雨、水、魚。……一本の糸でつながれて、
ぴたん、ぴしゃん、しゃらん。
わたしたちにはわからない音楽を奏で合っている。
それを聞いてごらん?

言葉はどこから来て、どこへ行くのでしょうね。
 ....
あなたは優しさに何と話しかけるのですか?
「ありがとう」? それとも「愛しい」?
地球という球体が回って、わたしたち{ルビ人間=ひと}もそれにつられる。
生きていることとは、つねに奇跡なのですね ....
石垣に小さな花が咲いていました。
幼いわたしは傘を差し伸べて、可憐な花を守るのでした。
子供心は純粋で、
哀れという気持ちで、ただその花を見守りたく、

そして、傘の上に不意に見つけた蝸牛を ....
このごろは病臥しているので、
戸外の風景を見つめることができません。
買い物に出かける時も、目に入るのはアスファルトだけで、
鋪石が足元を圧迫しているのでした。

それでも今日は白い色の桜を ....
 透き通った世界の境界には、透明な獣がいて、澄んだ夜を吠えている。明け方の明星を夢みて、夜明けの明けない空に遠吠えをする。透明な獣が夜空を嘆く時、そこには無限の連なりと重なりがあって、透明な獣を優しく ....  ……けだもの、というか、透明な鳥めいた幻がこんな物を落としていったの。

「自由を選び取ることにそれほどの困難は伴わない。それは緩やかな坂道を登っていくようなもの。腰を下ろしたいところで腰を下ろ ....
 詩人というのは、言葉を食べなければ生きてはいけない存在なのかもしれません。でも、今の私には、世界という存在はそれを見ていても言葉を生み出すということをしてくれません。つまり、世界はそこに何かを宿して ....  人と接していると、時にその人の中に自分を見る、ということが起こり得ます。人というのは往々にして、というよりもしばしば相手の情緒やふるまいに合わせた行動の仕方をします。その時、相手が自分の思考や思惑に .... やさしい歌を歌いましょう。
詩ではなく、歌を歌いましょう。
わたしたちは吟遊詩人の、
あどけない無邪気さを忘れてしまってはいませんか?
恋の歌を歌いましょう。
冒険の歌を歌いましょう。
戦 ....
 雨が降り続きます。それは決して晴れない雨です。なぜなら、雨は心のなかに降っているのだから。昨日はバス停でバスを待つ傍ら、ああ、この人はきっと割り込んでくる。と、いう人がいました。案の定、彼はわたしの ....  彼女が問うそのやわらかな言葉にわたしはと惑う。

 その刹那、その物腰、その唇の動き。私の目からは隠されている、それらの上に──彼女は、とても重い。母よ、すべての者の母よ、すべてを失くしたあなた ....
unfinished business.
わたしたちにはやりたりないことがいつでもあって、
それを、
閻魔大王が見守っている。

閻魔大王などと、たいそうなことを言ったものだと、
無限の興 ....
冬の雨が何よりも嫌い。
言葉など出て来ない。ただ、ひたすらしのつく雨。
雨の音に目覚め、雨の音に眠る。
わたしは自動人形のようで、「叫び」というものをこらえている。

人の生きることの苦痛に ....
ほどけゆくリボンの落ち往く先にある、希望という名の広い花園。

ローズティー、浮かぶ花びらふるわせて。貴方は横向き、遠い目をする。

道端のキバナコスモスは無言で、ためらう様があなたに似ていた ....
暗闇のなかにて、
わたしは黒豹だ。
黒豹でなくっても、
黒猫でも良かった。
それでも、わたしは黒豹で、
黒猫よりも㸃いと思っている。
大烏でも良い。
それでも、エドガー・アラン・ポーの、 ....
見つかって、見つからないよと君が言う。まるで透明人間みたいに。

目に見えない電車に昨日乗りました。ゆられていく先すら分からずに。

打消し線の線を取り上げ弦にする。ラ音の調べ、この世のものか ....
さよならの船出を、彼女は待っていた。
美しく水がゆれるなら、心はにごって、
晴れることなく気もちは空とつながってゆく……
ただ、さよならの船出だけを。
 
そうね。ため息がひとつこぼれても、 ....
やすらかな、静けさと麗しさのかたよりのなかで、
彼はそっと目をしばたいたの。
そうして楽器を叩く。
若い彼は楽器をたたく。
 
