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表面張力のまほう、
いつの日にか飛び立てる気がして
いまさっき
世界はひっくり返ってしまった
*
消火器を撒き散らした日のこと。
黒板の角にはいつだって
誰かの告白の残骸が残ってい ....
最近のボクはこんばんわを忘れてしまった
常に出る言葉はおはようございますとおやすみなさいだけだし
愛してる、なんてもう久しく言っていない
昔、杯を交わしたおまえとは何でも話せたような気が ....
その瞳の奥に、死神がいる
パンを食べたくて、死神がいる
横たわれライオン
お前は長く走りすぎた
渇ききれないお前が
瞳に写すのは
限りない緑と
求めていたはずの
青だろうなあ
次第に灰色になるお前を
私は少しだけ強く覆うよ
まだ腐らないお前を、
....
昨日までやわらかかった
祖母の手には
取り返しのつかない
岩石が生えてしまった
気味悪がる僕をよそに
つうんとした口調で
おこづかいをあげる
なんて言い出したから僕は
* ....
流れてしまつた雲を追いかけて
防波堤を越えた、二人だけの流星を掴み
散りばめたあとの笑顔を見ましたら
それはもう、美しいとしかいい様のないほどに
ふたりの時間は流れていつたのでした。
ぎ ....
僕はこれから逃げ出そうと思う
自分自身に宣告をし終えたら、
吐き出し損ねたその心臓を出し
これから二人蒸気船に乗ろう。
誰かの為の架け橋を潜り抜けて
涙がバイバイの形に成長したら
どう ....
日暮里駅から
山手線に乗り換えて
十二番のトコに来る
各駅停車の
でんしゃに乗れば
四、五駅で
過去の
自分に
会いに行ける。
ぴーひゃらった
とんととんとん
....
僕らもいつか禿げて来る
禿げてくるから光るんだ
僕らはいつか禿げて来る
だからこんなに悲しいんだ
毛の艶を太陽に 掲げてみれば
見事にパサパサ 僕のキューティクル
....
ざわわと、海が鳴る事は
地球が三回転半しても
難しいことだろうけれど
すきだと、僕が声を出すことは
地球が三回転半するまでに
何万回言えることか。
ぱたりと、本が倒れることは
風 ....
よしださんって人は
そりゃぁもう、いまどき稀に見ないほどの
和風なお方で
そりゃもう
声は小さくて
黒髪が似合っていて
見た感じ
男性が苦手そうな
コンビニの定員さ。
....
パステルカラーに飲み込まれた。
あの娘は、パステルカラーに。
現代美術の進展具合に絶望して
部屋中をペンキで塗りたくった画家は
チャックベリーの誘惑に、
負けた。
彼は今、 ....
あなたがあまりにも
私に優しくするから
あの薬缶は汽笛をあげている。
スカイ スカイ スカイ
空を見上げて
私を見てほしい。
スカイ スカイ スカイ
ぎりぎりのところ ....
わたしの肌は
蜜柑のかおりが
少ないせいか
かさかさに
なってしまって
こんなんじゃ
新しい恋なんて
できやしないわ
燃えるような
熱い恋だなんて
わたしは
そう、言った ....
{ルビ掌=て}の中に ほわりとした
綿毛を握り
まだ暖かいのは
さっきまで
誰かの傍で
咲いていたから。
もしも棘が抜けたなら
この砂漠を、渡りきること
できるだろうか
....
君を書き終えて、結構な時間が経った。
君は今も、元気に笑っているだろうか?
それとも「なんでこんなにはやく終わらせたんだ」と、怒っているだろうか?
複数の方に言われた「短すぎる」の一言。
....
珊瑚の咲く
あの海にも
揺らめく海藻の
森にも
ボクはいないよ
ボクは
暖かい
ここに
落ちてる。
この汗は誰にも
渡さない
僕が
頑張って
頑張って
頑張って走って
走ってきた
あかしだから
あの明日も
渡さない。
ちょっとくらい
周りと雰囲気が
違ったり
なにか言っても
受け入れられなくたって
ボクにとっては
どまんなか
だから
そのまんま。
進化していく
必要は
ないよ。
負け犬だとか
勝ち犬だとか
よくわからないけれど
吠えなくなった
時点で
終わりなような
気がするから
いくらだって
遠吠えしてやる。
世界中のすべての色のなかで
ある一色を残し、すべてが消えるとしたら
どの色を 残したいだろうか。
週刊誌の隅に書かれた
そんな 質問に
まじめに考える彼は
どれほどの色と
ど ....
詩を書いてきて、よかったこと。
言葉にすることによって、多少なりとも誰かしらを助けられて。
誰かしらの意見をもらえて。
誰かの感情を左右できるってこと、すごいことだと思う。
詩を書いて ....
卒業写真には 彼は 左上で
蝋人形みたいな 無垢な顔で
佇んでた。
彼の おとうさんに見せてもらった
写真には 今まで 見たことのない
屈託のない 笑顔って やつで。
山田 ....
まんまるな まるで天使みたいな笑顔で
写真なんかに 納まりきれない 歓喜というか
「ありがとう」ってさっきから
声がかれるまで 言ってる。
鼻水なんて もう、口に入っちゃってるのに
....
なんで 穴を 掘ってるかって?
実はね
穴のなかに
隠れて
住むためでも
誰かを
陥れるためでも
ないの
君と
君の
その溝を
埋めるための土
....
燃えるような恋とか
ドラマみたいな展開とか
そんなの要らないから
どうか、神様
僕ら二人を
そっとしておいてください
月のしたで。
願いをかけたテラスに
立て掛けてある望遠鏡は
星を見るために
{ルビ存在=あ}るもの
生い茂る草に
宵の露が
降りかかった時
{ルビ覘き口=レンズ}は静かに光る
星 ....
懐かしい街の
懐かしい匂いを
求めて
大空へ
飛んでみたら
なんだか
涙が出てきた
傷だらけの翼が
胸を打った。
泡を吹くまで殴られたって
譲れないものってのはある
自分の殻に閉じこもっても
プライドは残ってる
でも、もちろん
生きてることを
大事にしてる
何万年だって。
その ピカチュウに
俺の 名前 つけてよって
言葉を聞いて
ピカチュウ に ゲンキ って
名前
つけてる人
ああ、なんだろう
この空気 好きかもしれない。
....
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