黒いドレスの少女の目差は
夢を射貫いて遠く羽撃く

永遠に透けた墓場へと
涙のあとが堕ちてゆく

約束のための雨垂れが
含んだ土へと帰る

私は時を経て
最果てに芽吹く

お早 ....
薄墨を流したような目の下の溶けるマスカラ 涙じゃないわ

難しい顔をしながらバーボンを語る男に惚れてみた夜

たまに出す声が真紅にそまる時 青白き夜明け 雲を見ていた

トレゾワの香りを君 ....
好きなものを頼みなさい
メニューを渡すと
娘はしばらくうつむいて
星が見たいと言う
隣のテーブルにバスがいたので
手を繋ぎ乗る
ひとつ前の停留所で
サーカスを見るために
大半の客は ....
カーマイン、スカーレットにマゼンタの三人の魔女空で焼かれた


瑠璃色の勿忘草はまみどりに染めたの白をあきらめたから


人魚にも羽はあったと焼け跡の肩甲骨をさわった指で


当たり ....
その葉の一枚の中に
暖かさが流れていて


触れて私は
その流れの中に浮かぶ




けれどいつしかその葉は
私の中にあり


暖かい場所を探しながら
 ....
冷房のままで空き地に棄てられし軽トラックが消えた秋の日


足首に薔薇のいばらをくくりつけあなたはをどる秋と告げれば


ほとばしる滝の飛沫の花びらを浴びるあなたの背骨が欲しい


 ....
目をさますと
雪のように朝が降っていて

やさしい手順で
呼吸をおくる
あなたは

まだ
夢の体温で



きのう

よそゆきの服がでてくる詩を
読みました

愛とよ ....
幼い頃のひとり遊びの記憶は
影となって私に纏わり
誰かを愛そうとするたびに
耳元で呪文を投げかける

楓の色づく様を
薄の頭をゆらす様を
人と分かち合うやすらぎを ....
たもつさんの詩集が届く。注文してから、すでに2ヶ月が過ぎていた。発送元には何の罪もない。メールで注文したのはいいが、自分のアドレスを間違って入力していたのだ。いつまでも連絡がこないはずだ。ネットは、す .... シャーペンの芯が出てこない
シャーペンの芯が出てこない
シャーペンの芯が出てこない

でてこないでてこない
ひたすら親指が動く

出てこないでてこない
詰まった

先端を回してあけ ....
(行ってらっしゃい)
宇宙の森で生まれた あなたと

あなたは今頃どの辺
七丁目の角かしら
目的は果せた?
わたしは洗濯をすますところ

留守のはざまで
不透明な静けさを淹れて飲むと ....
いつのまにか
あなたがいなくなることが
いつのまにか
怖くなっていて
それは
幾日もの
あなたと私の
笑顔の証

とても不思議なことに
朝はいつも訪れる
目が覚めると
朝は ....
傾くピアノの黄昏の
透明なオレンジの
一滴が
空に
しみてゆく



そうして
トタン屋根の宇宙では
魚たちが
泳ぎはじめるのだ





どうか
明日も小鳥たちが ....
眠れない夜の少女
夜は少女に小さな嘘をつき
少女は静かに夜に眠った
次の夜
夜にかかった虹を
少女は見た
夜はいつだって蒼く永い
それだけでも
少女は良いと思ったけれど
そっと渡って ....
新幹線のぞみ22号で
トンネルも
山も
街も
風景をシャッフルだ

ああ
僕は恋人に逢いに行く

携帯のメールも
僕のはやる心も
空に弾けて
砕けそう

銀緑の光線が
四 ....
魚屋さんの奥さんは
ブロッコリーが好きなので
サンマがよく売れた日は
たいそう機嫌が悪い
なんでもサンマはカリフラワーだそうで
ブロッコリーは明太子だという話だ
奥さんは旦那さんに
 ....
ひとつ告白しますが

