チョークの淵を遊ぶ子
意味のない歌を歌う
それはそれは怖ろしい歌
それは 怖ろしい歌
ひとつだけ覚えている言葉
「真昼の月を描きなさい
力は要りません
知恵も要りません
....
手をつなぐように立ち並ぶ
銀杏並木の下を歩く
影踏みをしながら
陽射しを避けて木漏れ日をぬう
揺らめくカーテンの折り目に隠れるように
柔らかい幹に身体をあずければ
背中から伝わる
静 ....
体内で放電する君のその電流の一本一本を
僕は写真におさめて少しでも
両手に抱え込む努力をしたり してみたいのに
君がよわよわしくほとばしりを見せれば
僕はいつだってかるがるしく口にしてしまう
....
峠には若い糸杉の木が一本生えている
すっくと立ち、
天を指差して
糸杉の木が、生えている
峠の糸杉から少し離れたところに、
朽ちかけた切り株がある
....
乱反射している飛沫に映るきみ刹那に過ぎ行く夏のはじまり
六月を雨の季節とたとえれば花嫁たちのヴェールは時雨
水の中の八月だから転校すきみの街までクロールでゆく
ひたいから ....
ごめんね、わたしといるとつまんないよね
ほんとう、ごめんね
つかれるでしょう?わたしといると
だって・・・
なにしゃべっていいのか、わからないんだもん
だから、つまんない ....
ごうれいをまつ鳥のむれ
いえじをいそぐくるまの列
あかにてんじたそらの端
ぽつんとひかるよくみる星
あせのにじんだ手のひらを
くれないいろのひかりに透かして
すこしだけ夕ぐれに ....
神様なんてヤツがいるなら
そいつは
なんてひとりよがりで
ワガママなんだろうって
君だって
それはずっとわかってて
だけど
どうしてボクらは祈るのだろう
何に対して
ひざまずくの ....
冷蔵庫が空と意味の境目を走る
洗濯機は今日も何かを言いそびれている
昔、電子レンジで猫を乾かそうとした人の話を
聞いたことがある
まさか自分がその当事者になろうとは
炊飯器が黙祷を始めた ....
いろんな気持ちを煮込んでいたら
すっかり煮詰まってしまった
僕はふつふつと夜にとけてしまいそうになる
お腹もすかない
最後に口に入れたものは何だったか
そんなことを思い出す気力もない
....
静かな朝には開いていく
手のひら
両手で作った部屋に
吐き出せるだけの息を詰め込んで
冷たい朝を胸一杯に仕舞う
これ以上ないというほどの儀式
つま先が浮くほどに
ここから一日にな ....
− 素子へ、特別版 −
子供の頃は戦後のモータリゼーションが
発展し始めた時期で
うちの車は初代パブリカのデラックス
その頃は車のグレードと言った ....
竹の子を探す少年少女らを囲む竹林千本の闇
ウミウシという生き物がいることもやがて知るのか二歳の娘
あの日きみが嫌いと言った茄子を見て疼くこころのむらさきの痣
たこ焼きのた ....
また
いつのまにか眠っていた
集合住宅のリビング・ルーム
日に焼けたレースのカーテンが風にゆれる
レース越しに
ときおり
この集合住宅のこどもたちであろう
歓声が
きこえる
....
日が昇る空を見て
わたしは毎日
あなたを想います
日が沈む空を見て
あなたがわたしを
思い出す日はありますか
水色の影を落とす
電信柱の
間を縫って
歩く
一歩前進ニ歩後退
赤く染まった
電信柱の
影を拾っては
投げ
歩く
一歩前進一歩後退
白く輝く
一番星の
....
まるで音符が吸い込まれるように―。事実、その場末の酒場で
指を走らすピアニストの鍵盤からは、音符が飛び出して
少年が手にしていた小さな壜、砂時計の形をしたそれに閉じ込められる。
テーブル ....
目印が欲しくて
この白い足首に巻きつけた
アンクレットはなかなか千切れない
輪郭をおぼえるほど
見つめ続けたつぶら
次にすることが分かるほど
繰り返した方法
....
大江戸線のホストは
千代田線に乗ることができない
みどりの色の
まぶしさにうつむいて
落ちていく
その先に
大江戸線のホストは新宿で降りて
それから
鼻をかんでみる
する ....
0
プラズマ
プリズム
スコープの内側
気を失いそうなくらいに
星空だけがキレイだった
1
キラキラと一本に光をうける溝のなかをビー玉が転がっていく
....
初夏の夜、首が痛くなるほどに
高い空を見上げて、
あれがかんむり座だよと、
いつかそう教えたのに、
あなたは忘れてしまった。
七つの星でできた王冠を、
あっさりと投げて捨て ....
どうしようもない高層ビルが砂煙あげて物静かに崩壊していった。それはいつだったか、たぶん去年の五月のことだ。もう終わってしまったゲーム盤の上で人々は右往左往していた。怒鳴り散らしていた頼りがいのある審判 ....
猫が空風の空き地を歩いている。空耳。夕暮れのネックレスはもうすっかりラピスラズリの感触だ。味わったはずのコーヒーの苦みは、いまやどこにいってしまったのだろう? 透明な連鎖。青ざめたトルソが、臍のあたり ....
その名残はもう届かない位置で
懸命に手を振りながら明日に挟まれていく
折り重なり、押し寄せる毎日の隙間
風化する
足跡はもうどこにも残っていないから
辿ることも
手を伸ばすこと、も
....
忍者になりかけてから
将来が心配になったので入ったのが大学でした
ここにはもう
学者はひとにぎりしかいないみたいで
あとはみんな
商社とか出版社とかに行くようです
父が忍者だったことを思い ....
{引用=
昼の月が
しらけた顔をして
朝からずっと僕を見ている
虚しいなどと言ったら
すべておしまいでしょ
と君は言った
おしまいでいいと
僕は思った
やがて
....
かなしみたちがあつまって
ぼくのまわりをぐるぐるまわる
ぼくはなるべくとおくをみて
だけどこきゅうがあさくなる
よろこびたちがあつまって
ぼくのたましいをふくらませる
....
沈みかけた夕日に
灰色のカーテンを浸せば
世界は爆発する
*
うつくしい言葉を残すのはやめろ
あれは悲しみで あれは俺じゃない
くつ下を脱いで
滑り込むシーツの上
夏の夜はいつまでも宵のように
生物の気配がして
そのまま朝が来るのも惜しくないような
夜更かし
ああ
柵の無い頃はいつ来るの
この季節はいつ過ぎ ....
片手でもてあました春にさよなら
できない できないことばかり
ゼリーのフタがうまくはがせなくて
すこし、いらいらしていた
わたしわらうから
わらうから
センチメンタル
ス ....
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