日中の忙しさからすっかり静まり返った 
午後九時過ぎの特養老人ホーム

入院先で亡くなった 
Y爺さんの{ルビ亡骸=なきがら}が入った棺桶は 
施設内の小聖堂に運ばれた 

いつもはほと ....
草食べて帰ってきたら
ご主人がすてきに見えた
台所で皿を洗う
健康スリッパを履いたご主人の
もっちりしたふくらはぎに
すりすりしてみる


   あっ、おかえり


なにかこわく ....
星明りの瞬く夜道を
皮ふと同化している
水晶時計の周波数と歩む
果てしない さようなら の骨格が、ひんやりうずく
しろく曲線にそった静寂(銀のしずく
の波紋)の右旋性が
夜風にとじられたま ....
体のことを思えよ
おれの
体のことを

体のことを思うよ
おまえの
体のことを

体がいいから
おれたちの
体がいいから

おまえの肌のきめを
北から ....
遠鳴りを
たずねてゆびは
更けてゆく


 傾き、
 あざむき、
 なき、みさき、


橋の向こうを告げられぬまま
こころもとなく
火を浴びて

頑なに
待ち人の名を ....
背後から抱きしめられる気配が
して
「だぁれだ?」
そんなのあなたに決まっているのに
他のだれかを想像してみる

雪の降らなかった今年の冬を
ひとりで歩いてみた
行き先なんか
決めた ....
「Le Poete」(詩人) 
という名の店が姿を消した後 
新装開店して「Dio」(神) 
という名のピザ屋になった。 

消えた、前の店と同じく 
ピザ屋は毎日空席だらけ 

カウ ....
まんっまるの満月だ


夜でもあったかいもう

はある

あはは

さくら
あっちのお山の
桜は咲いたかな
ちらほら
ぶわあって
ねえ
ねえねえ
さあねえ

海 ....
別れの時刻を知ったとき
ひとは優しくなる


 すなおには
 明かせなかったこころをもって
 朝はかならず来るのだと
 ようやく夢は
 ここから
 近く


ありがとう ....
ふと気がつけば
後ろ手の冬

雪の匂いも薄らいで
それとは知らず
陽をまとい

季節は
追い越せないものだとばかり
待ち続けてきたけれど
いつの間にやら
景色は流れて

 ....
木彫りのゴリラを作った
魂をこめたつもりが
こもったのは悲しみだった
真夜中彼はがんがん胸を叩いて吠える
号泣だ
朝、机の上の涙の水溜りに半べそでモップかけてる
あんまりか ....
よみがえる言葉を
踏みしめながら
いつの季節もささやかに鳴り


 のびゆくはずが
 逃げてゆけないものへと
 落ち着いてしまった

 あたらしく
 おとを試して、
 更 ....
脱ぎ捨てたシャツには
汗の匂い
それはそのまま
あすへとながれて

うっすらと
口づけをもとめる
よるの首筋は
片付けきらない部屋の
すべてを横切り
とけてゆく


 ....
夕陽をあびる 
丹沢の山々に囲まれた 
静かな街の坂道を 
バスは上る 

時々友の家で 
深夜まで語らう
( 詩ノ心 ) 

午前三時 
友の部屋を出て
秒針の音が聞こえる部屋 ....
西日の{ルビ紅=くれない}に照らされた
誰もいない部屋の
あの日は永遠に暮れずに
私を傾きつづけて

太陽電池式腕時計の刻みつづける
秒針の先にひっかかっている
スープに影はささないでい ....
色の名前を忘れていく
最初に忘れたのは
花の色を真昼の
それにする太陽
そして、ものまねの月

雨の色を忘れていく
濡れるものとそうでないもの
雲の内側では透明の
感傷にも似た
匂 ....
流れてしまつた雲を追いかけて
防波堤を越えた、二人だけの流星を掴み
散りばめたあとの笑顔を見ましたら
それはもう、美しいとしかいい様のないほどに
ふたりの時間は流れていつたのでした。

ぎ ....
 




