すべてのおすすめ
鬼の金棒をそっと質屋へ
鏡に向かって
眠気と髭を剃り落していた朝
くたびれた自分の顔に重なるように
ふっと浮かんだ父の輪郭
丸くて憎めない
目の記憶
電車の中吊りは
気の早い春の旅への誘い
オーデコロ ....
ひとつも
うまく言えない気持のする
2月
ぼうと立ったまま
こころのなかで
頁を繰って
見つけます
いとしいかわいいやつら
あなたはもうあなたになりましたか
森の手前でと ....
しゅんしゅんしゅんと
蓋をカタカタ鳴らしながら
やかんがじれている
それを尻目にガリガリと豆を挽く
ペーパーフィルターの二辺を
丁 ....
空に向かって伸びてる道を
僕は一所懸命歩いていた。
歩いて歩いて歩いて歩いた
いつか空に着くもの
と信じて。
歩いて歩いて歩いて歩いたが
空は全然近よってこない。
そればかりか
空 ....
詩人の方へのお知らせ
文章は禁止されました。
ドキュメンタリー作家、ノンフィクション作家、劇作家、小説家は廃業となりました。
今後、詩人の方たちは、ことばを使ってもよい人たちとして
国家試 ....
父の額に手を置いて
硬く冷たい頬をなでながら
最後の言葉を贈る。
「ありがとう、お父ちゃん。ありがとう。。。
次もまた、お父ちゃんの子供に生まれたいなあ・・・・。」
風に ....
真冬のリビングに
玉葱の皮がひらり
落ちている。
昨夜、
母親が手探りで
カレーかポトフーを
つくろうとしたときに
すり抜けたのだろう。
*
浴室で、
....
こどものころの道
それはまだ土を固めたようなのが多かった
そんな道がまだ残っていただけなのかも知れない
そんな道にあった水たまりが映していた空はきれいだった
青くて水色で白くて ....
ひとは、これほど醜いのか
愛は、これほど弱いのか
ただ祈るしかないのか
※2005.7.7 ロンドン同時爆破事件の日によんだ詩
今、一度
冬の蛹が、
春になると、
蝶になって夏に舞う。
心のなかは、
なにもなくなって
風が吹き抜ける。
それでも白いワンピースは
新たなる期待を孕む
生まれては ....
露天風呂に冬と押し込められている
時代遅れの男ブーム
ヒヤシンス
強力に上目使いで
我を見つめる花
急速冷凍と氷畑
どちらが早いか
徒競走しよう
水溜りに埋もれた嘘を
ゆっくりと取り出す刹那
亀の形に成るでしょう
....
一面の雪の朝
私は
兄とかまくらを作る
田んぼ中の
雪を集めて
できました
私たちの秘密基地
しゃがんで入れば十分余裕
通学路からも
はっきり見える
不格好な雪の家
それ ....
ごはんできたよ と 声をかけても
テレビから離れられないでいる
夜の器に盛られた農場は テーブルの上で
少しずつ ふけていく
ブロッコリーの木に
間違えてよじ登った子豚は
降ろ ....
時々思い出す
二段ベッドの下のうすい隙間に
うつ伏せになって潜りこんでいたこと
とても気持ちが落ち着きほっとする
目を細めると
奥の奥へその先があるような
私はぺらんぺらんになって
....
定年退職後4年目のはじめのころ、ある短期集中ヘルプデスクの仕事をした。
二十数名のメンバーのうち、ほとんどが若い人達で、年とったのは私一人。
最初の一週間、ヘルプの知識や電話応対の研修があっ ....
かわいい字で書かれた不幸の手紙に怯えている
光のあたらない
すみっこにこそ
きらりと光るものが
ひそんでいる
目立たなくても
すみっこの力を
侮っ ....
ふしあわせは
雨のように降ってくる
不穏な空から予定通りに
稲妻をともなって突然に
傘も持たずに
ぼんやり歩いている時に限って
ふしあわせ予報ははずれて
私の思考と良心はずぶ濡れ ....
外葉をめくったら
白い小さな亀がい
て、脱皮直後の未
防備ゆえのその純
真な甲羅にしばし
じいっと魅入る、
命あるものはみな
平等にそんな生ま
れたてがあった。
....
今があまりにも眩しくて
もう、過去を活かしたくないんだ
今があまりにも美しくて
もう、未来を迎えにいきたくないんだ
閉鎖的と言われても
この今から溢れ出す躍動感を ....
それは今川焼や大判焼と呼ばれるもの
その店というか屋台のような小屋
初老のおじさんとおばさんが
たこ焼きとたいこまんじゅうを売っている
一個八〇円するけれど
いつも五〇円になったり
....
今日も街を行き交うひとびとの影を踏んで歩く
一瞬にして微塵に還るもの
止めどなく細く長く伸びるもの
軽く薄く風に舞うもの
ときどきそれさえも無い人に出会うが
それも街の雑踏の風景の一 ....
スルーしたいラブレターに返信用切手
君が左腕を僕に差し出す。
痒いの、掻いて
君は右手が使えない
痒いのだが右手で掻けない
僕は指を立て君の左腕を掻く
とっても白い左腕を指で掻く
掻いている間中
....
おびただしい雫という雫が
都市と都市の間で あらゆる物と物の間で
たがいに伴を呼ぶ
満月のような視座で みえないその糸に命を与えようとしている男のポエジは
蜘蛛の意図のよう
雫と雫がつながり ....
おでこに記念切手貼って口頭で伝えている
私はちょっと出られないな
きっと
出られない
今さら
とってつけたように
気づく今までは
出られるって信じてたのか
出ようとしつづけることに
意義がある
なんて思っていたか
....
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