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悲しみはいつものモノローグ
ぼくらを蟻みたいに
地上に張り付かせて
ドローンと海鳥のランデブー
失われた歌と八ミリの海
城壁の跡と草むらの年月
雨降るせせらぎは ....
空に
宇宙が染み出している
秋だ
白い夏の空に
虫や風よりもはやく
秋の光が走る
人間の美しさは髪形だけになる
匂いや陰毛が鼻や歯にはさまる
晴れて ....
いつもこころに青空を
宇宙の一部を
魚眼レンズで
俯瞰してやれ
いつもこころに青空を
曇り空よりも
ずうっといい
君もそうだろ
いつもこころに青空を
....
昭和13年の正月にタイムスリップしていたのだ
女は着物か着物っぽい洋装をしていた
喫茶店では皆姿勢が良かった
会話の声はさ行が強調されて聞こえた
新聞はどれも昭和13年の正月の ....
ぼくには海がある
山がある
大地がある
宇宙がある
じぶんに都合がいいところに行けばいい
深夜
腹痛で目をさまし
あなたのなまえを呼ぶ
神のなまえ
....
虫の音がしあわせだ
俺の匂いがしあわせだ
深夜放送がしあわせだ
指原莉乃がいいとこつく
松田翔太がどこか遠い
林真理子がえらそうだ
虫の音がえらそうだ
扇 ....
桜をみると胸がいたい
桜なんかだいきらいと言いたくなる
だから桜に謝りながら
盆栽みたいなかたちをみつめている
一方向にしか膨らまない宇宙なら
星はこんなふうに見える ....
直ドラで右股関節を捻挫した
ダフった衝撃がそこに集中してしまったのだ
向きをかえただけで襲ってくる激痛で
寝ることと座っていることが辛くて仕方なかった
立っているときがいちばん ....
フランス語には名詞に女性とか男性とかがあるけれど、それはその言葉がほんとうに男とか女とかそういうことではなくて、ただふたつに分けるために男と女という概念をつかっているだけだ、とフラ語の教授が豆知識み ....
今年一番のゲームは10月2日の阪神×ヤクルト戦だ
夜8時すぎ神宮球場に行ったがソールドアウトで入れなかった
仕方がない
ホテルに戻ってラジオで観戦した
部屋から神宮球場の方角を ....
ぼくたいふうだよ
みなみのうみでうまれたよ
ぼくたいふうだよ
あるあさそらにうかんだよ
めのまえはあおぞら
うしろはくらくてあれているらしいけど
めのまえはあお ....
遠いベッドで寝転んでいると
小窓のカーテンの向こうから
おいてきぼり喰らった僕の声
銀河鉄道の夜を見送っていた
この世の悪も善も乗せてゆく
悲しみも退屈も希望も喜びも
....
こころだけがタイムマシン
ひとそれぞれに曳かれている
過去という車道
ひとは過去しか書き換えられない
こころだけがタイムマシン
頭痛で昼遅く家を出た
下校の小学 ....
ふしぎな童話なんか
なかった
うそがめくれる
めくれたうそが風になる
春から夏がやってきた
夏から秋がもどってきた
ぼくは無になる
思い出だらけのぼくは無 ....
桃太郎はさびしい男だ
きびだんごがなければ
ともに戦う家来はいなかったのだ
となりのベッドの見舞い客がそとの桜の様子を話している
彼は半身を起こし窓際に意識をやる
さ ....