少し遠いスーパーまで
ゆずとかぼちゃを買いに行ってきた
明日は冬至なので
かぼちゃを小豆と煮て
ゆず湯に入る
いつもはシャワーで済ませるため
お風呂は贅沢に感じる
たった1個だけれど
 ....
小学生のとき
教室でモンシロ蝶の幼虫を育てていた
クラスメイト全員に与えられた
翡翠色のいもむし

そっと指の腹で撫で
キャベツの葉をあげ
毎日見守っていた

やがて蝶になるはずのそ ....
三丁目二番六号付近の路上に林檎を置いた
いつか君と出会うための魔術だ

御堂筋を渡る、四丁目のあちこちに足跡を残す

南船場四丁目をさらに巡回する

反復は呪われた想いだ
破れた地図の ....
日本は前科者です
先の大戦で

金で賄えないものがあります
人の命

僕が子どものころ見た戦隊ものの悪役で
金で解決できないことはないと叫ぶ者

反省の色は消え
またぞろ同じムーブ ....
いつだって
逃げ出したいのは
空の彼方
まぼろしの国

そこに住む住人は
みな穏やかで
過去を問わない
未来も尋ねない
お元気ですか
から始まる会話は
今日あった細やかなことを
 ....
朝に聞いた曲
心の目が柔らかく開く

見落としていたもの
忘れていたこと

目玉焼きのカタチに
母が

洗濯したハンカチの色に
父が

リキッドの眉墨には


私の ....
誰か一人が歩いているとき
町の喧騒はさみしく かなしい
誰か一人が笑っているとき
町の灯りはさみしく かなしい

だから雪は濡れているのです
うろ覚えの愛情のように
冷たい雨が降りだした町に
冷たい夜がやってくる
夜明けはいつも遠い
トーストの微笑みも
紅茶の雫も
珈琲の湯気も
夜明けの向こう側にある
手を差し出しても
触れることができない幻を
 ....
忘れたくない
自分は
存在しているということを
有り難く思う
命を味わおう



ありがとう
いつも
ありがとうを
ありがとう
いのちよ



 ※ 五行歌とは、五 ....
通りすぎていった雨にまだ濡れている。まだ舗装されたばかりの黒いアスファルトにもはやすっかりと晴れあがった青空が映りこんで、まるで曹灰長石(ラブラドライト)かなにかのようにその淡いみずいろを反射している .... 師走の候
医院の待合室
暖房を入れ始めてから日が経つ

ブラインドの向こう
夏からの工事は、まだ終わらない

受診後の患者様たち
次の予約は年明けが多い

帰り際に掛けられる言 ....
憎んだのは
あなたがたじゃない
夫と花の名前を持つひとだ

憎んだのは
有り難いことに
過去の話だ

誰も
私自身にさえ
歩き始めた陽のあたる道を
邪魔させやしない

過去の ....
散歩の帰り道

ガス会社のフェンスに
ひとさし指先ほどの
緑のサナギ
アゲハの類か

細い指先で畳まれた
葉っぱのようで、
その美しさを観察する

雨風を凌げるものなど
周りに ....
時間は川に流れ込んで
海に注がれていった
思い出は沖の方の
船が網に集めている

オレンジ色が海面を揺らして
波の音がだんだん寂しくなる
水平線に飲まれていく太陽
思い出を吹き飛ばす風 ....
胸の奥にしまいこんである
宝物みたいな想いは
大切すぎて
詩にかけない
たった五文字
ことばにすれば
安っぽくなる

このままずっと秘めたまま
スマホを置いて散歩へ

私達は便利の奴隷

人工知能もやって来て

共存してもしなくても

使っても使われても

私達は便利の奴隷

スマホとの距離感を

7オクターブ離し ....
ありがとう
優しいひと

宛先のない手紙を空に向けて飛ばす
風が想いを運んでくれる
逢いたいと願うだけでは
足らなかったの?
自分が自分を邪魔するように
伸びすぎた前髪が視界を遮るから ....
「絶対」とか
「何が何でも」とか

