日々洪水 窓の外で
右往左往する色たちを
ひとつも自分のものではないのに
愛していた

しらない街でも 深い森でもなく
自分の家の扉のまえで迷子になった
しっているはずの壁の色も言え ....
水色が
ながれてあおくなり
思い出を思い出していた
あなたのひたいを
光がとおり すぎて いく のを

窓があり 扉がある
世界には取っ手がついてなくて
うまくひらかない心の代わり ....
あんまり赤い傷あとと、白いような傷あとがだらだら残る、道はいやな雨のあとみたいに湿ってて嫌い。って少し思ってた。少し好きで、あとの多くはよくわからなかった。
何度か裏返った世界と流れの変わる川、 ....
干涸びた月が夜を湛えて傾いでいる
抉れた言葉を当ててみる
わたしのからだが熱いうちに叩いて
抱けばそれだけ変わると思っていた

秒針 マドラーがわりの指
蝶番のねじが飛んで
10月が ....
一枚のを、まん中からわけたら、裏と表のなかにもうひとつ裏と表ができますよね。っていうのを繰り返して、とうとうわけられなくなった薄っぺらの一枚はきっと透けてて向こう側がみえる。おもてとうらが、ぶつか .... うす紙には夕陽がのっていて
握ると、あわい音がした
ただわらっていたかった部屋で
むりに言葉をはきだすと
それはすごく汚れみたいで
いそいで手を洗いにきたのだが
石鹸は嘘でできていて、 ....
ジャズ、ありがと、えりまき、水槽、私の胸
ピンクのくまとか、くまの、意味とか
スプーンをまるめた指輪してたね。
あと覚えてるのはドア
しまるときに音がしなかったから
君が来たんだと思った ....
ままみて とむすめがいうとき
まぶしくて世界はとてもうすい
ままみて このせんがいたい
というむすめの 指さきに
奇蹟みたいに細くするどいきずがあり
あー これは
花、きずだよ。
と ....
わたしのキスのするところ
壁のない部屋 ななめのランプ
やぶれて可愛い女のこ
寝息のかげに沈んだ言葉
分別されたメッセンジャー
料金所では小銭が足りず
たりない夢を吐きだす獏
遠くに ....
ゆうやけが 夕暮がせまる 胸に
ひときれ恋がのこっている
生活の匂いが残る玄関にも
落としものみたいにひときれ
かわいた浴室の壁にひときれはりついて
灰皿には もえつきた吸い殻とひときれ ....
あげよう 甘い



鈍行は夜を
過去と
それ以外 に
わける

根のはえた
過去は
痺れ
いつか
わたしが
意味を捨てるまで
次の

まで



(甘 ....
つめを剥く爪の転がる香ばしさ 言いたいことなど無かったのかも

立ち枯れの紫陽花程に美しく 言わなくて良い言葉を掬う
出産する間ぎわから出産後の二年くらいはなんか、ずーっとつきまとってた生きるとは?とか意味?とか死へ向かうのこととかがどうでもよくなって、幸福な疲労感がばあばあ出てて、それでそのあとまただんだん目が .... コンクリート をささえる
コンクリートたち 笑う
あたらしい髪型 の 誰彼
かまわず 好きになる すぐに
かんたんに

壁や布や空 や
バス、トラック、タクシーのぴかぴか
二世帯住 ....
妻のなかに庭が
雨の日にはできる
小さく 頑丈につくりこまれた庭

雨の日ぼくはノックする
コーヒーを飲むか
紅茶が良いか
もし望むなら 凍ったラムもあるし

無い 返事のなかに ....
ゆめはつるつるとつめたくて
わたしには夢だとわかる
何度めかの夢で
そのうち終わるのだということも

あるくわたしが
真っ直ぐ行くとしろいさるすべり
もしも曲がれば あかいさるすべり ....
朝はきて指にささくれ
やわらかい油を塗って雲は湯立ち
居残りの夜を掃き出して
開ける窓の軋む音
夏に 朝に 街じゅうの轍に
わかる 私は
くっきりと弱い
そらがあおいと
どうして詩をかくんだろう
泣いたりわらったりするだけでもよいのに
どうして詩をかくんだろう
ごはんをたべたり眠ったり
恋をしたりひとを嫌いになったり
死にたくなったり死 ....
夏用の箪笥から肌を出し
水を通して着替えする
蝉のふる午後にまにあうように

