無数の数字が詰まった無に夢中
原風景は鮮明になっていく
地頭が良さそうな地鶏の地声
きみの手の遠くにある夏 連れていく
無季自由律書くムキムキな腕で
俺の冷蔵庫魂が火を吹くぜ
タ仏という時間を司る仏
血のついでに心も盗んでいく蚊
アホになることで時空を歪めたい
宇宙人でも楽しめる恐竜展
....
あなたの歩みで星が止まるから綺麗だと思う
欠けていく影 低空飛行で会う街
暗記した電話番号の棘が残る眼
壊れるなら誰にでもなれたね
優しく素材を並べ替える音楽室で
入道雲 ....
あのときの瞳と見てる鐘の音
あざやかな後悔の色 好きだった
きみの飛ばした靴に落ちていく空
知らない本の中に知らない夏がある
窓の形で幸せを切り取った
眩しくて静かな庭に眠る雨
人格が曖昧なまま見送った
空が完璧じゃないこと知っている
目が覚めるまで牛を数える
あなたではない夕焼けの犬
果物たちの輝きの果て
最終回の最後に回る
考えているふりをする脳
あっけなく開くフタの静けさ
物語が終わって ....
思考の片隅でパンを食べる朝
{ルビ無意味=ないあじ}であることに{ルビ意味=いあじ}があった
窓の音 いつか冷たくなれるかな
耳鳴りみたいに、きみは宇宙を漂って
....
私があなたに話しているのを、そこから見ているあなたがいて、
私が私自身に話しているのを、どこかで見ている言葉がいた。
あなたに向けたつもりの言葉も、結局は自分自身に向けられていたのかもしれない ....
過去形の歩き方で温い無音の影になって朝を待っている。
きみが手を振ったら発光するみたいに約束を喉に沈めた春、表に出さない感情を分かり合わない、脆く引き摺るわたしの曇った声を憶えている。
....
段落に無数の恋が落ちている
ぬるま湯に解答用紙が浮かんでる
悲しみの雨に塗り絵が濡れている
日常を綺麗と思う 思っている
その灯りが灯ることの全てがわたしの全てで、公園に腰かけたり、元気そうな集団を避けて歩いたり、目と耳と鼻と口と手と生き物と複数の壁、この部屋での暮らしが綺麗な明るさになれない。
マンションの知らな ....
おだやかな田をたおやかに耕した
綿菓子でまやかしみたいに甘やかし
降っている小雨に触れた傘を振る
生き残ったわたしが星を燃やしてる
優しい場所にひとり取り残され ....
何食わぬ顔で何かを食っていた
葉が落ちる 羽化して浮かんでいく 光
消えていく 生きていく記憶を描いて
小説を超絶饒舌に語る
「短歌短歌……」と繰り返すと「カタンカタン……」となり電車気分を味わえる。
風を浴びながら歩いてるときしか良い文章が思い浮かばねぇ。
鉛筆を削るというのは、鉛筆の命を削ると ....
フィクションに暮らすあの子が空想する
物心つく前に聴いていた歌
いつまでもよくわからない水の色
頬を伝う伝言ゲーム遺伝子の
文を書くのに必要な物語
存 ....
空が何色でも悲しい手をひらく
あの朝は何を託されたんだろう
あなたの断片が刺さりながら暮らす
存在しないから完璧なつばさ
空想を見ているきみの{ルビ瞳=め}のひ ....
最初から降っているのでいつか止むときまで誰も知らない雨だ。
あたたかい涙も時には流れるということぐらいしか知らないよ。
きみといた星が何色だったかを 昼の日差しに思い出 ....
川柳を富士山頂で書いている
川柳をジャングルジムで書いている
川柳を校長室で書いている
川柳を頭の中で書いている
川柳をお昼休みに書いている
半濁音みたいに澄んだシャボン玉
おとめ座のおとめが座り座談会
読書感想文だけを送り合う
直線に囲われ木々は困り顔
きらきらな直射日光と出掛けてる
生きていることなんて、どうってことないと思う。
なつかしい景色の足跡を辿ると、
遠くの心は満たされていく。
眼の奥で流れ続ける言葉は、わたしの一部に過ぎなかった。
言葉ではない物質がこ ....
青色を静かに想う水蒸気
{ルビ静寂=しじま}のなかでしじみ見る しみじみと
「ふ」と「心」 少し似てるとふと思う
幸せな思い出たちと今日の雨
ぎゃふっ 飛んでく遠いツイート 句点と呟き
ぎゃふっ とんでくとーいついーと くてんとつぶやき
大袈裟に今朝避けただけさ…… 鮭に酒多っ!?
おおげさにけささけただけさ ....
かけがえのない 欠けていく 駆けていく
脳みその乗り物みたいな僕だった
清浄され、静かなシーンとなっている
身体と心の全部が耳を澄ます
ほのぼのとのほほんとした本を読む
蝶のように喋り 蜂のように出逢う
夕焼けの下で朝陽を待っている
他人事みたいに春の傘を差す
雨上がりの紫陽花みたいに話しかけてくれる人だと思った
この手があったか!って言いながらカイロで手を温めたそんな冬
平成最後の夏にいまだ囚われたまま、彼は空を見ている
....
解説されるのを待っている機材
機嫌良さげに青色は空を舞う
穏やかな電気信号に触れている
窓の内側で眠っているボール
微睡みの中 よくわからない場所にいる
誰も覚えてない人の卒業式
モニュメントもにゅもにゅさわるモーメント
寒色の感触冷たいダジャレ言う
文章が文章に文章と文章で文章を文章する
鳴かぬなら鳴かぬなら鳴かぬなら鳴かぬなら鳴かぬなら鳴かぬなら鳴
繰り返す繰り返し繰り返す繰り返す繰り返し繰り返した
存在しない存在 ....
秒針は砂漠の中にとけていく
夜行バスのように星を抱える人
いつも、この手は温かさ放ってる
やわらかいカーテンと世界がゆれる
青色の携帯電話で撮った空
風のように心がまだ動いてる
雲のあいだを歩いてる人と犬
立ち止まっては朗らかに青く澄む
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