不要な力みでしかない
過剰なイエスとでも言おうか

不自然な力は
力というものを
発揮しない

「絶対に叶えてやる」とか
「何が何でも達成して ....
「こたつは麻薬や」

あなたは そう呟いて
こたつから抜け出した
まるで逃げだすように

不覚にも長い昼寝に陥り
試験勉強を邪魔された──
あなたの言い様
こたつに悪気はないのに ....
姉は
母の遺影だけ渡してくれた

お父さんのは?
とは聞けなかった
彼女の中では
一生赦せないひとだったのだろうから

母の情の{ルビ強=こわ}さを受け継いだ姉
酔って暴れる父を
 ....
ことばが灰になる
皮膚を焼くのと同じ匂いで、
私の祝詞は、
毎月、かすかな煙をあげて消失する

――わたしたちは
プーチン大統領に起因する不条理に反対する、
 と
白紙の地図を焦がしな ....
さみだれ
つゆいり、あけ
ことことぽとり
ふれたかおり
くつくつはらり
わからない
いろづき、あせた
かさねがさね
ちよりもこく
神宮前
今日は結婚記念日

親友の誕生日と一日違い
いつも、どっちか分からなくなる

親友の誕生日を思い出してから
結婚記念日を思い出す

おそらく 夫の方は完全に忘れている

試しに ....
浅い眠り
うなされながら目覚める
眠るのが怖くて
コーヒー飲んだら
不思議と眠った

深く深く

午前2時のコーヒー
コーヒー
コーヒー
コーヒー
午前2時の

午前2時の ....
普通って何
異常が
普通になっちゃった
異常が普通の
顔して歩いてる



私は
無力だ

思うこと自体
おこがましい



さまざまな存在に
感謝することを
 ....
月神は灰塵を踏む
死者たちの骨灰が
静かの海に降り積もり
夜を呪詛するように
祝福するように
鳴く月の砂漠を歩く
風もなく
極寒も灼熱も
容赦なく巡り廻る月に
音だけがある

1 ....
カランの曲線、             月光のカーブ、
約束の柔らかさ、               角質のとれた張り紙
絡み合うタッセル  
   ....
多くのミスリードがあったことは
たしかだろう

多くのミストリートがあったことも
たしかだろう

腹を切る覚悟はできたか
おまえの罪を数えろ

まぁ待てと
話せばわかると

言 ....
短い秋みつけた

ふだん飲んでいるペットボトルのお茶。
冷蔵庫で冷やしたりレンジで温めたり
冷たくても熱くてもおいしいのだけど、
短くなったにせよ行楽シーズンのこの
季節は常温のままでもお ....
新しい住居は
川のほとりだ
川と言っても濁ったドブ川の色をしている
生き物の気配はなく
夏は悪臭を放たないか心配だ

近所のスーパーまで2キロある
コンビニと薬局が側にあるだけましか
 ....
佐白光さんのおすすめリスト(790)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
冬至にゆず湯- りつ自由詩5*25-12-21
やがて蝶になるはずの- 凍湖自由詩725-12-21
恋する林檎- atsuchan69自由詩13*25-12-19
糠に釘- りゅうさ ...自由詩6*25-12-19
桃源郷- りつ自由詩7*25-12-18
そこかしこ- 花野誉自由詩15*25-12-16
熱燗- 飯沼ふる ...自由詩4*25-12-14
夜と雨- りつ自由詩10*25-12-13
※五行歌_二首「ありがとう_いのちよ」- こしごえ自由詩8*25-12-13
日曜出勤- 本田憲嵩自由詩1425-12-12
良いお年を- 花野誉自由詩13*25-12-11
我が道- りつ自由詩6*25-12-11
越冬サナギ- 花野誉自由詩14*25-12-7
時と思い出- 自由詩8*25-12-3
たった五文字- りつ自由詩3*25-12-3
スマホを置いて散歩へ- 朝焼彩茜 ...自由詩6*25-12-1
ちっぽけなラブレター- りつ自由詩7*25-11-25
前のめりの住民- 朝焼彩茜 ...自由詩4*25-11-25
冬の麻薬- 花野誉自由詩8*25-11-22
遺影- りつ自由詩5*25-11-20
わたしたちの世界- atsuchan69自由詩20*25-11-20
銀杏迷路- wc自由詩11*25-11-15
気づかない記念日- 花野誉自由詩12*25-11-13
午前2時のコーヒー- 自由詩6*25-11-11
※五行歌_四首「私は_普通ではない」- こしごえ自由詩11*25-11-9
月神- りつ自由詩5*25-11-8
静かな水- 唐草フウ自由詩13*25-11-7
説法- りゅうさ ...自由詩6*25-11-7
短い秋みつけた- 足立らど ...自由詩325-11-3
徒然- りつ自由詩12*25-11-2

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