すべてのおすすめ
眼を
口を
戸を
窓を
蓋を
缶を
鍵を
扉を
店を
シャッターを
開けまして
部屋が
体が
スケジュールが
空きまして
仕事に
テレビに
恋に
ゲームに
....
折り紙を折るその指先は
あどけなく、いつも湿っている
クレヨンを持つその指先は
つよさを隠しもっている
あした晴れたなら手をつ ....
雪 ひとひら 舞い落ちる
静かな 夜に
雪 ひとひら 舞い落ちる
涙にも 似て
雪 さらさらと 風に舞う
冷たい 夜に
雪 さらさらと 風に舞う
血液にも 似て
....
雪の降る日に、{ルビ姉=あね}さんは
半年前の忘れ物を取りに来はった。
今朝、思い出しましてなぁ。
そういって、姉さんは
その日傘を抱えて帰りはった。
なんで、こんな日に思い出したん ....
キミが放っておくから
ボクはすっかり錆びちまって
ダッシュボードの上は
白い埃が積もってるけど
ベイべー、雪合戦するほどじゃない
底意地の悪い奴は
どこの世界にもいるのさ
ヤワな雪玉に見 ....
どうして自分を傷つけるのか
そんな必要はないんだ
月を殴れ
月へ手を伸ばせ
傷つけ血を流さなくても
流れているんだ
動脈静脈を流れているんだ
酸素を多く含んだ血液が動脈を流れ ....
アルモノヲナイモノノヨウニ
ナイモノヲアルモノノヨウニ
カタルモノニカタラセズ
カタラナイモノニカタラセヨ
時の澱み
虚無の沼地
透明な不発弾
スイカばかり食べていた記憶の夏
....
¥777のレシートでガムを捨てる
いそぎ足でやってきた
冬が
粉砂糖みたいな
パウダースノーを
街中に降りかけていった
私の黒髪にも白く積って
ガトーショコラみたい
綿菓子みたいな吐息が
凍える指先を温める
北風 ....
誰もがあなたを甘やかすから
気づけばすっかりぜい肉がつき
顔の周りの
柔らかな毛をつまんでみる
味気ないドッグフードだけ食べて
長く生きるのと
体には良くないけれど
美味しいものを食べて ....
旅に疲れて透明になる夜
また生き延びて春の匂い
押し付ける事の意味の無さは
君の拒絶が証明してくれるから
遠いところで嘲笑ってください
ふすまを隔て、聞きたくもない
色んなものが割れる音は
眠りの質を下げるから
両手を奪わないイヤホンで ....
紫の葉が落ちた時
生まれた頃の泣き声は還らない
腐敗が始まった土壌で
夢は悪臭を呆然と放って歌は枯れていく
耳の役目を終えた貝殻を二つだけポケットに仕舞い
少年は東へと永遠に消え ....
木目の美しい一膳の、
箸に惚れた
色香を漂よわせ
朝に夕にと
おいしいものたちを
口に運び入れ
わたしに感謝の咀嚼をせが ....
風景がちがう
あなたがいないだけなのに
ただ、いないだけなのに
もったいない と
みっともない が
朝から口論している
板挟みのわたし
ポカンとしたくつ下
《時間がないのに:2015年1月10日》
お父さんは近頃おもしろくない
洋子の微笑が何よりおもしろくない
あらためて増えてもみた透けてもみた消えてもみた
しかしそのたびに穏やかに見つめてくる
かの慈母のような微笑が
はな ....
それは鉛の重力で
垂直に私を引っ張るので
テグスに結び付けられた浮きのように
私は
水面に立っている
もうふわふわも
ぐらぐらもしない
磁針のように空を指し
己を標として生きるのだ ....
田舎からダンボールで送られてきた
白菜、大根、里芋に 手紙
走り書きで 手入れが行き届かなかった、という
詫び状が 一通
私が手伝っていた畑 耕していた土地を離れて
間もない冬 ....
【大草原の星の王子様】
いつしか はだかになれない自負が
少年を呼び寄せたのだろうか
ひつじの絵を書いてと言われて
ツノを書いてしまった
ダメじゃんぼくの星で おじさんの思い ....
冬空は鈍色の曇天
銀杏の並木は
隙間無く黄色の絨毯が敷かれ
気持ちよく歩こうとするが、
坂道は滑る
雨の坂道は滑る
人生の平面図には
坂道が読み取れず
確かに坂道があるのは
当た ....
ほどよく乾いた小枝や
抜け落ちた羽根や
通り過ぎていった月日の
さまざまを
ちりばめておく
もうそこは
きみのねぐら以外のナニモノでもない
広い宇宙のなかで
ただひとつだけ
選ん ....
重い門扉と高い塀
黒い真綿にくるまり
闇で安らぐ一羽の鳩
塀に絡まる蔦に捕らえられ
動けなくなった一羽の鳩
一本の矢が刺さっている
矢は吉兆なのか 不吉なのか
それとも幻影なの ....
夜が降り続けている。サラサラと、粉雪のように降り続けている。人々は夜を一身に浴び、結局何も洗い落とせないことを知る。夜は何も洗い落とさない代わりに、ただ過ぎていく一日の最終行を書き続ける。 ....
普通にしてるのに
涙が流れる
無味無臭の
ガスにやられるのだ
連絡を絶つ
息をしてる
普通にしてるのに
発作で夜中起きてしまう
薬を飲むと
楽 ....
夜を駆逐しよう、潰れた声でも上出来だ、上げない声よりよっぽどの価値がある、夜を駆逐しろ、生温くまといつく夜を、魂の息の根を止めにかかる夜を、潰れた声でも上出来だ、噛みついて引きちぎれ、おま ....
満たされない心でわたしが死ぬ日
糸の切れたマリオネットみたいに
小さな舞台に沈むとき
スポットは落とされ
たった数行のエンドロール
短い悲哀の微かな拍手が
最後の疎らなひとつの合掌が
過 ....
怖い時代になった
その日起こったことを
テレビが正しく報じなくなった
日本で暮らしている外国人が
自分の国籍を言えなくなった
放射能のことを口にすると
頭がおかしいと言われるよ ....
おやすみとさようならが相槌を打つ
今日あったことは内緒にしよう
玉手箱にしまっておいて
一年後おはようとこんにちはに開けてもらおう
おはようとこんにちはがその計画を
未明のうちに知り ....
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