死にたいと思うことは自然だ。だからこそ、それをとめようとすることが、さらに苦しみを増幅させるのかもしれない。生きていれば良いことがあると誰もが言うが、多くの人間にとって、幸せを手にできる可能性は少ない。限られた人間にしか、資本主義社会の中では幸せはあたえられはしないのだ。だから、はっきりと死ぬという選択肢を選ぶことも十分に考え得る。不幸せな人間には、人は誰でもなりたくはないのだから。

勝 ....
からからの雑巾でも絞ればでる

これは経費削減の真髄をついた言葉だが

愛というものもそんなものかも知れない

ただ大切なことは

雑巾なら絞り手、愛ならば伝え手

つまり行動する主体がいなくなれば

雑巾からはなにもでないし、愛ならば消えてしまう

そんなからからの雑巾のような愛も

もうすぐ永遠に消えてしまうのだ
二歳くらいのまだ舌足らず
睫毛の長い女の子と
並んで待つ間に
若い母親と世間話など

診察室のてんやわんや
医師はくり返した「きっと泣くよ、泣くよ」
彼もいやだったろう
施術は長く、泣き叫ぶ声は止まぬ
怖くて泣くのではない
いたい、も言えない
ただ痛い、いつまでも

母の心はいかにと
重く耐えられずに逃げて出る
かろうじて
いいさ、あの子は死ぬ訳じゃない

干ば ....
池袋東口の駅前、大通りにある銀行の隅で
彼女は倒れていた。
人通りの邪魔にならないように、体をぎゅっと建物の方に寄せながら、
しかし彼女の口からは嗚咽が漏れ聞こえてくる、はっきりと。


一方、東京有数の繁華街を通りかかる人の数は計り知れず、
次から次へ運ばれては流れていく。
そんな流れの中、
彼女はそこにいるということを気付かれないという以上に
存在を打ち消されていた。

 ....
こんにちは、恥丘よ
たびたび俺は
宇宙性感
ヤマトナデシコって店に
行くよ

宇宙の彼方
エクスタシーをもとめ
ATMから
お金引き出す

「必ずこの店を
 気に入りますよ」

手を振る呼び込みの
にいちゃんは
笑顔で誘う

世間を気にせず
暗黒街へ
構わず臨む

宇宙性感ヤマトナデシコ
生後3ヶ月
娘の知能はまだ犬以下である
せめて「待て」を覚えてほしい


この瑞々しい生き物は
自他共に制御不能である


意思の疎通は不良
寝返りできず後頭部は禿げ
糞尿涎は出るにお任せ


そんな大変不自由な彼女ではあるが
泣き声一つで周囲の人間を支配する能力を備えている


一声泣いては大人をいいように操り
その笑顔で巧みにコキ使い
多くの難儀 ....
前世はおむつでした
その前は
朝顔を咲かせた藍染の浴衣でした

かすかに覚えているのです
あなたと
一緒に
縁側で線香花火をしましたね
華々しく燃えたあと
ぽたりと火種は落ちて
この世に
これほど美しい命があったのかと
心がふるえたのを
覚えています
あなたのそのふくよかな乳房を
包んだとき
そこに ほのかな愛が生まれたことを
私も密かに知っていました

その ....
帰る故郷を持たない
それは誰からも同情されないひとつの不幸

行き場を失った男は
街を彷徨い帰る場所を捜す

しかし もともとなかったものを
どうやって見つけるのか
それは判っているのに
歩く 曲がる 止まる 休む また歩く

すでに髪からは降り始めた雨が滴り落ちる
風は濡れた衣服を通して
まるで世間のように骨身に沁みてくる

駅の側を通れば帰省人が
たくさんの土産 ....
家を訪ねた時
部屋の彼方此方に
黒々と
「呪」と書いた紙が
沢山貼られていた

情けは人の為ならず

違うか

人を呪わば穴二つ

そう言って

忌まわしい文字を書くことで
精神のバランスを取る癖を
止めるように勧めた

暫くして彼の家に行くと
替わりに
朱色で書いた「祝」の文字が
沢山貼られていた
ことばにならないものが
渦を巻いている
それはある期待なのか
失望なのか
わからない

明滅する影と光が時間のように
わたしの周りをぐるぐるとめぐる
その速さに刹那、
ついていけなくて
倒れそうになる

このこころを支えて欲しいと  ....
川で河童と出会った
溺れているところを助けてやると
河童は猛烈に怒りだした
どうやら河童はクロールの練習をしていたらしい
河童のくせに生意気だ
自分が世界でもっとも惨めな
女のひとりに思われる


理由はって?
捨てた子に捨てられて
犠牲を払って拾った男は
h,,,,,でs,,,,,,でD,,,,,でf,,,,,

こいつとは共生関係
とことん潰し合った
エックスハズバンドは
苦しむにまかせた

まるで前世の宿敵の如く

発端はいわゆる
純情と熱情だったのに
目標はいわゆる
「理想」だったのに

 ....
           朝のニュースより


             今朝方未明、すずめの涙に溺れたとみられる
             中年の女性が遺体で発見されました。
             衣服に乱れはなく、遺体のそばの財布からは
             25円と女性が買い物をしたと思われる
             店のレシートが見つかっております。

     ....
かがり火が灯る冬の夜
どこかで
誰かが泣いています

寒々とした出窓に置かれた
ピエロのオルゲエル人形
1ミリたりとも動くことはありません
ネジを巻かれたのは
いつだったか
もう思い出せないくらい大昔

いい音色だったの
美しい旋律よ
もう一度
あの物語を唄ってあげたいけれど
背中のネジを巻いてくれる人は
もういなくなってしまった
一人では
ワンコーラスたりとも ....
ふと気づく

