世界は暑くなりすぎだね。っていうあなたの涼やかさ。シャツのなかに風を飼ってるみたいで良い。
そうだねってわたしは言うけど汗でべたべたになった手がすべってつかまってられない。わたしは季節をすべりお ....
わたしがあなたに触れるとき
十のマイナス何十乗秒前のあなたを認識しながら
触れているのは何秒前のあなただろう
あなたがわたしの声を聞くとき
あなたに流れるのはいったい何秒前のわたしですか
 ....
ため息はこぼれるまえにのみ込まれ
地下鉄の風はまぼろしを吸い込んでしまう
それはここにあるのに
なぜ世界をみようともしないの?
スープ皿のふちにしがみついている言葉
噛み砕いておいてはき ....
あらゆるものの無価値が
ふくらみながら、ビルをなぎたおして
湖や、きれいなもの、意味や無意味は、まざり
まざったあとで、ちいさな
穴になって 穴は、
頑丈な瓶につめられて
コンビニでう ....
2番目の
ドアをあけると空だった
367番目のドアには
夜明けがはいってた
だんだんちからが抜けていく
この世界にいてもいいとわかったのは
だんだんわたしがいなくなってきたからだ

 ....
みんな炭酸
ぷちぷち空気にまざる
月曜にあけたサイダーが
木曜には甘い水になって
やすらかに
わたしたちは消えていく
みんな炭酸
あの時 波が引いたとき
おびえたのは僕のほうだった

数をかぞえる臆病な胸のうちを
たぶんきみは知っていて
知りながら笑うきみを僕も知っていた

足元の砂が削れながら濁っていく
老 ....
青い少年が
指をもって
噴水をみている

歌おうとして
泣いたり
描こうとして
折れたり
飛ぼうとして 揺れたり しながら

わたしたちは
このまちの
記憶として
忘れら ....
夏の日十時
海を干上げるほどの無関心が
ここではビルにあくびをさせ
むつかしい言葉はまぶたをすべっていく

回転するただしさ
紐をつけた恋人
合わない靴
ささやかな不安が集積さ ....
朝は熟れていても清潔で、新聞紙のにおいがします。
(瓶詰の海に日をあててから手を洗う)
することはたくさんあります、
洗剤をあわ立てたりほこりを集めたり、
出かけっぱなしのくつ下をペアにし ....
心は曖いちいさな海で
寄せては返したがっている
愛してない
(あなたを愛していない)
それが白いブイのように
波間に泡立ちながら
にぶく 在る
めらめら壁が
燃えているというのに
くまたちは眠っている

5月も天辺間近
夕暮れも薄く伸びて
暑すぎる夕暮に草いきれ
もう
答えがでる

くまよ
燃えつきる壁よ
わたしは ....
トースト色の
にじんだ夕日も
まえがみがじゃまでみえないな

わたしは大好きな
ベランダやコンクリートやビルを
捨てようとおもいました
海岸(および波打ちぎわ)も
コーヒースタ ....
むすめに小花柄のワンピースを着せたので、自分は紺色の格子のワンピースを着る。ふくらはぎまで裾のあるざらっとした生地の。雨は降ったりやんだりする。
「びしょびしょになってもいーんだよね」ってむすめ ....
くちづけは乾いていて
忘れたころに香る
五月の庭は騒がしく潤み

ひらくたび
こまかく傷ついていく手のひらで
世界を泳いでいる
まだ知らない
なにも知らない
溺れるように街を掻き ....
非常にたくさんのものが
(ほとんどあらゆるものが)残っていた
スプーンもフォークも、ぴかぴかなバイクも
時計も、携帯電話も

空気が
かろうじて光をのみこみながら
浮遊している
ね ....
ねむたいゆうやけに染まる耳たぶや
肌にしずんだ模様
しろい壁とかアイロン台
日々にしわをつける音楽たち
金曜日にもえるごみをまとめるのとおんなじように
ぜんぶ捨ててきたのだ
かわいいく ....
今世めちゃがんばるから来世はきれいな亀の甲羅になりたいな
かみさまよ
いない世界の数合わせさせられて
伸ばした髪がせんぶ枝毛
責任とってよと言いたいとこですけど
指が5本ずつあるのとか
 ....
ベランダと窓とレースのカーテンをはさんでみるひざしはやさしい。5階からみる中くらいの街なみも。
駅から歩いてくるだけでもたくさんの花がみられる。うすいオレンジ色のぺなぺなしたひなげしとか花水木と ....
あかるいバスにのって
あかるいまちをゆく
肌にひっかかるような四月をぬけて

