飲みすぎたアルコールとともに吐き出した
苦しみも 悲しみも 寂しさも
苛立ちも 憤りも何もかもが
それはもう呆気なく
それはもう大きな渦となって
便器の穴から消えてゆく


吐き出した ....
星々の明るさが際立ちます
夜気がひんやりと
澄み渡るらしく
星々の明るさが際立ちます

されど
星々はつねに燃えているのであって
なんの労苦もなく輝くものなど
在りはしないのであって
 ....
ヘッドフォンから流れでる星を聴く白む空に祈る午前5時



昼過ぎの日ざし出窓の水槽でスプリングして七色プリズム




空の手前でカーヴしてはくりかえす「はなれたくない」ロケット旋 ....
老人ホームの廊下にぽつんと置かれた
老婆の横たわるリクライニング

動かない首をギブスで固定され
閉じた瞳を{ルビ顰=しか}め
入浴の順番を待つ

「{ルビ今日=こんにち}は」

 ....
部屋の電話線は
きっと
つながっているのです
耳をそえると
懐かしい雨音まで
聞こえてきます


ロウソク工場の煙が東へ流れて
小さな雑草の黄色い花が
激しく雨粒に
たたかれてい ....
ふと
寂しくなったので
何か作ろうと思い台所に立つ

頂き物の里芋がたくさんあったので
とりあえずそいつを煮ることにして
丁寧に皮を剥いて丸くする

冷蔵庫に鶏の挽肉があった
さやい ....
知っているのですか
あなたと
わたしが
手を合わせる
その意味を

つなぐ、と
つながれる、の
隔たりをあなたは
まるで何も
知らないかのように

この寂しさを
知ってくださ ....
ちょっと こっちへおいで

ふすまのあいだから
まるで骨のような
青白い手を

くらり くらり と
招いて

貴方は 僕を呼ぶ


おかしを あげようね

ちり紙に包んだ
 ....
「す」よ、住め

「や」よ、住め


 す すめ、も   や すめ、も

 あたたかし。



「す」よ、澄め

「や」よ、澄め


 す すめ、も   や すめ、も
 ....
やわらかな陽射しに顔を照らされて
ふと立ちどまる

それはあの人の腕の中と同じ温もりで
ぽっかりと空いた胸の空洞に気づく


子供みたいに駄々をこねて
一夜だけでいいからと縋ったの ....
おとといまでのぽかぽか小春日和から一転
きのうはどんよりと冬枯れが
凝ったような空模様で
天気予報も縞模様を
綺麗に入れる為か
季節の針を先に進める一押しか
下り坂に向かう予想
朝、カー ....
自己嫌悪が庭に降り積もって
草木は見えなくなりました

どうにも塀が成長しすぎて
背伸びしないと外が見えません
日を追うごとに高くなります
礼儀も何もなく覗きに来ていた
屈託なく笑う あ ....
38.6度の熱で
静かにベッドで横になってたら
アトムやら
太宰治やら
はちべえなんかが

おでこの辺りで
なにやら難しい話しをしてた

その顔は
どれも真剣で

声をかけよう ....
枯葉がたくさん 地を這っているので
焚き火をしましょう、と
あなたが言うものだから

ボクは
ライターと 竹箒を
しっかりと 握るのです

この庭中の 枯葉どもを
全部集めようとすれ ....
中学や高校時代に書き散らかした。へたくそなのに自分で「詩」と呼んで
書き散らかしていました。それは主に大学ノートに、結構きれいに書かれ
ていて、いまのメモ書きに比べると「ほほぉ」と思えるほど詩集風 ....
からだぜんぶで恋してたかといえば
65パーセント
なめればしおっからい涙の塩分みたいに
65パーセント

わたしのからだは
65パーセント
みもだえ感じるのも
65パーセント

映 ....
あの海の家はどこにあっただろうか
夏の
暑すぎる昼下がり
そこで笑っていた太陽のような人びとは
どこに行ってしまったのだろうか
時というものが絶えることなく
いつも継続して流れてゆくとは
 ....
ひとつ
数えている間
雨の中を子どもが走って
ひとつ
明かりがともると
夕餉をかこむ

その間取調室で
自白がひとつ
強要されている
息をしない人の形が凍え ....
海岸にうちあげられた貝殻は
まるで磨かれたつめのようでした

わたしはその上を裸足になって
割らないように歩きました

もう冬の寒さの中
波しぶきが雪のように舞う日のことです

痛い ....
青のお墓で悲しむことはありません

白の立ち姿を遠目で映します

赤のお空で産声は響きます

黒の後ろ姿を光で焼きつけてください


あなたのいた砂の層が
うららかに音を奏でて
 ....
 明け方に君の気配を感じなくて目がさめた
 ふるふるまわる一人きりのこの朝

 手応えのない時間の中で
 自分を責める気にもなれず
 夜中に帰ってしまった君の想いが
 妙にうらめしい
 ....
中学校を卒業してあなたは僕に勉強を教わりに来ている
そういった名目で僕のうちに毎日来ていた君
だから君の高校の英語の宿題の最後のドットを僕が打った日
僕らは会う理由をなくしました
君の英語の宿 ....
準備運動は必要だよね
途中で足がつらないように
君と地球を泳ぎきるため

助走はやっぱり必要だよね
途中で失速しないように
君と地球を飛び越えるため

怖いときは目を瞑ればいい
 ....
今日も手を振って別れるよ

君が小さく見えても

大きく手を振るよ

振り返りたくなるぐらい

たくさんたくさん




紅い葉っぱをとばす風には惑わされず
ス ....
 現代詩フォーラムでは投稿した詩に共感していただいた方よりポイントを頂戴できます。それは、詩の言葉を通じて心を通わせ、思いを共有していただいた証であり、とても大切でありがたいものです。ですから、その方 .... どうしたら君に届くんだろう

たとえば木洩れ日が
レースのカーテンに映した
まだら模様のさざめく言葉たち

秋の一日は
誰もがみんな一人ぼっちと云いながら
肩を寄せあって群れている ....
キミが ボクの人差し指を
折れそうな 両手で
必死に
必死に
にぎるから

ボクの
折れそうな 心は
やっぱり 折れて しまった


キミのバイバイと
ボクのバイバイ

違 ....
かさかさ
こそこそ

内緒のはなしは
あのね、のね

葉っぱをめくって
こっそり隠す

かさかさ
こそこそ

落ち葉に
落ち葉に
あのね、のね
君の為に書こう。
君に向けて書こう。

そう決めて、
昨日一日、
ずっと考えたけれど、
何も書けなかった。

だから、
平凡だけど、
こう書くよ。

お ....
胎内より産まれ出るとき 人は両の掌を握り締める
これからの生を掌から逃さぬように
そして命絶えるときも 人は両の掌を握り締める
これまでの生き様を掌から逃さぬように
これまでの記憶を掌から溢さ ....
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