太陽に撃たれてしまった今日という夏が私を浄化していく
反乱の白い日傘を青に塗りわたしと空が同化する夏
「その花を頂きます」と来る予告、たぶん夏には盗まれている
風鈴の ....
くりだした 舌のさきを
くいちぎり きんいろの
鱗を ふりこぼしながら
ゆうやけ雲の むこうへ
逃げこんで いきました
お盆には
天より魂が還るという
亡き親友よ「おかえりなさい」
銀色の太陽が照りつける夏があり
それはもう
うち震えるほどの悲しみに満ち溢れているのだが
私には震えることが許されていない
この夏の中では
私は銀色の太陽に烈しくうたれて
鋭く濃い ....
ひとつの 荒野のおわりに
名前もしらない 月の花が
ほそながい 清潔な
首を さしだしていた
火を消して ねむった
{引用=
***
}
ラ. ラメント
風、蕭々と吹くばかり/か
泣いているのかと思えばそれは
馬頭琴であった
海から遠いというのに
天地逆転すれば
空でひと泳ぎできるものを
土 ....
八月が終わらなければいいと
願っていた
そのときわたしは
小学五年生で
朝顔を上手に育てることが出来なかった
そして
支柱にぴよぴよと巻き付いた
枯れた朝顔に
まだ毎朝ぼんやりと水 ....
雨のなかに
すむさかなを
優しいひとくちでは
描けない
まだ
飲み干したはずの
模様がいつまでも海、で
花びらに
ふるえる風の光と影
それはもう
はるかに見失うよう ....
みんなはすぐ
「今日はなにもなかった」っていう
ハロー、ハロウィン、ハローワーク
ハロー火星人
そっちもなにもないのかい?
ヘルツを合わせてよ
僕ら
すぐに受け取 ....
夏バテの深海魚が
歩いている松の木に
君の手が植わっていた
それが非常に涼しく見えている
齧られた世界に
君の唾液が混じっているかと思うと
それだけで明日のことは考えなくて済むし
虫 ....
{ルビ冷奴=ひややっこ}夜が大きい{ルビ他所=よそ}の街
41
市民会館の大ホールを
ゼリーは満たしていた
屋外では雨が
土埃の匂いを立てている
観客の思い浮かべる風景は
みな違っていたが
必ずそれはいつか
海へとつながっていた
....
部屋の中で
結実することのない植物の鉢植えが
かたむいて伸びきっていて
高架下のスーパーマーケットには
南の島でもがれた果実が並んでいる
光にとばされた道路の上から
ガラス越しにくわえ煙草 ....
31
世界が坂道と衝突する
アゲハチョウの羽が
誰かの空砲になって響く
内海に
大量のデッキブラシが
投棄された夏
遠近法のすべてを燃やして
子等は走る
....
21
カレンダーを見ると
夏の途中だった
日付は海で満たされていた
子供だろうか
小さな鮫が落ちて
少し跳ねた
恐くないように
拾って元に戻した
22
フライパ ....
あなたは私を見抜いてるでしょ?でも私は気にしない。
自転車で並んで走るっていうのはいい。歩道を並んで走るととっても迷惑でごめんなさいって思う。
自転車で並んで走ると手をつなぎたいって思って ....
金曜日の青ピーマン
尖らない鉛筆の先っちょで
膨らんだ水風船の腹を押す
明日からはお休みで
学校は眠りについて
笑い声の記憶にまどろんでいく
廊下の本棚の辞書が流す涙は ....
11
ジャングルジムの上で
傘の脱皮を手伝う
またやってくる
次、のために
海水浴の帰り道
人の肌が一様に湿っている
12
ピアノを弾くと
鍵盤がしっとり ....
言葉は、時々、海に似ている。ひとのそれへの扱い方が。
何でもかんでも投げ込んだり引っ張り出してみたりした挙句
何かあるや否や「言葉って難しいですね。」
ひとよ、それは言葉のせいなのか。
....
するうりするり
溶け込むようにひいらり舞った
{ルビ幾許=いくばく}の後悔とともに
柔らかに受け渡す
{ルビ凪=なぎ}の合い間に
ゆれる{ルビ八足長=はっそくちょう}
舞い上がる
....
「序詞」
ゆりかごの中で
小さな戦があった
理不尽な理由とプラントが
長い海岸線を覆いつくした
けたたましくサイレンが鳴り響き
その海から人は
眠りにつくだろう
....
庭土が連日の梅雨で 満足げに
雑草まで育てている
庭木も梅雨の晴れ間で 満足げに
みどりの息を弾ませている
そして 生垣の隙間には
....
雨音のぱたりぱたりと心地よくけぶる視界にひらく番傘
匂やかにすみれ花咲く
白い星を押し{ルビ抱=いだ}き
夜の{ルビ水面=みなも} さざめきだち
{ルビ朱=あけ}にめくれてゆくまで
雨やみて雲雀の飛んだ水たまり
何を見て驚いたのか鯉のぼり
紫陽花がたくさんのいろ人みたい
桃をむく香りと北へ寝台車
空目指し向日葵たちが背比べ
アリが来てわたしの足を ....
耳に雨音
瞳に滴
触れるたび
肌はやわくなってゆく
身じろぎもしないで
硝子一枚に隔てられて
雨に囚われているのだろう
雨を除ける力など
もってはいないから
ここでじっとしている ....
光合成が不得意の僕らにまた夏の陽が降り注ぐだろう
屋上のベンチに座り互いの塩分濃度を確かめ合った
生き物の忘れていった生ものが機体の上で腐りかけてる
メデューサが美容院に ....
バスに乗る
名前だけが剥がれていく
何かの間違い、というより
むしろ略式でも正しいことであるかのように
良かった、わたしたちは
バスに乗られることがなくて
席に座り
バスの一番 ....
こんな世界に眠れる夜なんかあらへん
目ぇ覚めんのか、覚めてへんのか、それとも冷めたんか
そんなこともわからへん
お前がおらんとあかんのや
山しかないようなとこやった
山の向こうに何あ ....
好きなところを数えるのは
大天井岳のてっぺんで星を
数えるようなものだから
その暗闇まで含めて
全部が好きなんだ
そしたらあなたは私を
うそつき、と言った
ほんとうには
遠かっ ....
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