月が綺麗ね
あなた
三日月であろうと
半月であろうと
喩えば新月でも
夜空見上げて
語りかける
まるであなたが
横にいるかのように
月が綺麗ね
あなた
雲に隠 ....
動き出した特急が
午後の太陽のように
去り行く僕の影を
ゆっくりと引き伸ばす
まだ知らない場所も
通り過ぎた道のりも
結局ここからは見えないんだ
僕はこの町が
好きで嫌いで
....
カタログを開けば色の洪水であたしは靴の箱舟に乗る
雲間から光のはしごおりる声 ひばりは空に春の種まく
ドーナツの穴ばかり食べ水曜日
左手にくらべてぎこちない右手
夢を買うお金も置くところもなく
いつからだろう
あたしの中の蛇が
どんどん大きくなりだしたのは
あたしの最近の奇行
はじけっぷり
何か 内なるものが
爆発するような
高揚感・・・
自分で自分を抑えることが ....
遠浅の海を渡って描きこんだ水平線のかなしい夕日
裸眼視力 0.1なし
コンタクトをやめてから
度の厚いメガネは
常に手放せずにいた
けど
この頃
ぼーっとした裸眼が気持ちいい
慣れた自分の家
裸眼でもつまずくくらいだ ....
夕焼けには感動しないとだめですか?
海にも菜の花にも、アニメの最終回にも
あいにく僕の言葉は文字化けばかりで
昨日よりいっそう殺風景な部屋にいます
虹は一度も作ったことがないので
何が神 ....
砂漠に花は咲かない
僕は細い筆を拾い
砂を手のひらに広げ
怠惰な脂で溶き
いつか憧れたレンガの壁に
初めての嘘を描く
アリスからきみに差し出すトランプは52枚のハートのエース
ひかり差す春の階段かけあがる 紋白蝶のゆらぎをまねて
自分の読んでるものが
自分の書いてるものが
たまらなく
たまらなく 卑小に見える
あたしって
なんて アタマ悪いんだろう
19から成長してないよ!
と思ったら
だれかが ....
波音に吐息は溶けて泡になり水の香りを身につけた肌
ふるさとの母の手縫いのつるし雛 幾とせもの春のせてゆれてる
春雨に濡れるこうもり傘を閉じ君をついばむしなやかな夜
銀の雨、初めて君を知ってから37℃微熱のくちびる
悲しみをすえ、そうじきよ。ぞうさんの長いおはなも彼に届かぬ
好きなひとに甘えられるとかわいいと思う
ふつうのひとに甘えられると
どうしたらいいのか分からなくなると思う
秋の空ではなかった
つめたい風に春が匂った
頬を耳をそよう ....
ピンクと灰色とブルーが混じり合って
あたりがもうすみれ色になっていた
春にちかい風が吹いた
LEDほどのつめたさが鼻を撫でた
きょうの天気がなんであったのか
わからなくな ....
自殺が話題にされると
じぶんの引き出しに
自殺が入り込んで来る
まさかじぶんが
そんなこと
今は有り得ない
この実感が曖昧なことに
しばらくして気づく
自殺よ、忍び寄らないで
....
希望は与えられている
悲しみは与えられている
ショパンを練習している
テンポの変わるところが
音がほどけてしまってながれない
おなじところで音もわれる
灰色の街で
....
恋人いじょう
友達みまんのふたりには
待ち合わせる場所も
繁華街のシャッターのまえ
セブンスターを持ってかざして
立っている
割り切りたいと
そういう欲望 ....
あどけないズルさや
さやかな正義感が
生まれては消え
生まれては消えしていた
ぼくらの気持ちは
さらにどこへと消えてゆくのだろう
友よ
永遠など
な ....
夜を雪がゆっくりとゆく
フケのような
ボールが止まって見えるような
それが地球の速さなら
自転がとっても速いような
女の泣いている気持ちは
少年のとまどう気持ち ....
Y字路にこだまする轍
夜と本気で向き合っていた
暗闇のなかの標
どこかはどこに在るのだろうか
ふたり達が消えてゆく
ひとり達が生まれてゆく
夜に糸が弾いている
....
アスファルトのうえに
足が浮いているのは
木枯らしに吹かれるままの
影のないわたしだからだろうか
思考はしゃべると渇いてゆく
目もしばしばと痛かったりする
わた ....
繋がって行く 全て
愛に辿り着く 不思議
空をかく手も同時に
青い爪は貴方への反抗?
相対性理論
取り戻したい 今はそれだけ
何も無いのは ご不満で ....
ふゆの哀しみ
何処につづいている
君の乳房に口づける
石英の香りだ
その暗がりは
ひんやりと音もなく
蛍光灯のあかりだけ
つづいている
すきなだけた ....
命を継ぐいがい
時を旅することはできないぼくらは時の旅人だ
星は知らない
互いに知らない星と一掴みにされて
勝手に名前をつけられていることを
星よ、ぼくらが、なぜそんなことをしたのかって ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20