記憶は苦しいばかりですのに
なつかしく
あおい葡萄を含んでは
愛しさをこらえているのです
わたしは、むかし、少女で、女なんてもってなかった。
街灯も、ベルも、雑誌にのってるカフェも、おんなじように憎かった。
破綻した恋をしていて、みじめで、ときどき幸福だった。
だれも、わたしじゃ ....
よい夢を
みすぎて
べとついた頭

語尾をはさみで
切り落とし

涼しい指
涼しい指
あなたの
調子のよい冗談が
きこえてくるまで

待ちましょう
それとも
街の粒子が風にのると
夜はやさしくて
うさぎたちは眠ってしまう
はとも
くまも
金魚たちも

ぼくたちだけが起きている
あまりのさびしさに
抱きあうこともままならず
愛してない
ということに
人々が傷ついていたのは
もう昔のことで
いまは愛だけが
ただしく街を削っていく
かつてあなただったはずの指が
窓辺におかれて
うっとりとひかっている
乾きながら鳴るように美しいそれに
いまからちょっとさわってみようとおもう
夜中のサービスエリアみたいなとこで
あなたといたら 泳ぐみたいになった
LEDがぴなぴな光って消えた
いまどきはやらないかたちの靴をはいたカップルが手を繋いでいた
(ビニールでつくられたサ ....
背中のうら側に
湧き出るような身勝手を
菓子鉢にいれて走っている

一日を過ごせば
一日を知ってしまう
蛇腹のような階段を捨て
毎日建てる墓標へ向いた私と

降りつもる砂を払う手 ....
気をぬくとすぐに空が裂けて
わたしのねじれに触れてくる
どんなにながいスカートを履いても
どんなにきつく紐を結んでも

許されない許されない
それは 味のないガムみたいにはりついて
 ....
雨のなか
であったくまとねこは
べたべたに濡れて抱擁をした

たばこを吸いますか?
とねこは言った
ええ、いいえ、わたしは。
とくまは言った

雨樋を水が
のろのろはしっていく ....
ママほしをとってきて はーちゃんちいさいからてがとどかない
むすめの背も手もたしかに小さくて、でもかんたんに星に届きそうな気もするけど。
わたしにも届かない、あれはとても遠くにあってだれにもす ....
いったいこの夜の誰が
朝をつれてこられるだろう
あんなに熱い背中をして
泳ぐみたいに生きたのに

6月のくまみたいに不機嫌になって
木の実や空洞をぱりぱりかじりながら
いくらでも理不 ....
はるな(1849)
タイトル カテゴリ Point 日付
洪水自由詩417/11/10 19:48
とって自由詩517/11/5 22:19
ニジのこと[group]散文(批評 ...117/11/1 2:47
十月自由詩217/11/1 2:19
0、ゆりかごとレース、踊り子の傘のことなど[group]散文(批評 ...617/10/28 8:15
うす紙自由詩517/10/27 0:43
ジャズ、私の胸自由詩317/10/26 17:23
ままみて自由詩717/10/9 22:58
わたしのキスのするところ(あいたち2)自由詩217/10/8 19:50
きれ ぎれ自由詩217/9/28 20:22
次の駅自由詩417/9/26 17:24
爪を剥く[group]短歌017/9/13 23:45
着地のこと[group]散文(批評 ...217/9/13 17:43
なんども川を越える自由詩217/9/11 17:25
雨の庭自由詩417/9/10 22:43
ふりむく2自由詩417/8/27 23:32
よわい自由詩317/8/19 7:55
ゆり自由詩117/8/3 21:03
あおい葡萄自由詩217/7/31 9:38
手を打つのこと散文(批評 ...417/7/25 22:45
よい夢自由詩217/7/24 22:24
デジタル2自由詩217/7/19 22:32
デジタル自由詩017/7/19 22:28
窓辺自由詩017/7/14 23:06
夜中のサービスエリアみたいなとこで自由詩117/7/13 23:30
菓子鉢自由詩217/7/12 23:23
生えぎわ自由詩217/7/5 23:27
くまとねこ[group]自由詩417/6/28 14:20
ママほしをとってきて散文(批評 ...617/6/24 0:04
6月のくま[group]自由詩817/6/15 3:44

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 
0.38sec.