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えぇ、ご指摘の通り、これはシベリアンステップの凍土に眠る名もなき独逸の冒険家が手首に巻いていたスカァフです。それはさておき私の話をまずお聞きなさい。





一小節、まだ ....
古くてチープな映画だった

老年の男が安楽椅子に座り
目の前の暖炉と向かい合っている
解きほぐされた火の中で
男の古めかしい回想が揺れている
男はじっと暖炉を見つめている

一匹の蛾が ....
交差点で立ち止まる
君の肩に
桜の若枝が
撓垂れていた

あたらしい通学路に
あたらしい微熱が
恥しげに
淀んでいた

火葬場の匂いのこもる
鉈の重さの
春に


 赤か ....
母が
乳房を膨らませる過程で
ほろほろと
無くしたもの

父が
涙を忘れ去る過程で
ほろほろと
無くしたもの

それは僕です。


光と量子とのけし粒が揺らめく
生暖かい感 ....
手のひらは差し出した
昨日へと潜水し
やがて沈降に向かう
腐った魚を
捕まえようと


そこは夢精の海
繰り返される
日々が溢していった
鈍い光の残像
甘い果肉の歯触りと
悲哀 ....
電車のドアが閉まる

それを見送る

乗るべき電車は
まだ来ない



僕の帰る町にも
やみそうでやまない
雨は降っているのかしらん



「あまりよく知らない人たち ....
駅前の公園で
大人になることをまだ知らない僕は
彼女の帰りを待つ友達のふかした
煙草の煙を吸い込んで
萎れた茎のような心を直視してしまう
どうしようもないから
雲の多い夜空を見上げた
そ ....
Lucyさんの飯沼ふるいさんおすすめリスト(7)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
群像- 飯沼ふる ...自由詩5*15-3-9
エンドクレジット- 飯沼ふる ...自由詩513-10-23
思春期- 飯沼ふる ...自由詩413-5-13
僕です。- 飯沼ふる ...自由詩5+12-8-3
深海- 飯沼ふる ...自由詩312-5-15
駅で待つ- 飯沼ふる ...自由詩509-1-30
夜が遠い- 飯沼ふる ...自由詩508-9-7

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