風がつよいので
往来の恋はみんな片付いてしまった

ゆるい靴紐
空があんまり白いとおもったら
端 ....
意味はきらきらふる星だし
正しさはもえる草原で
寝息は世界のかぜ薬
あなたの頬がやわらかいうちに
知ってほしいことがたくさんあるけれども
なにひとつ教えられることがない

だからいつ ....
春、また
海のない街で
想いで腫れた胸のうちはまだ
ことばにならない

ばらが枯れ あじさいが枯れ
百合が枯れ 菊の花が枯れ
それでもまた 蕾がふくらむ
風が行き 雨が落ち
 ....
せまい巣箱で
愛を買い
そして死なせた

原液に
浸っていく翼をみて
いやだと言ったのは
誰だったか
それとも
愛だったのか
ひとかたまりのきょうが
三和土でふるえている
ドアは開いてるというのに

もしかして、きのうも
ふきだまりみたいなこの部屋の
どこかに
きえかけながらいるのかな
きのうも、あし ....
春だし煙草が吸える場所はどんどんなくなるし
取りこわし多々 街の自我崩落
もっと詩を書いてよ
泣いたりわらったりして詩を書いてよ
枯れながら苦しんで書いてよ
ひかりがひかるみたいな当然さで詩 ....
タクシーは次々くるから大丈夫だよ
凍った蘭
時間
でもまだ寒くないし
小さく受け付けて林檎赤いシャッターの閉まるさま まぶた
つめたいね

泣いて、ひかりは増えた
増えてもたりないけ ....
きおくの部屋できみが笑う
季節は裏返る
陽が
さざ波のように影を揺らす

金色の檻が
反射して 部屋じゅう
光と 光でないもの すこしひかるもの ひからないもの 暗いもの すこし暗い ....
いくつもの街
いくつものビル
いくつもの恋、それから恋
行く先に来し方に
咲く花に結ぶ実に
閉じた蕾
吹く風に色がついたら
まちに名前がついたら
きゅうにひとが見えてきた

ガ ....
まちに心をゆるすのって何日目くらいだろう。300日とか、500日とかそのくらいかな。冬の洗濯物のにぶい色って、(…)。休日は気がゆるむからたいてい体調がわるい。
むすめはソファで寝ている、なんか ....
祭壇のそばで 昏い
煙草を吸う
いまはみえているけれど
そのうちに見えなくなる色の境目を
わたしはどう処理するのだっけ
甘い輪郭を 日々の、
ひと匙ほどの希望で生きていくのを
それを ....
はるな(1799)
タイトル カテゴリ Point 日付
みてもいいしみなくてもいいのこと散文(批評 ...418/7/5 19:38
腫れ上がる孤独自由詩418/6/28 8:28
ナプキンたち自由詩218/6/26 23:15
炭酸3自由詩518/6/21 22:20
炭酸2自由詩518/6/21 22:18
炭酸自由詩618/6/21 22:15
愛されること自由詩218/6/10 23:37
噴水2自由詩318/6/8 23:04
こもれび自由詩218/5/29 10:18
穴でした自由詩518/5/22 9:16
ブイ自由詩618/5/20 23:27
川べ自由詩418/5/20 21:50
19歳自由詩218/5/15 13:30
歯車のこと散文(批評 ...418/5/14 9:35
くちづけ自由詩718/5/1 6:27
ほとんどあらゆるもの自由詩318/4/26 22:20
ねむたい ゆうやけ自由詩518/4/21 23:30
かめのこうら自由詩418/4/11 23:17
アマリリス、お行儀のよいバター、盲目のこと[group]散文(批評 ...118/4/10 9:06
カステラ自由詩1118/4/7 8:56
寝がえり自由詩19+18/3/22 23:54
自由詩1218/3/17 22:05
巣箱自由詩618/3/10 7:31
かたまり自由詩1418/3/1 7:27
詩を書いてよ自由詩518/2/24 1:40
タクシーは次々くる自由詩318/2/24 0:50
あふれかえる自由詩218/2/18 0:37
いくつもの街自由詩318/2/16 16:22
日に焼けた床、むすめのクロゼット、葉っぱをむしるのこと[group]散文(批評 ...518/2/16 16:06
祭壇自由詩318/2/16 6:53

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