薄紙は
とても破れやすいから
私はいつでも
言いなりになる

ことばの数だけ
肌を重ねて

ほんとうの恋は
最初だけだと
いつのまに
私は気付く

あとは
薄くなぞるだけ
 ....
炎昼を赤子の声で鳴く蝉や

誘蛾灯十枚の爪かかりけり

泳ぎきし手足を埋めて砂の城

真夜中の汗つま先へ到達す

扇風機ふいに大きく頷けり

蟹踏みし踵より蟹生まれ{ルビ出=い}づ ....
ラジオの
途切れ途切れの音が
明日へ、
   明日へ、
とつぶやいている
のに

赤いほっぺたの頃へと
続く夜が
いつまでも車窓を流れてる

さよならと
おやすみと

りん ....
*
澄んでいく記憶の端から
水色の汽車が走り出します
ため息や欠伸といった
水によく似たものたちを
揺れる貨車に詰め込んで
透きとおる空の下
滑らかなレールの上
どこまでも
どこまで ....
ポケットが汚れ始めている
待合室は朝から眠たい
何かの整備工の人が
口を動かしている
語りかけるように
沈黙を選ぶ言葉があった
目を閉じようとすると
少しばらばらになる
水が優しい濃度 ....

家を出ると
道端に
無数の舌が落ちていた

赤信号が
誰ひとり停められなくて
途方に暮れているような真夜中だった

舌たちは
うすべにいろの花のように
可愛らしく揺れなが ....
かつて潔く閉じた手紙は風を巡り
伏せられていた暦が息吹きはじめている

朽ちた扉を貫く光は
草の海を素足で歩く確かさで
白紙のページに文字を刻みはじめ
陽炎が去った午後に、わたし ....
あなたは
きえそうなひかりのまえで
手をかざしている

胸元から
オイルの切れそうなライターを出して
何度も 鳴らす



うつくしいけしきの
まんなかにいる
いつも
き ....
 そう、確か約束したのは今日でした。あの日と同じ月は無くとも

 まっくらな夜に逆らう星たちを握りしめよ、と右手をかざす

 涼しさは不意撃ち気味に訪れて何も言わずに終わっていく夏

  ....
{引用=


  事実、失われたものたちが/こどもみたいなことを
  眉間に集束して、にこやかに手を振っている/窓際に並べ合って、トランプしている
  夏の蜃気楼に酔った、寂しさの群れが/失 ....
父が逝ってしまったあとも
私たちは変わらなかった

私は
時々メールを送る

ふるさとの母に宛て
その辺の草木とか
カシャリ、と撮って

しばらくして
母が大げさに
電話をして ....
 
 
やさしみの
さかなが
しずかに
みなもをおよぐ

やわらかな
さざなみは
しあわせなきおくを
みたそうとする

やきつくされたあさ
さいれんがなりひびく
しきはまた ....
幾度か見あげた空に
映ったものがなんであったのか
たぶんもう忘れてる
紙パックの恋だったものは、いつも回収されて
手元に残されたのは飢え渇きばかりだった
今日もどこかで再生産されているだろう ....
 Quartz
 震えて
 終わりと
 始まりのないものを
 区切っていく
 切り刻んで
 数をあてる
 なにものとも
 名づけられない筈の
 私より薄くて
 鉄も
 昼夜をも含 ....
はさみ
兵藤ゆきより
大きなはさみを
買う
ポケットには入らないので
背負って
帰る
兵藤ゆきですら
背負ったことないのに
道が市街地に向かって
少し車で混んでる
子供の頃
兵 ....
木陰に砂糖菓子のような
駅をつくって
少女は列車を待ってる

関連づけられるものと
関連づけられないものとが
交互に、時には順序をかえて
やってくる
皮膚に触れば
それは風のことだと ....
 
 
午前、すべての音を忘れ
掌からこぼれていく
ものがある
極東と呼ばれる
工業地帯のある街で
あなたは忘れられない
いくつかの日付をもち
数えながら折る指に
僕は気づいてはい ....
誰も
さよならを言わない
誰も、何も、言わない





ジ、


ただ
重々しい青へ、空の、青へ
弾け散るように飛び立った蝉の
既にこげ ....
 DIVA




 響きのないところに唄は産まれ
  伝えようとしている。

 幾つかはこぼれ
  すでに無くなったのだとして、


 ひとつひとつ、
  朝日に撫でられて ....
あるときから まいにちが
惰性になる 歳月は
ほどかれて だれのものでもない
くちびるの ふるさとへ
錘をおろしに かえる
ほかの季節は
ただうつろいやがて消え去るのみだが
夏だけは
爛れ朽ち果てそして亡び去るのだ
明日も 生きてゆくために
今日も たくさんのことを
やりのこした 夕風が
たちはじめる 時刻に
からだを 洗っている
嘘つきはもとめるように口を開く、
だから石を入れて縫いつけた。




キスしたければ唇のように目をあけてぼくを受け入れて噛んで。




さあ泣 ....
声の名残りが
短く重なり
雨と雨の手
屋根に眠る手


甲をめぐる
ひとつの羽
道はかわき
風は糸に寄りかかる


見えない刃と刃がすれちがい
音だけが回り 残さ ....
あかあかと美しすぎてお日様のその輪郭にただ弾かれている


もものかわはがしたゆびがぐにゅぐにゅであらったけれどもにおいきえない


歌いながらまるく溶けてく氷たち 透明なグラスにあふれな ....
サンダルの指さき焼いて終わる夏
    さわぐ波音遠くに聞いて


誰もいないパラソル揺れて砂浜に
    思い出さえも続くスナップ


飲み干したカルピスウォーター氷だけ
     ....
51

手に速度が馴染む
坂道は距離のように続き
俯瞰する
鶏頭に良く似た形の湾に
昨晩からの雪が落ちている
ポケットに手をつっこめば
速度はあふれ出し
また新たな速度が生成され ....
足から入り腕を出すと
ダンボールのほかは空ばかりで
おれは首のばし
下をのぞきこんでも
からり晴れわたり風鳴る底なしの

しまった
あれも連れてくればよかったと
ポケットの小瓶 ....
藍色を少し混ぜる
空の端の盛り上がった場所に置く
それだけで一日は暮れていけるし
僕らもゆっくりと、眠ることが出来る

あの日、あの壁の落書き
木に刻んだあなたの名前
遠くへ行けるようで ....
  
 
庭に雑踏が茂っていた
耳をそばだてれば
信号機の変わる音や
人の間違える声も聞こえた
ふと夏の朝
熱いものが
僕の体を貫いていった
雑踏は燃え尽きた
かもしれないが
庭 ....
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