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通販で購入した商品を開梱すると
梱包用の発泡スチロールの厚い板が入っていた
不燃物ゴミは来週の火曜日まで捨てられないので
小さなリビングにそのまま置いていた
1m四方程度の発泡スチロールの ....
夕闇が嫌いな人たちは
原子力でそれを追い払う
宇宙から見る日本列島は
真夜中でもくっきりと浮かんで見える
世界中で一番明るい列島
誰がそれを見つめるのか
数十人のアストロノウツ ....
考古学博物館で印象に残ったのは
ペンダントの形の小さな昆虫 だけど
その姿を 近所の空き地で探しても
それはどこにも見つかるはずもなかった
青銅器の鏡を前にして立ち
じっと見つめていると ....
いつでも
どこでも
どんなことに出くわしてしまった時も
わたしは大丈夫じゃないままに
受け止めてくれている大地がそこにある。
たおれてしまっても大丈夫なんだよ。
すぐにたちあがれな ....
ゼミ旅行が4カップルと俺の9人
売られたケンカを買う暇がない
疲れ果てて
ひとりでボーッと昼飯を食べていたら
タカエちゃんから
ちっちゃな人形をもらった
富士子ちゃん?
えー知らないんですか〜
コップのフチ子ちゃんですよ〜
コップのフチ ....
4つうえの姉ちゃんの本棚には、(ホットロード)と(瞬きもせず)しかなかった
たまに学年成績トップとかの姉ちゃんは、本棚に紡木たくしか置かなかった
こんなの読んだらオカマになると思って僕は読まな ....
目を瞑って鍵盤にそっと乗せるだけで
軽やかに舞い始める私の十本の指
やがて目の前にお洒落なショパンが現れて
揺れる私の肩をそっと抱いてくれる
「お母さん、私ピアノを習ってみ ....
雪解けを待ち切れず
雪の中に芽を出してしまう
だから雪を早くよけてやろうとして
芽をちょん切ってしまったこともある
苦い記憶
切られた芽は花にならない
でも次の年には
必ず芽吹く
....
度の強い
あなたの眼鏡をかけると
そこは二重の世界
レンズ越しの
歪んだ世界
たった一枚のレンズで
私の世界は歪んでゆく
人の顔も表情も
喜びも悲しみも
全 ....
青天の霹靂
風神
雷神
天の声
大太鼓と小太鼓を打ち鳴らし
祭礼は始まる
天を仰げば
天が撒く雹に頬を打たれ
冷たく痛い神異を受ければ
己の未熟を思い知る
我 ....
水のなかの空
浪はひとつ吼え
蒼に倒れる柱
遠い遠い土けむり
鉄路の終着
痛い緑
池を割る花
色にそよいで
井戸が連なり 蛇になり
午後の陰をすぎてゆ ....
電源落として蜜柑2つと大きめのブラ
泥だらけのワンピースが画面で乾いていく
「その部分ををクリックしてください」
極めて具体的な意味で関係ないから軽く死ぬ
すごく愛してくれたから許す
「わたしは今日もずっとこれからもしあわせだっ ....
これは きのう
こっちは きょう
どうしてこんなにささくれが多いのだろう
ぼくの
サキソホンから
そんな
ぼやきの声がきこえてくる
*
....
緑の勢力図は
放り投げた紙くずにさえ
影響される
その草いろをゆらめかせる
ゆらめき
のなかにまたたく花々
広大な領域を
おしやられ、おし広げるのを
わたしが傍観したように ....
最近の子供は、外で遊ばない。
だからだめなのだ。
体も、心も、社会性も育たない。
家の中で、しょっちゅうゲームとSNS。
昔はこうじゃなかった。
最近の子供は、まったくだめだ。
■
....
コツコツコツ深夜の足音
ゴソゴソゴソ深夜の物音
何をしているのだろうと
訝りつつ目覚めれば深夜
安眠を妨げる足音や物音
決まった時刻に乱される
ドアを開け見渡しながら
誰もい ....
座禅
靴下を裏返すように
自分の端をつまみ
引っ張ってひっくり返すと
私は
闇に包まれ
遮音され
触覚も
痛覚も
温点と冷点もなく
声を出すことも
食べることも
匂いを嗅ぐ ....
破裂した精神から
無数に咲き乱れる
色とりどりの気球
大気圏を目指すアストロノーツ
「僕らはこの星の火傷そのもの
剥離する瘡蓋だ―― 」
――なのに捨てきれない!
抱き寄 ....
誰もが夕暮れには傾いて見える
家へ酒場へあるいは虚空へと
夕暮れに姿勢がいいのは
電信柱と案山子だけなのかもしれない
僕はきみに傾いてゆきたい
いつかきみの傾きとぶつかるまで
アリスは うさぎに
不思議の国に
連れて行かれた
私は うさぎに
お馬の国に
連れて行かれた
アリスの場合
お膳立てしたのは
少女趣味の数学者
私の場合
お膳立てしたの ....
昔の駅は博物館
万世橋は筋違い
薄闇まぎれて広小路
人波揉まれて日本堤か
ツツっと向かう大門へ
朝、明け方まで夢うつつ
今年もつばめがやってきた
帰ってきた
と言う
うちで生まれたつばめや
と言う
小さいな
よく動くな
と話す
話し合う
家族
という言葉を
改めて感じる
春の我が ....
いまは幾度めの春なのだろう
遠い昔のような
つい昨日のような
子供たちもそれぞれに
この世界のどこかへ
紛れていった
いまも日々の食をもとめて
彷徨う身にも春はやさしい
な ....
空がこんなに青いのに
死にたいと嘆く 冷蔵庫101号室に住んでいるレモンなんてジュースにして
空のそらぞらしさなんて
御構い無しに たわわに実った 金柑の実を小鳥のようについばんで
よもぎのパ ....
君に会えないその時は
花でも摘みましょうか
それとも窓辺で
恋歌でも歌いましょうか
花占いももう飽きた
君は{ルビ何処=いずこ}の空の下
誰を待っているのでしょう
さらさらさらさ ....
音なくひかりだけで
さくらが爆発している
いきものたちの銀河
散ってゆく
さようなら
いきものたちの銀河
さくらが爆発している
音なくひかりだけで
....
三月のかた雪の上を歩いて
湖を行くと
半分水につかったまま
凍りついた樹の枝に
ふくろうがいた
ふくろうは目を閉じていたが
やがてゆっくり見開くと
私をみつめた
ひらべったい猫に似 ....
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