生きる事は



生ける者

全ての

正義である






僕の命は



君の

命の

正義 ....
私はあなたの足から離れてしまいました
橋から見下ろす川の水が
私を誘っているようでした
一瞬だけ
ほんの一瞬だけ
あなたのことを忘れてしまって
そのまま川に吸い込まれてしまいました
水の ....
透き通る石が相手なら
わたしの瞳もまもられそうで、
こころゆくまで
あずけて
うるむ

そんな夜には
ゆびも優しくなれるから
ゆめをすなおに飲み干して
爪は爪のまま


 ....
雨粒を
ゆるすしかなかったことが熱だった
ほんの
一握り、の

うばわれるものも無く
渡ってもらうことで
どこか安らいでただ濡れていた
それしかなかった、
雨だれに
ほそく ....
(また、お出かけなんだって、つまんない
保育園で唯一娘のことを
好き
と言って遊んでくれた友達は
先月突然、家庭の事情で引っ越してしまった

この町にも
あの町にも
ひしめく家並み
 ....
{引用=
いいえ、あれは太陽ではなく
古びたシャンデリアの明かり


起立、
今日という善き日から逃げ出して
梟の首を廻す
大海原ではマストが立ち始め
皆が合図を待っている
黒い波 ....
{注GEKKO=白黒写真印画紙「月光」}に浮かび上がる
曖昧な輝度信号
ほしおり はすぐそこに迫っていた
切り取られた夜空を
暗室の赤い光に積もらせ
あまりにも遠すぎて
おぼえきれない思い ....
丘の上の{ルビ叢=くさむら}に身を{ルビ埋=うず}め 
仰向けに寝そべると 
空は、一面の海 

宙を舞う 風 に波立つ 
幾重もの{ルビ小波=さざなみ}を西へ辿れば 
今日も変わらぬ陽は ....
人生は甘くないと言う事実を
嫌っていう程噛み締めて
後悔の海に溺れていく

人間辞めたくなっちゃったから
鉄腕アトム張りのロボットになろう
超合金とまでいかなくても
シルバーメタリッ ....
{ルビ微睡=まどろ}んで、乗り過ごすうちに
春まで来てしまった

0番線から広がる風景は
いつかの記憶と曖昧につながっていて
舞いあがる風のぬくもりが
薄紅の小路や
石造りの橋や
覗き ....
まずはじめにおことわりですが、特定の人を責めたいわけでは決してありません。

土星の輪ゴムを手首にし君の買う葱特売の嘘嘘嘘(私 作)

土星の輪ゴムを手首にし君の買う嘘特売の葱葱葱(Pさん 作 ....
翼を有する生きものに
あこがれていた

のぞみの場所までは
もちろんのこと
そこから
遥かな地平のすみまで
こころはきっと
羽ばたける

翼を有する生きかたに
あこがれて ....
かた目をつむってご覧なさい

指先に抱えた透明を
明るさに透かして見えるのは
ある日の空や海だったり
はたまた宇宙のように綺麗でしょう

その水結晶の輝きは
確かにあなたの瞳の薄い ....
銀猫さんのおすすめリスト(3217)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
「_遺体の顔_」_- 服部 剛自由詩10*07-3-8
こはる- とうどう ...自由詩8*07-3-8
一輪挿し- こしごえ自由詩19*07-3-8
眠れ- 水在らあ ...自由詩26*07-3-8
烙印- 千波 一 ...自由詩23*07-3-8
だぁれだ?- 恋月 ぴ ...自由詩42*07-3-7
(_ピザ屋_Dio_にて_)_- 服部 剛自由詩11*07-3-6
兎と桜と満月と- ふるる自由詩15*07-3-6
ひとは優しくなる- 千波 一 ...自由詩18*07-3-6
春風を凌ぐ君- 千波 一 ...自由詩27*07-3-6
- 水在らあ ...自由詩29*07-3-6
針葉樹- 千波 一 ...自由詩14*07-3-5
いつか旋律へ- 千波 一 ...自由詩14*07-3-5
「_遺影の顔_」_- 服部 剛自由詩10*07-3-4
翳り_(かげり)- こしごえ自由詩21*07-3-3
桜、わすれていく- たりぽん ...自由詩25*07-3-3
白昼夢- 仲本いす ...自由詩907-3-2
【_正義の味方_】- 豊嶋祐匠自由詩3*07-3-1
川底の靴- ぽえむ君自由詩12*07-3-1
水晶になる- 千波 一 ...自由詩20*07-3-1
千の槍が降る- 千波 一 ...自由詩11*07-3-1
あっかんべーの事情- 佐野権太自由詩17*07-3-1
手暗がりの下、星の肖像- 士狼(銀)携帯写真+ ...11*07-3-1
ほしおりの、そのときに- たりぽん ...自由詩12*07-2-28
願いごと_- 服部 剛自由詩15*07-2-28
*錆びないジェラルミンは*- かおる自由詩10*07-2-28
春のホログラム- 佐野権太自由詩34*07-2-28
普通に「嫌です」って言えばよかった- ふるる散文(批評 ...9*07-2-28
有るべき翼にまもられて- 千波 一 ...自由詩14*07-2-28
「ビー玉」_(青年詩片)- ベンジャ ...自由詩7*07-2-28

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