しあわせって
怠惰なものだと思う

ぼくらは勤勉にがんばるだろうけど
それは退屈な平和を
手に入れるためなんだ

そのことを忘れないようにしよう
でないと
本末転倒になってしまうから

復興という名のもとに
一歩前に進もうという
その情熱と汗は貴いものだと
賞賛されるだろう

でもそのエネルギーは
単調を取り戻すために
何もない退屈を
もういちど手にするた ....
市の図書館は総合文化センターの一階にある


駐車場から入るとホールがあって催し物の案内や地域の特産品の紹介コーナーとかがあり

そこに地元出土品展の案内の女性が立って二階へと入館者を誘っている


ぼくもふと古代ロマンの薫りに引き寄せられて階段をのぼる

この地は太古は武蔵野台地の東端だったようで古代東京湾はついこの先まできていたらしく

遠くは4~5000年の時を遡って ....
ないものねだり

というのは

なんと ありきたりな

ずいぶん そのままな

お言葉ですね

ないから ねだるのに

ないから ほしいのよ

風船を手にする子の

あの{ルビ瞳=め}の輝きが
風の吹き抜ける交差点で
あなたは待つ

約束は必ず果たされると信じて

ひたすら待つ
待ち続ける

そして見上げれば雲

春の雲

おぼろげで奥ゆかしくありながら
したたかさをも予感させて




生きるもの
いずれは死に至るように

≪約束は果たされる≫

だとするならば
地の果てに投げ捨てた一枚の銀貨
あれは
ふたりで過ごした日々の記憶
 ....
吊り橋を渡ってから
落とそうなんて

僕らの後からくる
かもしれない

希望も
捨てるのかい?

この先に

奴らがいても
戦うのかい?

今度は逃げずに

わからないよ
先のことは

わからないよ
確かに
 
 
郵便受けに海が入っていた
海配達の人が入れたのだ
いかだが浮いてる
昨日遭難したはずの僕が
新聞を持って手を振っている
 
 
「明日、学校が壊れてなくなる」
という妄想を
わたしたちは
一度は
みんな
するのです
そうして目を閉じれば
朝が来る
当然ですが
学校は
なくなりませんでした
しぶしぶ
足を運んでは
いつの間にか
忘れているその妄想を
また夜になっては思い出し
繰り返すのです

今だってわたしは
繰り返している
ああ
なくなっていればいい
なくなるはずはないのだけれど ....
もともと
とても
壊れやすいものだったのです
だから
壊れてしまっても
嘆かなくても
よいのです

この世に見える
すべてのカタチについている
蝶番が
壊れてしまっただけなのですから

壊れた
蝶番は
さなぎとなって
長い眠りにつくのです
夢ではない
予兆であったと
ある日少年は気づくだろう

あの列車に乗るべきは
自分であったのだと

枕の下に聞いた
遠い汽笛
その遠さは

距離ではなく
時間であった

未生の言葉として吐き出された
一つの産声だった
有馬侯爵
有馬温泉が
領地で
侯爵
有馬侯爵

からおけに
さそわれなかった
どうして
のけものだから
かろんじられているから
ばかにされているから
ころされるから
こるろーでぃ

そのまえにぼくは
きっと
あめを
あめを

G・N・Pの7パーセント
ODA
春はいつやってくるんだろうね
もう寒いのはうんざりだ

君がつぶやいた

そうだね と
返事をしてみたけど
私はね
寒くても
君がいたから

心があったかくいられたんだ
なんて

言えるわけないから
気づいてはくれないかと
君の顔を見上げて
しばらく眺めてみたけど
ぼうっと顔を見上げる私を
君は一瞬見て
すごい勢いで目をそらす


あ…
照れてる ....
落ちていた
ヘッドフォンをした瞬間
違う場所にいた
そこは
永遠に明るくならない
静かな楽器の中
誰かのヘッドフォン
忘れ去っていく言葉よりも
あなたのいのちの清さにふれて瞼が閉じる
いつまでも文字にならない
あなたの悲しげで透明な息づかい
反復するあなたの鼓動が
休もうとしている風を揺るがす

あなたはいままでどこに
問いかける言葉ひとつひとつが
まだらに染まる紅葉となって落ちていった
見上げる空では雲が走り去る

突然の携帯電話の着信音
わたしはここです
あなたのいたずらな声が ....
小学生の頃のいきつけの内科医院は いつも
消毒薬と漢方薬の匂いがしていた
医者の奥さんが受付の奥で薬を調合していて そこでもらう薬はとても粉っぽくて
飲むと必ずむせた

待合室から小さな裏庭が見えた
羊歯と篠竹が植えられていて 置石の上をぎらりとにぶく光りながら蜥蜴が走っていった
そのあとを追いかけるように小人が走るのを見かけたが そのことを誰かに言ったことはない
私はサザエさんの ....
空も
海も
荒れている
鉛色した浜辺に
鈴をなげる
こんな日であっても
ひとは
生まれ死ぬのだろうか
鳥たちは
季節を選ぶというのに
どんな理由があって
生まれ死ぬのだろうか
戻ってこいと
言えないのだろうか
がんばれば
もうすぐ
春が立つ
鉛色した
空や
海も
そして
あなたも
もう
いちど

立つ
カッコウが火の鳥のまねをしている
帽子みたいに着せかえられれば
よかったのにね
夢中になりすぎて枝から落ちるキツツキの
ものすごい顔
僕に助けを求めて鳴く
カッコウ
公園で何かを探している。 朝がやって来て