私はキツネです。

この頭脳は

随処で都合よく化けて人を欺くように

精緻にプログラムされています。


ひとつ明らかにしますが

あなたはタヌキです ....
あれはきっと
生きものが群れている音だ


口をすすぎ
顔を洗う
そんな朝の水で


生きるために
毎日タマゴを食べる
塩の加減は
これでよかったかと自問する


 ....
はばたき

今日もきこえたんだ
きのう
コンビニからでたときも
ちょっと
だけ
きこえたし
おととい
電車に乗る前に
そらを見上げたときにも
すこし
だけ

常にはきこえ ....
街を歩いていると
「幸せのために祈らせてください」
とか言うヤツが近づいてきたりする

オレは
「僕の方こそ祈らせてくださいますか?」
と言った

祈り合い合戦勃発

辛くも勝利
上りの通過列車が
雨上がりのプラットホームを過り
色褪せたベンチの水滴を
さらってゆく


少し欠けた白線と
凸凹黄色のタイルは
きっと黙って
それを見ている


プラットホー ....
よく晴れた日
ハンガーに吊るして
自分を干してみる
きっと人はこのように
優しく干からびていくのだろう
水分も記憶も失いながら
+

鏡に向かって
笑う
そんな嘘
ばかり ....
いつも 足りないと
つぶやくような目で
半透明 だった
校庭も
平たいホームの直線も
影をうばうばかりで

屋上にでるたび
そらに 手をひたして
紅くそまった冷たいゆびを
にぎ ....
改札口にて
お待ち申し上げております


行き先を
詮索したりはいたしません
どうぞ
ご安心を


あなたがここを
通過してゆく事実のみ
確かめさせて頂きたいのです ....
ひとりになる
そんなことは結局、どこにもないのかもしれない
はぐれがちになる秋の、空の一片は
また明日と手を振るように
ぽっかりと抜け落ちている

秋の
すっと高くなる人たちの
忘れ ....
朝の空気は
ひんやりとして
あたらしいいのちを
送りだす
遠くから聴こえる
鳥の声に
遠くで暮らす
母の足音
滲んでる

{引用=耳を澄ます}
朝の空気は
瑞々しくて
白から ....
アースジェットが
秋のはじめになってもまだ半分くらい残っている
しゅーと夏を吐き出してみる
秋はそんなところから始まる

ぼくは割り算を高い空に置く
割り切れないことは繰り上げるのか
繰 ....
 ねじまげられた心の滑走路
 遠くまで飛べなくなってしまった
 黄色い太陽はタマゴのキミ
 一度食べようとしたらやけどした
 大きな荷物を背負って
 友人は異国に旅立った
 誠実で唯一 ....
イチジクを手にとる
あなたの背中を思い出す

いつかの電車内で振った
人体骨格のねじれた手首に
無邪気な笑顔でこたえた少女
そこにみだらな星はなく
鮮烈なスタッカートが鳴り響いていたので ....
(その1 時計屋のおじさん)


裏通りにある時計屋のおじさんは、まるで手品師みたいに器用だ。

おじさんの大きな手からは想像もつかないような、ちいさな部品をちょこちょこといじると、さっきま ....
望月 ゆきさんのおすすめリスト(3220)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
上陸- こしごえ自由詩7*05-10-9
10月9日の- 一代 歩短歌2*05-10-9
小詩集「書置き」(四十一〜五十)- たもつ自由詩12*05-10-8
火日- ソマリ短歌9*05-10-8
- 松本 涼自由詩5*05-10-8
early_autumn- 本木はじ ...短歌805-10-8
式日- 簑田伶子自由詩13*05-10-8
風葬- 落合朱美自由詩42*05-10-8
こっそりと白の時代〜たもつさん詩集に寄せて- umineko散文(批評 ...18*05-10-8
心音- 眠離自由詩3*05-10-7
お留守番- こしごえ自由詩12*05-10-7
しあわせ- いとう未詩・独白16*05-10-7
あしたへ- 青色銀河 ...未詩・独白605-10-7
夜の虹と「少女」- 第2の地 ...自由詩505-10-6
シャッフル- けんご自由詩605-10-6
魚屋- 仮名自由詩205-10-6
キツネの自問- ブルース ...自由詩5*05-10-6
潮騒- yo-yo自由詩305-10-6
ふわりの- かぜきり自由詩2*05-10-6
祈り- マスイジ ...自由詩7+*05-10-6
路線区- 銀猫自由詩11*05-10-6
小詩集「書置き」(三十一〜四十)- たもつ自由詩1705-10-6
うしあめ- はな 自由詩13*05-10-6
改札口にて- 千波 一� ...自由詩41*05-10-6
はぐれる空も、見送る人も- 霜天自由詩1205-10-6
朝の祈り- 未詩・独白13*05-10-5
omoidetosite- tonpekep自由詩14*05-10-5
夜への用意- 炭本 樹 ...自由詩9*05-10-5
映日果(イチジク)- こしごえ自由詩12*05-10-5
シリーズ「おじさんと僕」1- ベンジャ ...自由詩9*05-10-4

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