カフェ・モカの湯気奪い取る冬の午後
冬木立枝の迷路がよく見える
聖なる日想い重ねる男女かな
冬の波寄せては返す寒さかな
本当はサンタの正体知っている
熱燗に助け求める寒き夜
寂しさを抱える夜は雪が降る
黄落にあたる日差しは弱々し
息白し目に見えるものに吹きかける
クリスマス賑わう街は恋の街
マフラーに巻かれ巻かれて風防ぐ
短日は時の流れも早くなる
手袋の力を借りる散歩道
寒風に乗り流れくるジョンの声
恋人と過ごす間は小春かな
冬日和庭の手入れに時使う
鱗雲取り除くにはデカすぎる
雪の降る町はいまだに白くない
買い揃え聖夜の支度加速する
紅葉や競い合うように染まりゆく
冬晴れに光をもらう植物よ
暖房に可愛がられる人々よ
国道をひとつはいれば冬匂う
冬の駅白い息吐く人の波
冬霧に隠れて見えぬ恋の罠
忘れてる桜密かに紅葉す
流れゆく時加速する年の暮れ
おでん買いあの熱々を味わおう
おでんして最後の卵取り合って
破れたる恋色づける枯野かな
真っ白な心を持った白兎
紅葉や今とばかりに染まりゆく
買うよりも手編みのセーターあたたかい
蒼い夜は冬の寒さがよく似合う
初雪に胸躍らせる甥っ子等
「また餅」とつい口に出す朝ご飯
人間の環境破壊恨む鷲
寒雷やこの世の終わり見せている
未練しか残っていない帰り花
口数の少ないような枇杷の花
寒鯉や右も左もわからない
羽ばたいて夢探してる鷲一羽
冬の庭秋の花咲きまだ明るい
大空を舞台と決めて舞う枯葉
山茶花の花弁ひとつ寂しげに
弱ってる冬蟷螂の黒い影
雪だるま作れるほどのものがない
あの人と半分こする冬林檎
冬深し旬の魚は海の色
小春空取り忘れてる柿ひとつ
寒くても障子の奥は別世界
何故君に逢えたのだろう?
何故恋したのだろう?
考えても答えは出ない・・・
運命によって
磁石のように
引き寄せられた君と僕
懐かしい匂いがする・・・
....
冬寒し缶コーヒーを握り締め
皮を剥く母親の手は蜜柑色
背伸びする白鳥見ては真似をする
冬めいた街見るだけで寒くなる
雪が降り無口のまんま積もりゆく
北風が桜の葉っぱ赤にする
冬の月寒さも知らず笑い顔
いっぱいの日差しを浴びる布団かな
冬の虹儚いものと知らされる
イルミネーション仕事帰りの疲れ取る
冬の海失ったもの探す日々
木枯しや誰かの背中追いかける
ほろ酔いの頭に浮かぶ冬銀河
紅葉の穴場を示す情報誌
秋澄めり遥か彼方に見える恋
逢いたくて逢いたくてまだ春遠し
マラソンの人に手を振るコスモスよ
サヨナラの匂いが混じる冬の海
寒くても温かくなる冬の恋
冬空に穴あけて飛ぶハワイ行き
枯葎命の息吹弱りつつ
ツリー見る独り寂しい聖夜かな
吹く風に押されて咲いた寒桜
寂しくはないよと開く忘れ花
木枯らしに包み込まれた街景色
飼猫に遊ばれている小春かな
ドライブに一緒にのせる冬日和
風吹けば黄色の風に変わる秋
一人きり切り刻む葱二人分
冬スミレ咲き誇るにはまだ早い
大勢に見られて赤く染まる月
冬深しライトアップも震えだす
冬将軍真っ白な風引き連れて
滝の音側で聞いてる冬紅葉
逢いたくて逢えないと知る冬休み
紅葉に引き寄せられる心かな
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