塔のそとでは風がながれ、
落ち葉をはこんでゆく。
湖にしず ....
笹船に灯を乗せて、炎の河に流す、
依り代のない鎮魂の想いはいずこ、
反射的に何を言うのでもなく、
奉げられた言葉を心が飲み込む。

嚇怒のような雨、
嵐は血と涙に変わり、
これは神罰?  ....
涙は滴り落ちてゆく、ワインのように、
それは血染めであったかもしれず、
わななく明日への希望に彩られて、
炎天下で悛改していた。

懺悔は懺悔たらず、
後ろ向きに何を見つめても、
咎以外 ....
「キミ」といったボクの心を、
あの青い空は吸い上げていた。

マンションの中に入ってきてまで、死ぬ、
蝉。

彼らは種を残し得たのだろうか。
茫洋とした想像がとめどなく続く。

「ア ....
こかげ、こかげ、
あのゆらゆらと、
くろい、
いいえ、
きっと、ダークブラウンやモスグリーンの。

前線と前線が衝突する、
だから、
あたまが重いよ。
どこへもいくことができないと、 ....
(透明ではない)
(灰色の一匹の魚)


透明ではない、薄く曇った一つのガラス球のなかに、
一匹の魚が泳いでいる。それは灰色。

「もう泳ぐのに疲れてしまった」と、魚は言う。
わたした ....
 

晴れた空の中に、{ルビ時間=そんなものはどこにもない}を探している。
 

 
いつもの言葉を忘れてしまった。
ラン、そして、アウェイ。
僕たちはいつも走っている。
それはランナウェイ?
どうやら違うようだ。
僕たちは逃れない。
僕たちは逃げない。
運命が僕たちを呪 ....
無邪気になれるのは、
いつ、どこで?
無邪気になれるのは、遠い過去で。

無邪気になれるのは、
いつ、どこで?
無邪気になれるのは、遠い場所で。

一つ、二つと、
数え歌。
ひとり ....
 君が無限の一列目にいる時、僕は無限の二列目にいてふるえている。君から僕へとたどり着く手段はなく、君は泣いている。僕はどうすれば良いのか分からず、なすすべもなく立ち尽くしている。この世界のどこかには、 .... 死の女神が微笑む、
”どうか明るい唄を残してください、”

死の女神が唱える、
”わたしはすべてを等しく愛するもの。”

死の女神が歌う、
”ああ、死は安らかな眠り。安らかな眠り。”
 ....
今年は桜前線、
 という言葉をあまり聞かない。
桜の散るころには、
 すべてが終わってしまっているのだろう。
そんなことをなんとなく感じながら、
 世の中すべてのことが厭わしくなってしまって ....
このお店は改装中です。
ですから、お立ち入りにならないでください。
改装が終わったら、
あなたも入ってみると良いですよ。

わたしは言葉を商っています。
わたしは「無限」という言葉の意味を ....
朧月夜(923)
タイトル カテゴリ Point 日付
sonnet自由詩4*21/4/17 0:41
自由詩3*21/4/17 0:39
自由詩5*21/4/9 19:15
自由詩5*21/4/9 19:12
けものの夢自由詩2*21/4/2 18:25
ひろいもの/おとしもの自由詩0*21/4/2 18:20
世界と時間に対する一つのアプローチ散文(批評 ...2*21/3/27 4:09
コミュニケーションと詩散文(批評 ...2*21/3/27 4:07
吟遊詩人になりませんか?自由詩3*21/3/26 13:01
夢の迷い路自由詩3*21/3/20 22:26
忘却の河自由詩2*21/3/20 22:23
sonnet自由詩1*21/3/18 22:04
自由詩3*21/3/18 22:03
短歌雑詠短歌2*21/3/12 20:08
黒豹自由詩3*21/3/8 19:14
短歌5首短歌9*20/11/10 17:27
sonnet(船出)自由詩3*20/10/11 23:24
sonnet(塔)自由詩3*20/10/11 23:24
sonnet自由詩2*20/8/18 8:19
自由詩2*20/8/18 8:18
無題自由詩3*20/8/15 17:17
自由詩5*20/7/20 19:27
自由詩3*20/6/2 8:56
空と虚構自由詩3*20/5/15 20:23
無題自由詩3*20/5/14 20:12
自由詩3*20/4/16 23:32
無限∞自由詩2*20/4/9 10:41
前夜の鎮魂歌(レクイエム)自由詩0*20/4/3 12:33
葉桜が揺れる自由詩4*20/3/31 14:15
言葉屋自由詩6*20/3/26 19:10

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