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空を見上げていた
走ることをやめると 僕は
空を知っていた 僕は
空の下で 走り出すと
忘れていたはずの空を
昔 夜の渋谷で
自転車を 必死で走らせていた時に
誰もいない仕事場へと向かっていた時や
クラブにでかけた時のことを思い出す
暗い 人気のない道の
電灯から電灯へと
僕は見えないもの ....
誰もいない小川に
僕が 釣り糸を垂らしていたのはいつだろう 小川に
冬のある日 釣り糸を
しかし冬の日に小学生だった 僕は一人だった
だけど 今でも僕は川に釣り糸を垂らしてはいる ....
酒を飲んだ翌日
私は あまり 具合が良くなかった
それから 目黒川に向かった
秋の入口のような木々の色を通り過ぎた
会社で問題を起こしたあいつは今はどうしているのか
思い出す ....
私は今日も渋谷にいた
スクランブル交差点の人混みに紛れていた
疲れているときは ただそうすることだけが
私自身を確かにする
今日 友人は予定があるのでいなかった
私はドトールコーヒー ....
夕暮れを見ていた
私に何も思うことは無い
マンションの上に沈んでいった夕暮れ
私は近所の通い慣れた道を歩いていた
久しぶりに見た 夕暮れ
そして 明るすぎる 街並み
子どもの笑顔が ....
シャツ一枚を
買ったレジで 今日
包み紙で包んでくれた
静かな 手のことを
思い出している
机の上の 折りたたまれた
シャツの前で私は
その薄手の紙にそっと触れてみた
オークシ ....
誰もいない日に
私は寂しい目を閉ざした
眠りにつく 二月
外はとても 寒かった
プライドは 持っていたい けれど
東京の 冷たい 風が 私の体を突き刺していた
迷いながら 新宿の路地を ....
何もない日に
眠りに落ちる
思い出が何も見あたらないのに
なぜだろう
さすらいのソロキャンパーだった 僕は
昔泳いだことのある 記憶にうかぶ
テトラのつみ重なった 灰色の向こうを見つめ ....
友達を
失った日に
眠りに落ちていく
ベッドの上
手には でも
何もかもある きっと
ないものとしての
何かがある
自分を
探している時
眠りに落ちていく
ベッドから ....
自分が確かな気がするから
詩を書きはしなかった
寝る時間しかなかったから
詩を書こうとせずにいただけだけれど
そう思わないか
自動車を手で押して
家に帰った 門塀の前
だけどネコがそ ....
ぼやけた毎日
流れる 日常
僕は どこ
40代さ
僕はひとり
殴られたとき
首都高速の窓で
泣いていた
つらい現場作業
二年前の夜
なぜ金を
心を削ってま ....
僕は見る 自分の手を
だけど この肉体には 誰もいない
指紋をじっと見ていた そして それを さすった
きっとこの手にあの人の肌を探した
それは遠くにあったのかもしれない
空の彼方にあ ....
僕は何もない
手離すこの手の 金は
ものの手に入れられない
すでに この手が 手放したもの
君は多くが寂しさ
着飾った 目は 流行の
君の夢を見る
細かな言葉を用いて 目は
....
僕は今日も眠っている
足りないものとは一体何 この言葉は
不確かな僕の心の中に思わされるようだ
僕の目がその奥に今抱え持っているものとして
新聞の見出しを見つめていた
この大 ....
駅に着くと電車が止まっている
なぜだろう
風が強いからだろう
僕は 暇をもてあまして 駅前をうろついた
やや疲れた顔の人たちと向かい合う
飽きた目をしながら見るフィレオフィッシュの掲げら ....
こうして書いていくことだけ
特に 思うことはない
寂しさを紛らわしたいだけ
そう思っていた
そう思うことだけ
過去の自分をうち消していく
得られるものは 何もない
無機質な職 ....
鏡ばかりを見ていた
悲しかった 子供の頃の
寂しかった 思い出が
日没の玄関の彼方に
緑の芝の中で
埋まって そして 死んだ朝
あの頃は
女だった 時間を忘れられた
....
朝もやの中
僕らはどこだろう
ゴミが散らばる
街の中だった
僕らには今
未来の姿は無いけれど
未来のある時代を
思うようにして
死んでいく
僕には何もない
詩の生まれる
世界で
僕はいつも
知る
エスカレーターを登り
街を走る車や
色々な人から話しかけられながら
元来た道の交差点を目指して
恋人と呼べる人は
僕にはもう
いない
そして路地を歩く
そして遠くに沈む夕日を見る
僕は一人
特にあの不味いメシの味を
思い出す
死んだら
帰り道はないだろう
そんなことを考える僕
心の乱れを止められない
女だったらどうするだろうと
思いたくはない 僕は
心の乱れの中で
過去へ向かう
鏡の中で
秋葉原は今日もぼんやりとした欲望が渦巻いていた。かつて起きたおぞましい事件のことも忘れて、僕は歩いていた。まるで夢を見ているかのように歩く人たち。ビルは空の色で空は夏の色をしている。僕もうしろめた ....
僕は夢を見ているのかもしれなかった
オーディオの雑誌を ぼんやりとめくり続けながら
自分の持つべきオーディオシステムの構成について思いめぐらす
そうしている 僕自身は 凡人なのだが
理想と ....
江東区は
人であふれていた
広い公園
子供を連れた人たち
悩むことが
ちっぽけに思えた
平らだった
かつて連ドラで見たような
広場が 広がる
あの一場面のような世界
僕には関係 ....
新宿
人ごみの中
白いウサギが
紛れてた
何も無いと
きっと
わかっていた だけど
エサを探した
社会の
海は
深そうに見えて
とても浅い
ドアを開けると 彼女の髪が
ベッドで上下に揺れるのを 見てしまった
ピンクの 薄いシャツを 照らしてた
あの 白い 部屋の めまいのする
真っ白な 日差し
君は タンクトップで ....
気づけば内定していた印刷会社で
ぼんやりと ひたすら ローテーションワークする
詩をひたすらにノートに書くように
目を刺す 昼の強烈な日差しだけは 二月の初旬は貴重だった
だけど ....