すべてのおすすめ
墓参りも行けずに
気になっていた京都の町は
無精者を待たずに
盛大な炎によって
結界の門を閉じる
雨と雷は
上賀茂さんが振り払った気がした
煙と一緒に
みんな登っていく
帰ってしまう ....
君が
何が幸せか知っていたら
私は
こんなに悲しくなかったのに。
いちめんのたんぽぽは
黄色く心に広がって
あの日つないだ君の手の
小ささを思い出させる。
....
世界っていうのは
自分に与えられた箱だから
自分はその中で
精いっぱい生きるだけだ
気持ちいいも
悪いも
自分の中にだけある
本当はアホのくせに
気難しい顔ばかりしてた
ああ優しい人
何も言わないで
ごはん美味しいねって言う
美味しいねって返事したら
すごい幸せそうに笑った
私なんてつまらない人間
もう生きて ....
何の音か
しばらくわからなかった
頭の中にも
外にも
激しい雨が降っていた
後ろで手を組んで
足をそろえて
ちょこんと立つ女の子のように
春が遠くで見ている
少し
体を傾けて
小さく笑いながら
本当に美しいものは
言葉には表せない
それらを再現できるのは
読み手の魔法なのだ
いいなあと思うのは
いつもつまらない地味なもの
特別じゃないありふれたもの
あなたの声や
地面に映った夏の葉影や
洗濯されてぶら下がってるチェックのシャツや
音のない雪の夜
生き ....
愚痴を言う人を
心配はしない
吐き出してまわりを不快にしてでも
自分は楽になりたいという図々しさがある
むしろ心配なのは
愚痴を言わずに耐えてる人なんだ
尊いものを知る喜び
この世にある
数えきれないすべてのもの
命や自然や
歴史や宇宙や
誰かが誰かを想う小さな優しさまで
嘘をつけない人
じっと耐える人
誰かのために笑う人
....
お気に入りの
Tシャツの上で
猫が寝てる
どいてくれって
言いたいけれど
言えなくなった
ただの居眠りのくせに
そんなに
幸せそうな顔するなよ