が辛くなり死ぬ人がいる
死ぬ病気じゃないのに死ぬ
しかも自分で自分を殺めるのだ
死んだら辛くないのか
死んだら楽しいのか
自分が自分に殺されて痛くないのか
心や体が嫌がっているのに
....
新しい朝がまたやってきた
いつもと同じ朝がやってきた 人々は
歌を歌い 私は真っ黒な
絵を描く
大きな絵を描く
かすかに聴こえるこの歌は
聴こえるか聴こえないかのこの歌は
苦しい中に ....
木々があいする木漏れ日のこと
川がめでるせせらぎのこと
雨が求めるつちの渇きのこと
太陽がほしがる水溜まりのこと
夕日があこがれる水平線のこと
朝陽がのぞむ暗やみのこと
....
きみの真っ直ぐな眼差しに あたしは
耐えられなかった 大人のふりをして
夢みたいなこと言っちゃだめ なんて
夢を見たかったのは あたしのほうなのに
あたしは臆病だっただけ
子供か ....
ないものを
あることにする
あるものを
ないことにする
私たち姉妹は嘘つきだった
なんでも切れるナイフのように
いつも嘘を手に持っていた姉
風船のように嘘をつき続ける私
....
どんな女の子にも
あなたに似ている部分のひとつやふたつ
探そうと思えばいくらでも探し出せる
ローソンで目が合った
母親に連れられた中学生
あなたにそっくりだったよ
初めて出会ったとき
....
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