僕を夜へと誘う

「止めろよ。僕はもっと眠っていたいんだ」

「この世に起きたくはないんだ」

・・・朝は強引に僕の布団を引剥がして

それをどこかへと持って行ってしまう

僕は寝ぼけ眼のまま

神に祈り、朝を呪った

・・・朝、いつもの学校に登校すると

学級委員長の髪が

おさげになっているのに気がついた
やさしい、アンパンマンは、あたまから、あんこがぼろぼろ
おちても、たべてねといって、はらぺこのひとを
たすけてくれる。
あたしは、できないな
だって、かおがへんになっちゃうもの。

やさしいと、偽善はいったりきたり
でも、善は、はいってるものね

優しさはふりまけない
だって、いらないもの
やわらかなものも、こころはたやすく
傷つけることもあるんだから。

アンパンマン ....
{引用=こわいよ、おかあさん、おにがおいかけてくるよ
 
またこわいゆめをみたのね
だいじょうぶよ、おかあさんがそばにいるわ}
   ◇
小さな灯によって
浮かび上がったその影に
ふたつの角があることを子はまだ気づいてはいない
ほんとうの鬼は
夢のなかに棲んでいるのではなく
現実のなかに棲んでいることをまだ知らない
   ◇
わたくしのことをお知りになりたいのですか?
今 ....
うたは
くちびるからうまれる
のではなく
こぼれるだけ

うたは
じぶんが
出でるべきくちびるを
じぶんでえらんでいる

うたをうたっていると
思い込んでいるひとの
なんと多いことだろう

人生を
生きている

思い込んでいるひとの
なんと
多い

描かれた空じゃ
あるまいし
今夜こうして詩を書くけれど
世界中にある様々な不条理や
悲しみや痛みを知らない訳ではない
この国を覆う様々な矛盾も
今こうしている時にどれだけ多くの人が
不安に慄いているかも

ただ今夜はそれらの覆いを剥がすことを他の詩人に任せて
いくつかのことをあなたと話したい
あなたが一方的な読み手でなくても構わない
ぼくもまた然りだ
ぼくは百年後に通じることばで話したい
世相を反映し ....
休んでる間に担当を変えられた
と嘆く彼女
突然だね というと
前から決まっていたらしい 一言もなく
休んでいるうちに外されたんだと激昂
おもしろくない と朝から大荒れ

だよね 嫌だねと言いつつ
そんなのあきるくらいみたわ
と 言葉にはださずに思う私
実際彼女も私も みあきてきてるけど
いざ 自分 となるとね

ひと暴れもふた暴れもしたくなる
当然だよ 何度覚悟した事か ....
東所沢で待ち合わせて関越にのる

風は冷たいが僕のラパンは軽快に跳ねる

彼女はETCをATMといいまちがえるような良い詩人だ


三芳PAで彼女持参の昨日の残りのおでんと塩オニギリをたべる

まるでピクニックだなあ映画にはならんけどね


秩父の連山はうっすらと雪をいただいているし3月に僕の奥さんになるひとのいる鶴ヶ島を通ってひた走る


僕はぼくを待っている人 ....
「ううん、きてくれてありがとう」
 そういって僕は紅茶を注いだ。
「熱いから気をつけて」
「ありがとう」

 再び静寂が訪れて、紅茶の香りが強くなる。
風の音がきこえる。カタカタと揺れる窓。雨の影。
彼女はカップを見つめている。
ストーブの微かな光だけで不安定に揺れる彼女が
今にも消えてしまいそうで、僕は火を強めた。

 夜は明けなかった。時計を見ると一時半のままだった。
 ....
死にたいと思えるのは
死そのものが
実感できないからだ

いつ死ぬか解らない不安に
慄きながら
爪に火を灯すような
食事や排泄さえ
他人に任せざる得ない人が呟く
「死にたい。」とは
明らかに違うのだ





死にたい人は、死ねば良いと
思っていた時がある

“自殺”したい人は
“自殺”すれば良いのだ
それで
死ぬか死ねるか
死なないか死ねないか
そ ....
(さ) さよならを

(し) 知ったのは

(す) 全てが終わって

(せ) 刹那の色に

(そ) 染まった頃でした。
子供の頃
古めかしい三面鏡が
部屋の隅にありました

木目模様の板に貼られた
三枚の鏡はそれぞれに
蝶番によってつながっていて可動式でした

普段は折りたたまれているのだけれど
ぱたりぱたりと
解体すると
三つの世界が現れました

自分の顔は確かにひとつのはずなのに
鏡に映った顔は倍々ゲームのように
増えていきます

鏡に映った顔があります
鏡に映った顔がまた鏡 ....
街は凍りついていた
遠くで元血統書付きの野犬が唸り声を上げている
路上に放置された氷点下の水槽では
オレンジと赤と黒の模様の金魚が固まり
夏向きのお洒落なスイーツに見える

この冬の寒さは異常だ
寒さに震えるあまり
骨の軋む音が聞こえるようだ

眼前に広がる先進的な荒野には
空白の表情で人々が屯している
彼らを見ていればわかる
都会の、この街の寒さは単純ではない
とても ....
 見えなくてもそこのあるものは、実際のところ世の中にあふれている。見えなくても聴こえる。見えなくても、そこに存在する。決してオカルトではなく、純然たる事実なのだ。
 実家の家の前には、かつて小さな川が流れていた。立ち並ぶそれぞれの木造の日本家屋の前には、似たような灰色の石やコンクリート造りの橋がかかっていた。あの橋は家の敷地の一部だったのだろうか。とすると、川の空間の一部をそれぞれの家で所有して ....
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