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濡れて花 あざやかに
なびく風 匂い立つ
雨そそぎ しめやかに
夏を待つ 水無月の
その色は 深く濃く
ひかりの雨 纏う ....
汚れた手は
綺麗になるだろうか
泥だけ
色が染み込んだ心は
落ちるだろうか
漆黒
青い箱に入れた
小さな100円玉が
波打つ
モノクロな世界から飛ばした
1つの想い(カ ....
きれいごとばかり言ってられない
ときには口さがない人のことを思ってしまう
ああ、きっとと思い詰めたりもして
肩が凝ってお薬や湿布ではどうしようもなくなる
火の無いところにも煙は立つことをみ ....
魂がふかく傷ついている
わたしたちの身体には血がながれている
魂が傷ついた
そのおなじふかさで
自身の身体に傷を刻んで
いたみを
目に見えるようにする
バランスをとっている
....
何だかいつもより風が強いね
今日は
僕の隣を通り抜ける風が
僕の口からこぼれた言の葉を巻き返し
僕に突き返す
お前の言葉などこんなものだと
僕達の望む未来が
お前の様な風なんかに ....
与えた悲しみが真っ直ぐ還ってきて沈む
摂氏零度付近で繰り返す
憤りと自己批判
つい今しがた晴天だったはずも
霰の降る未熟さ
頭を垂れるつららになれたらと
空を仰いでみた
雪解けの光沢に偽りはないのだが
春の陽射しは強すぎ ....
降れば良い
よどみもさすれば
満たされ以上に
早瀬はなお早く
とがった石も角を丸め
岸にて柳の枝は濡れそぼつ
止まない雨はない
風が言うのだし嘘ではない
....
あるいは鯨の骨 沈殿物 太古の海辺
神殿の蛇 翼竜達の叫び 彫刻のまどろみ
忘れ掛けた部屋 壁にかかったタペストリー
美しく研ぎ澄まされたもの 日常を剥ぎ取る鋭利 独占された愛
失望の日々 ....
ぱすんと音を鳴らし
アイスキャンディーを取り出す
自転車を漕ぎながら
あっこの味あたりだ
今日も一日暑かったけれど
今時分の風が気持ちいいなあと
公園で立ち止まり木 ....
あの紅葉に燃える木の下にいってみよう
あのみどり深い木の下にいってみよう
あの石橋の向こうの赤い屋根の家の窓から
ひょいと顔を出して、世界を眺めてみよう
戻ってきたら、石橋の(絵の中心 ....
いつか交わる平行線がある
し ご と を し の ぎ
こ こ ろ こ か げ に
み え ぬ わ き み ち
と き が と け だ し
美しく病んだ六月の背中で
僕らは夢か ....
あたたかく降り積もった雪の下に埋めた
女になってしまう前の、
何でも言葉に出来ていた少女のわたしを
女になるというのは
自分が一番遠い他人のように感じる生き物に
なる事なのだ
女になっ ....
薄い日常の積み重ね
毎日毎日の積み重ね
ほんの数ミリでも
五〇年過ぎれば一八〇〇ミリ以上
厚みを持って人を越える
人知の及ぶ範囲。
一八〇センチの人の高みは
薄い日常の積み重ね
....
奈落の底から 天上世界にまで突き抜ける滝が
私の体の中に 降りてゆく
これまで
沈鬱がわたしを咥えたまま 離そうとしなかった 私の目の前に
ただ黙って耐えていた私に 滝が現れたわ ....
君が
はじめて私の手を離し
自分の羽根で
よちよちと
はばたいていった日のことを
母は忘れることができない
君はとうに
逞しい翼をひろげ
上空の風に乗り
母には見ることもできない ....
{引用=
街は、いつも
こぶしを振り上げる 動乱のような
非日常を 人の心にやどす
ちいさなネオンの明かりに立つ少女
夜を踏む女の ピン・ヒールの 短い天使の影
....
遠のいた六歳の背丈からのまなざしはもう
わたしだけが知っていて
本当の潮風を忘れ
たやすく唄われる海の風景だけはいつまでも
地球はあおい星だから
その歌たちはたぶん続くのだと
確信して ....
浴槽の栓を抜く
しばらくは何事も変わらない水面
さざ波のそぶりさえない
今 渦中では
見えない引力に導かれ
出口へと
まさに水が
わあわあ殺到しているというのに
ことの始まりは
....
まだボケる余力がある
人生において僕は様々な役を求められて来た今もね
もちろん卒なくこなせる人間ではもちろんないその対極だろう
何かと何かをアジャストすることで随分磨り減ってしまった感性を想う
アウトサイダーにな ....
ひかり草がきょうは青紫を纏い
インク花はそれが気に入らないらしく
いつもより繁殖している
間違えるなと言わんばかり
ひかり草は気がついて少しピンク色を帯びた
あくびを一つしたのはそれは
....
ほら そっと後ろを振り向いてごらん。
どこから続いているのか
ずっとずっと遠くから
足跡がね 道になってる。
時には寄り道もしたし 時には深い川も渡ったけれど
そ ....
開いて
閉じて
開き直る
胸のちょうつがいを
ギシギシ言わせて
自分の扉を開け放つ
隅から隅までよく見てみやがれと
立ち塞がった戸口の後ろで
気弱な本体が震えている
....
からだが重たくなった
体重が増えたからではない
筋骨の硬化・退行が増した だけなんだ
こころがうつろになった
ゆめを無くしたからではない
虹色の四次元が喪失した ....
ある日クローゼットを開けると
床の上に散らばったネクタイの塊が
視界に飛び込んできた
どうしたものか…?と一瞬迷ったが、
とりあえずそのまま扉を閉めた
数日経って再びクローゼットを開ける ....
踏切の横の空き地は草ぼうぼう
傾いた陽光が
影と日なたに草はらを分ける
通り抜けるものの風圧と
しつこい音の点滅にせかされ
ひとあし 踏み出そうとする
幼時の一瞬に接続しそうな時間の震 ....
遠くやって来た風が吹いていた涙が流れた
言葉を失ってさまよっていた時は流れて君に会えない
僕は風の中の塵涙が流れる君は遠い思い出
世界は今日も廻ってゆく音もなくね
時間はなんのため ....
耳のなかに
あらぶる海波が音をたてて打ちよせる
波うちぎわがあって
すぐにきえる影をつくって
雲の列車がゆく
武器をにぎりしめている
ビルのうえには
どこにも ....
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