同じ人に同じ話題を話している自分にぞっとする

それも初めての如く話しているそぶり

相手はなんだか苦笑い

空転のソラがコロガル

カラコロコロカラ

カラコロコロカラ

時間の感覚はもういつからか柔らかい

柔らかい無感覚は

やたら甘いショートケーキを食べ

やたらしょっぱいポテトチップスを食べることを

交互に繰り返すことで持続する ....
時空が虚構であることを
何故僕たちが知らなければならなかったか
知らぬことが一つの特権でもあったのに

夢の跡をたどり
確かめられるものの
すべてを消し去るために確かめる

片々のひとつひとつを
むしピンで止め
僕たちは飛ばないことを選んだ

眼鏡の強度を
合わせることも
もはや二度とはしないだろう

腹部の筋肉を鍛えたからには
虫のような手足で
這うことも ....
去年の九月に赤い薔薇と葬った
人の墓に今日もまた
花の一束と共に言葉を捧げに来た
少女は途方に暮れる
一面の雪の上
去年が埋もれてわからない

地図の無い一日
悲しみは道をしるべを失い
途方に暮れる
すべてすべてが雪の下
花を捧げて額ずく場所がわからない
白兎の臆病な足跡だけが点々と
お砂糖の上であるかのように亦、喜々として

誰もいない地の果てを見るように
まるで ....
政治に詳しいわけではない
選挙も行ったり行かなかったり
本当は行かないことが多かったけれど
ラジオで聞く国会中継は
結構好き

政治家は同じ演技しかできない
その劇場でしか使ってもらえない役者
政治家は仕込んだネタでは笑ってもらえない
予期せぬ失敗で笑いをもらう芸人
政治�
{引用=

 空がひとつ、短く呼吸をして、タクトが振られる。
 と同時に、ティンパニが鳴りひびき、世界が崩れ落ちていく。無声映画のそれのように、 立ちつくすわたしの背中に、スローモーションで再生されていく。
 さながら、驟雨。

 海が、内側へ、内側へと、呼ばれている。
        

        暖房のきいた薄闇のなかで
        ことさら物憂げにゆっくりと
        衣服を脱いでゆく

        (ここはそういう部屋だから)

        スカートをたくしあげ太腿でとまっている
        黒のタイツを脱ぎ捨てて
        それからようやく上着に手をかける

        (そうもっとゆっくり緩 ....
               

               それは夜ごとにうごめくいっぴきの沼でした
               わたしが瞼を閉じるとき闇の中で目を覚ます
               
               昼間みた明るい日ざしも笑いころげた面影も
               すべてを深く飲み込むのです
               布団の中 ....
もうダメかもしれません
最近 夢見が悪くて
脅迫されて起こされる毎日なのです
朝から頭がガンガンして
ロキソニンと頓服のリボトリールを2錠飲むのですが
この不安と焦燥はいつまでも消える気配がないのです


死んでしまいたい
消えてなくなりたい
自分が生きていたという事実さえ消してしまいたい


会社へ復帰したはいいけれど 誰でもできるような仕事ばかり与えられ
自分から辞 ....
  テーブルにのっていた
  紙きれを払いのけ
  かわりに君は小石をのせた



  それから僕たちは
  慎重に言葉をえらび
  他愛ない話をし
  ベッドのうえで抱きあった
水を喉につまらせる、かくにんする、つまっていると、合図される、おとこがきこえる、そのおとは号音のよう、ぷっしゅおんぷっしゅおんと、けされるあかりのスイッチのきこえる、君は水をつまらせて、かくにんする喉の、つまらせている、四輪駆動よ、行け、君のおもうゆめのふたつきを、二月をふりつもる雪のみえる丘を、行けよ、四輪駆動のゆめの君よ、それは、ぷっしゅおんぷっしゅおんの聞こえるの先を、

枯れ野の丘 ....
今でも あの場所を流れています
高速道路の車列が整然と
途切れない 地平線のように続いて

形にならない声を
無差別に浴びて打たれ
そして 流れ 流れていく河

大きな河の膝の青タンを
キザなテトラポッドに真似て
孤影の波を
丸ごと受け止める

殴打が続く今日も
血は流れ 生まれ変われと 循環され
大動脈は街の賑わいを足していく

母性あふれる河は
{ルビ慟哭= ....
白鶺鴒と歩道ですれ違った


Pardon, forever!



スタスタスタ、にっにっにっ
              
              目玉焼きには
              塩と胡椒をかけるべきとか
              ぜったいに
              しょう油であるべきだとか
              そんな不毛の会話のなかに
              しあわせって詰まってる
              強情はり過ぎて
        ....
<1>

これがなければ
生きることができなかった

これがなくても
たぶん死ねなかったけれど

これがあったほうが
人様に迷惑をかけない
はずだった

これがあったほうが
すべてまるく収まる
はずだった

これの向こう側を
どうしても見てみたい

君は言った

これのこちら側は
ただの暗闇なんだよ

僕は答えた

それでもいい

 ....
あのね、正しい空はいつだって

きっと明日は暑いから動けない

たとえば夜からうまれた一瞬ならば

細胞の色にそって
私は彼女を嘘つきだと言う

線上にならぶ
黒いすきまからみえる手を
緑色に隠してほしいと
何度もゆらして

少しずつ分化した声も
あの扉へと混ざりながら続いている
もうすぐに消えてしまう靴の置場を
探すこともなく

膨らむ指先を正面に
君の形 ....
深い胸の奥
求めるものは何だろう
ありきたりなことばだけの感情ではなく
細やかだけれど
静かに燃えている
わたしのなかの
赤い熱

わたしから
眠りも咀嚼も
飲み込むことも奪って
支配する
もう一人の
少女 ....
乾 加津也さんがポイントを入れずにコメントしたリスト(476)
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